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読響定期・グバイドゥーリナ:ペスト流行時の酒宴

2020 JAN 16 0:00:52 am by 東 賢太郎

2020年1月15日〈水〉 サントリーホール
指揮=下野竜也
サクソフォン=上野耕平

ショスタコーヴィチ:エレジー
ジョン・アダムズ:サクソフォン協奏曲
フェルドマン:On Time and the Instrumental Factor(日本初演)
グバイドゥーリナ:ペスト流行時の酒宴(日本初演)

 

最高であった。アダムスの曲はモダン・ジャズ風でリズムと音色の饗宴。上野耕平のうまさは只者でなくサクソフォンはこんな音がするのか!という驚くべき発見の連続であった。フェルドマンは逆にリズム要素がなくゆったりした不協和音の連鎖で時が止まったような不思議な音楽である。グバイドゥーリナは圧倒された。これは名曲だ。天井のスピーカーからドラムスの音が重なってくる効果も目覚ましく、音楽としての起承転結も明確。この手の音楽でこれほど感動したのはあまり記憶にない。下野竜也は何度聴いてもはずれがない。未知の分野への探求心と見事なリアライゼーションには何時も頭がさがる。オーケストラが全力でそれにこたえ迫真の音を奏でる。こういうものこそ正真正銘の音楽だと思う。心から敬意を表したい。

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