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渋谷を歩いて気づいたこと

2019 JUL 10 1:01:12 am by 東 賢太郎

金曜日の大学のクラス会を楽しみにしていたら事情で行かれなくなってしまった。そのいきさつを秘書に話すと、もう彼女の世代にとってはクラス会というものは当たり前のようにある存在ではないらしい。仲良しとラインするだけで用が足りるというが、文字だけでそうできるのは仲間や友達というものの在り方が我々とは変わってしまっているんだろうか。

今日は健康診断で渋谷を久々に歩いたが、道玄坂から井の頭線に向かうとガード下は今でも飲食街でごちゃごちゃしてる。僕が学生のころはもっと下世話な赤ちょうちん、屋台が雑多にひしめいてた。仲間で駒場で麻雀やって夜に歩いて松濤から下ってここまでくる。焼き鳥屋で飲んで騒いでどうやって帰ったか覚えてない。渋谷はそういう所だった。ここを自分が歩いてた。史跡に来たようだ。

文化村あたりでつけ麺屋に入ったら外国人が多い。半分ぐらい外人である。それも団体じゃない、バックパッカー風の男女がふつうにてんでばらばらに入ってくるのだ。このへんは昔から相変わらずの風情だ。ストリップの「道頓堀劇場」から猥雑な小道を下ってくる。そのほんの100メートル先ではオーチャードホールでベートーベンを演奏しているのである。なんてところだ。

東急デパートと109の間の大きな道は文化村通りという。左へ登ると住宅街の松濤だ。反対のつきあたりにはブックファーストの大型店舗があったが2年前に消えた。こういうよく来た店は何階のどのへんに何があってとはっきり覚えてるだけにつらい。でも思えば本もCDもあまり必要なくなって久しいのだからこっちの問題なんだ。どっちも手当たり次第に買ってたくさん積んだままだ。

健康診断は3月に指摘されたものの経過観察だが、「近頃は何でも医師は指摘するんですよ。見落としのミスの指摘を避けるためです」と写真を見た別の医師が指摘した。そして、その所見と限界を説明する。「じゃあ心配ないんですね?」「ですから申し上げた所見ですが、限界はあります」。天気予報を思い出した。「年1回のCTで結構。2回以上だと被爆しますから」。これ2回目だ。

運命の車輪はゆっくりゆっくり回っている。

O Fortuna おお、運命の女神よ

運命の女神よ、貴女は月の如く満ちたり欠けたり、常に定まらない。 人生も同じこと、確かなものは何もなく、運命に弄ばれ貧乏も権力も氷のように無に帰する。 恐るべき空虚な運命よ、おまえは車輪の如く回ってゆく。 信頼能わず、隠れたら現れ、健康と徳を授けたらすぐに欲情と背反をよこす。 我らは常に憂悶しながら、たえず恐れおののく。 さあ、運を掴んだ者も投げ落とされた者も、私と共に運命に泣こう!

(カルミナ・ブラーナ)

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