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カテゴリー: ______プロ野球

プレミア12は優勝、あとはFAだ

2019 NOV 17 23:23:13 pm by 東 賢太郎

プレミア12、優勝おめでとう。稲葉監督は日本のためによくやった。決勝の韓国戦、山口のコントロールがやばいなと思ったら1回にいきなり2発叩きこまれて3-0だ。誠に勝負弱い奴だ。相手の左腕のメガネは米国戦だったかで素晴らしくイキのいい球を投げていて、ああこれでもう終わったなと思った。それを叩き返した今大会5割打者の鈴木誠也、そして重いムードの中で快心のスリーランを放った山田、相手をがっくりさせたダメ押しヒットの浅村。さすがである。山口以外の投手はみな凄かった。特に7,8,9回の甲斐野、山本、山崎は、あれは打ちようがない。危なかったベネズエラ戦、米国に敗退など、特に打線については全く機能しない者もいてフラストがたまったが、勝てば官軍、終わり良ければ総て良し。皆さんこの時期にお疲れ様。

これで今年の野球も完全終了。最後にFA動向だが、カープに曾澤、野村、長野が残留とはうれしい。菊池も巨人はなかった。もう一つ驚いたのは楽天の美馬が原監督のラブコールを蹴ってロッテ入団を決めたらしいこと。僕は美馬を評価しており、それは去年3月のオープン戦で生の彼を見てからだ。

東京ドームで最高の気晴らし

このブログに、

調子が良いと何もさせてもらえずノーヒッターもあり得るタイプの投手とみた。

と書いたが、今年の7月19日にソフトバンク相手に8回終了まで完全試合をやってくれて、こういう見立てが当たるとおおそうだろうと気分が良い。

楽天美馬9回に完全試合逃す 12年巨人杉内以来 – プロ野球 …

 

まだ決まっていないが、もし福田が来てくれると来年ロッテは日本の覇者ソフトバンクを今年以上に苦しめるかもしれない。

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セリーグ弱すぎ、かんべんしてくれ

2019 OCT 27 1:01:55 am by 東 賢太郎

セリーグが馬鹿馬鹿しいほど弱すぎる。子供の目にも明らかだ。ソフトバンクを赤組・白組にわけて、そのどっちとやっても巨人は負けただろうと思うほどの筋金入りの弱さである。しかもそのソフトバンクはパリーグ2位なのだ。

セリーグもDH制をという声がある。原もそう言ってる。ではDHで野手がもう一人育ち、投手が気が抜けなくなると山本や岡本のエラーや増田の暴走がなくなるのか?そんなわけないだろ?要は、監督がなんと言い訳しようが、ソフトバンクより野球がヘタクソなだけなのである。ヘタな奴らがDH制にすると練習しないでうまくなる?アホらしいにもほどがある。

セリーグは人気にあぐらをかいてユルフンの野球をしてきた。それがまぎれもない原因だ。交流戦を減らそうとしているのはセリーグだ。巨人戦、オールスター、日本シリーズの価値が減るという理由だ。そんな心配はご無用だ、人気なんかもうない。地上波で流した今回の日本シリーズの視聴率は一桁台だ。弱い上に球団経営も危機感なくユルフンで昭和のビジネスモデルのまま。絵に描いたように斜陽の大企業そのものだ。

天下分け目のいくさ前、男は斎戒沐浴しふんどしを絞めてかかるのだ。そこでコーチが不倫でクビになってるようじゃ勝てるわけないよ。かたやラグビーは国際試合で感動をくれた。こっちも天下分け目のスコットランド戦の前だったが、ホテルのサウナに入ったらジェイミー・ジョセフ監督がいた。居あわせたラグビー好きの紳士がいろいろ細かい質問をしていたが嫌な顔一つせず、アスリートらしく真剣に熱く答えていてすがすがしかった。プロ野球の監督ならあれはないだろう、もうお高くとまった芸能人の部類だ。

ラグビー日本代表の給料は野球よりずっと低い。しかし彼らはそんなことは意にも介さず一途に泥くさくジャパンのために戦って強豪スコットランドを倒してしまった。日本人はこういう男たちを言わずとも涙して応援してしまうのである。かたや何億ももらってバブってる野球選手がチケット代泥棒みたいな恥ずかしい試合をくりひろげてる。日本人はこういうのを言わずとも唾棄する。僕は40年いろんな業界、企業を見てきた。こんな業界はこのままだと確実に衰退すると断言しておく。恐るべき事態だ。

 

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ソフトバンク、14年ぶりの4タコ優勝

2019 OCT 23 23:23:11 pm by 東 賢太郎

昨日のブログにこう書いた。

坂本は第1戦で千賀の内角攻めの末にボールくさい外角低めをストライクと判定され主審にからんだ。それを見た甲斐は同じコースにもっと低い球(当然ボール)を投げさせ、ゾーンに自信がなくなった坂本は三振を恐れて振るしかなく、ごっつぁんのショートゴロ。あそこから外角の見逃し方がおかしくなって打てなくなった』

そして彼は最後まで打てなくなった。優勝決定のシーンの空振り三振は、そういうことだ。第1戦ですでに2番坂本を完全におかしくした甲斐捕手。3番丸はすでに去年おさえこんでおんなじ攻めでオッケーだった。甲斐キャノンはなかったが、今年はリードで巨人を手玉に取った凄い捕手だ。

そしてこう書いた。

『それをはじいたサード岡本がボケだ、捕ってやれよそのぐらい。第2戦の山本とおんなじで、強いチーム相手にエラーしたらもうだめだ。こんな守備が下手クソなチームが日本一などあるわけない』

今日も山本、岡本コンビのお粗末な失態で自滅。オウンゴールであった。相手にとってあまりに不足だらけで、ホークスは勝ってもスカッとしなかったろうと同情するばかりだ。ボロカスに書いて巨人ファンの皆様には申し訳ないが、要はプロとして精進が足りないのであって、それで飯を食ってる人に温情などかける気は全くない。この程度で優勝できるセリーグとは何なのか、レベルの低さは危機的状況にある。このザマではオリンピックやWBCでのオールジャパンのクオリティにマイナス要因でしかないのではと思わざるを得ない。

菅野は良く投げた。見事なコントロールと責めっぷりでエースの投球だった。和田の右打者イン・ローの速球はプロの球だと思った。まあ見どころはそれとホークスナインによる阿部の胴上げぐらいだった。スイープ(お掃除)とはよく言ったもんで、こんなにあっけなくひとひねりの日本シリーズは人生初めてである。ホークスはCS初戦で負けてから10連勝。勝負事は結果を出したら勝ちだ。本当にスキのない強い軍団だし、いろいろ言われながらもこれだけの質とプライドの選手たちを使いこなした工藤監督はお見事としか言いようがない。ホークスファンのみなさん、堂々の日本一おめでとうございます。

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巨人弱すぎ、かんべんしてくれ

2019 OCT 23 8:08:45 am by 東 賢太郎

打てそうな気がしたのは亀井とゲレーロと阿部だけだ。ひどい。坂本は第1戦で千賀の内角攻めの末にボールくさい外角低めをストライクと判定され主審にからんだ。それを見た甲斐は同じコースにもっと低い球(当然ボール)を投げさせ、ゾーンに自信がなくなった坂本は三振を恐れて振るしかなく、ごっつぁんのショートゴロ。あそこから外角の見逃し方がおかしくなって打てなくなった。

第3戦はバンデンハークから亀井の先頭打者ホームランで気勢があがったが、そこから坂本、丸、岡本が三者連続三振でどっちらけである。そして追い討ちのように2回にグラシアルに甘い内角を一発を食らって振り出しに戻る。しかしその裏にゲレーロが2塁打を放っていい感じに押し返し、田中俊太がセンター前にはじき返した。これが抜ければ試合展開は変わったろうが、セカンドの川島が年に何回も出ないような超美技で間一髪1塁アウトである。

そして3回、その川島が打席に。巨人先発・高橋優貴からマン振りでレフトへ特大のファールを打ち込む。危なかった。川島はテンパってる。スリーボール。「こいつを乗せるとやばい、当ててもいいからインハイを責めろ!」と念じたが、情けないことに低めにタレた球で逃げまくって四球である。キミね、オトコ負けしてるよ、そんな奴は絶対勝負に勝てない。案の定、これでまた1点はいってしまうのである。

潮目が変わる。4回は高卒新人の戸郷がバントの送球をミス。それをはじいたサード岡本がボケだ、捕ってやれよそのぐらい。第2戦の山本とおんなじで、強いチーム相手にエラーしたらもうだめだ。こんな守備が下手クソなチームが日本一などあるわけない。致命的な4点が入る。9回は阿部が意地のヒットを打ったが、代走の増田がまさかの大暴走で三塁で憤死。おまえな、最終回4点差でリスクおかして三塁行ってもしょうがねえだろ。球場あぜんで一気に火が消え、大城、ゲレーロが力ない三振でゲームセット。もう笑うしかない。

巨人は被安打7だが与四球も7。この弱投を打線がカバーしないと勝ちようがないが、恥ずかしい13三振であった。スコアは6-2だが亀井の気合の2本だけだから10-0でねじ伏せられたフォール負けのイメージである。パリーグとセリーグは相撲なら幕の内と十両ぐらいの差なのかと思わざるを得ない。横綱ホークスが十両優勝のジャイアンツを電車道で押し出し、あまりにつまらないので座布団飛びまくりという感じだ。あしたは菅野だ。

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やっぱり強かった南アフリカとソフトバンク

2019 OCT 21 22:22:54 pm by 東 賢太郎

自分で野球をやっていて強いと思ったのは守備がうまいチームだ。打席に立つとスキがない感じがして圧迫感がある。野手が大きく見える。こういうチームはだいたい投手も良いから点が取れず、やがてこっちがミスして負けるというパターンだ。

昨日の日本シリーズ第2戦の巨人がそうだったろう。ホークス先発の高橋はアンダースローで打たせて取るタイプだ。巨人のメルセデスも同じタイプで5回まで両軍無安打である。こういう試合は先に守備でミスした方が劣勢になる。

7回、巨人のサード山本にエラーが出てしまう。そこで、すかさず代走に俊足の周東。1点をやれない試合展開。大竹のプレッシャーは倍増だなと思っていたら案の定、松田がスリーランをたたきこんだ。

ソフトバンクはセカンドに27才の牧原が現れ、出てきた当初のカープの菊池に似ている。これで甲斐、今宮、柳田のセンターラインが鉄壁になった。と思っていたら昨日の第二戦、1番セカンドは川島だ。左キラーとはいえ、あの牧原がレギュラーじゃないのか!すごい層の厚さだと無言のプレッシャーだ。

もうひとり。先発はグラシアルがレフト、中村がライトで打撃重視。点が入ると守備重視でグラシアルを下げる。ここで中村はレフトで、ライトに福田が入る。ということは守備も肩もいいのだ。その福田がスローカーブをセンス抜群のホームランを打ってしまう。これが控えか!強いなあとため息をつく。

いっぽうのラグビーWC南ア戦。日本はすぐにタックルで潰される。相手のモールはぐんぐん押しまくって、最後はトライを決めてしまう。どうしようもない。強い。なんかソフトバンクの圧力と似てるなあと思った。

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2019年ドラフトの目玉、奥川恭伸

2019 OCT 19 11:11:30 am by 東 賢太郎

去年のドラフト会議は根尾、藤原、小園、吉田で盛りあがった。あれからもう一年たったが、今年も佐々木、奥川という高校生の逸材がいた。

僕は好投手の投げない試合は興味ないから見ない。だから去年の甲子園は金足農業の吉田ばかり見ていて速球の伸びに惚れこんだのだが、どこか痛めたらしく相思相愛と思われた巨人が指名しなかったと聞いた。日ハムに入ったがぱっとしない。斉藤みたいにならないことを祈る。

あれだけの国民的騒動となったが、高校生で一軍でまともな場面で登場機会が与えられて成功したのは小園(広島)、戸郷(巨人)、石橋(中日)だけだ。大学・社会人まで入れても近本、木浪(阪神)、上茶谷(DeNA)、高橋優(巨人)、島内(広島)、辰巳(楽天)、東妻(ロッテ)、甲斐野(ソフトバンク)ぐらいだ。ドラフトにかかるだけでもアマ球界のトップエリートだが、それでも1割しかいない。

今年はどうだろう?佐々木は出なかったから一度も見ておらず噂のほどはわからない。160何キロだしたのは常人ではないが大谷もそういう騒ぎになって結局は故障したし、人体の極限のリスクを冒して三振とっても同じワンアウトだ。見世物として価値はあって大谷の史上最速165キロを世間は五輪の金メダルの乗りで騒いだが、僕の眼にはあれはおじぎしていてホークス吉村の空振りをとったがべつに何の感動もない美しくない球だ。佐々木は、けがを気をつけてほしい。

奥川は何試合も見たわけではないが、1試合で充分だった。夏の甲子園の星稜・智辯和歌山戦だ。炎天下の連投で疲労しており、一度足がつってベンチに下がり交代かと思った。相手のエース池田は6回ぐらいから出てきて元気だ。明らかに劣勢であり、星稜に肩入れして見ていた。さらに悪いことに池田が良くて星稜は打てず延長になってしまった。それもタイブレーク制とかいうわけのわからんもので無死1・2塁から回が始まる。もう奥川は疲弊してる、ヒット1本は仕方ないよな、それで星稜は負けだなと思って見ていた。

そこで奥川はバタバタ三振に取ってしまう。なるほどそういう手があったかと新鮮に思ったほどであり、想定もしてなかった。14回で23三振もとってしまうわけだが智辯和歌山の打線はそう簡単に空振りとれるほどヤワじゃない。もの凄いピッチャーだ。154キロ出るが球速じゃない、あそこで三振がとれるタフネスというか、それで当然でしょというマインドの強さが『ドクターX』米倉涼子の「私、失敗しないので!」だ。奥川君、顔つきはマー君に似ているがフォームはリリースで打者を見ている首の感じがマエケンに似ている。阪神の西もそうだ、だからコントロールで打者を操って手玉に取れる技がある。三人の不敵さもある。こういうのが打たれないピッチャーにはあるのである。ヤクルト高津監督の下か、手強いなあ、でも無条件で応援だ!

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やっぱり強かった巨人とソフトバンク

2019 OCT 14 9:09:13 am by 東 賢太郎

朝から昨日の台風がなかったかのような青空だ。3時半からクライマックス・シリーズ・ファイナルステージの巨人・阪神戦を観た。

まず、おとといの第3戦のことを書いておくと、巨人楽勝で終わりと思ってたら8-7で阪神が勝ってしまった。立ち見を入れたら5万はいたかという超満員で、あっけない2連敗の上にこの日も巨人ペースであったから阪神ファンは大人しかったのだろう、はじめのうちはいるのはレフトスタンドだけかと思っていた。それが7回表の六甲おろしあたりからエンジン全開となって興奮度はすさまじくなり、いるわいるわ、我々の席の周囲からも大坂弁の強烈な怒号が飛び始める。大山の勝ち越しソロが出ると、ついにここは甲子園かという沸騰ぶりで何も聞こえなくなった。「今夜から台風に警戒」の予報だったから早く帰りたいが、そういう時に限って延長でもないのに5時間近いゲームである。8、9回をぴしゃりと、特に9回の坂本、丸、岡本をあっさり片づけた藤川の快投には快哉だ。帰りの混雑は未曽有のレベルで命からがらどっと疲れて帰宅した。

最後の打者鳥谷が倒れて巨人が優勝

台風で一日休んだこの日曜日、西投手は完封を狙ってただろう。見ていてそんな気がしたし、そうなっていたら阪神は行くところまで行ったかもしれない。それを打ち砕いたのが岡本だった。第1打席、見逃し三振にとられた144キロは目をみはった。いい投手だ。第2打席、特に悪くない外角低めスライダーを腰をためてバックスクリーンに放り込んだ。シリーズ3本目で当然のごとくMVPに選ばれた。そして同点の6回には2死3塁から球場が唖然、騒然、ベンチも驚いたというセーフティバントで1点をもぎ取った丸。倒れこんで動かなくなった西。すばらしい激突だったが巨人が強かった。負けはしたが阪神のペナントレース終盤からの勢いは凄かった。新人の近本、木浪の加入が効いていたが、特に近本はドラフトで藤原、辰巳のはずれ・はずれだから近来稀に見る野手の大当たりだ。矢野監督の積極采配もさすがは捕手で図星が多くなり、若手が多いことからも広島カープの2015年あたりの雰囲気がある。投手陣はどう見てもカープより上だ。佐々岡新監督はよほど投手を立て直さないと来年は阪神にやられるだろう。

鳥谷、阪神最後の打席

この試合、最後の最後で鳥谷が代打で登場した。結果はセカンドゴロ。阪神・鳥谷、最後の姿だった。彼を初めて見たのは2002年の明治神宮野球大会準決勝だ。3年で早大の3番ショートだった。さっき調べてみてわかったことだが、その試合の早稲田は1番・田中浩康(ヤクルト)、2番・青木(ヤクルト)、3番・鳥谷(阪神)、4番・比嘉(広島)、6番・武内(ヤクルト)、7番・由田(オリックス)、そして投手は先発が和田(ソフトバンク)、救援が越智(巨人)と錚々たるメンバーだったが東北福祉大に5-2で負けた。この日の神宮ではもうひと試合、亜細亜大vs九州国際大があって、亜細亜の永川(広島、今年引退)が11奪三振の3安打完封を演じて1-0で勝ったが、捕手で4番は横浜高で松坂と組んだ小山(中日)、サードで3番が1年生だった松田宣浩(ソフトバンク)だった。この日は息子を連れて評判だった和田を見に行ったと記憶するが不調であり、永川の快投が鮮烈で、同期で巨人に入団した木佐貫が先発だったが彼は抑えに回ったのが不満だったのを覚えてる。3年生鳥谷は4打数1安打だった。

東京ドームで途中経過で気になっていた西武ドーム。またまたソフトバンク(SB)が勝っている。公式戦の対戦成績はほぼ互角で、差が出たのはロッテをカモにしたかされたかだけだから別に不思議でない。西武の打線は脅威だがSBの中継ぎ以降は鉄壁である。打線は水物、いい投手が出てきたら手も足も出ない。いっぽうでSB打線は弱体の西武投手陣を打ちまくり、公式戦14本塁打の今宮が決めの一戦で3本も打ってしまう。松田をスタメン落ちさせるなど非情の采配に徹した工藤監督が選手全員のテンションをうまくピークにもっていった勝利かもしれない。同じく手駒を自在に動かして、丸以外は去年とさして変わらない戦力で圧勝した原監督といい勝負だ。面白い日本シリーズになりそうだ。

いっぽうで浅村、菊池雄星とエースと4番がぬけたのにリーグ優勝した辻監督の手腕も讃えたい。当然の留任だし、来年は投手力をつけて雪辱してほしい。西武の選手たちも本拠地で2年連続して2位に、しかも同じSBにやられてしまうのは男として耐え難い屈辱にちがいない。しかし平穏に終わってしまうより一敗地にまみれてマグマを溜めておいたほうがいいこともある。

 

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ヤクルト・畠山選手の引退

2019 SEP 21 23:23:54 pm by 東 賢太郎

野球をたくさん観てる割には記憶に残るシーンはそう多くないのは不思議なことだ。毎試合毎試合それなりに「あのシーン」というのはあるのだが、その試合では決め手の一球や一打ではあっても試合の記憶が薄れるといっしょに忘れてしまう。勝敗ではなくプレーとして印象があるのが「あのシーン」になっている。

今日、ヤクルト・スワローズの畠山選手が引退した。僕は16年間も野球に飢えた海外生活を送り、2000年に帰国してから神宮に通いつめた。カープファンではあるが実戦をみる機会はヤクルトが多く、その年のドラフト5位で入団した彼をずっと見てきたことになる。

意外に多くはない「あのシーン」。神宮のネット裏3列目あたりで、すぐそこで目撃した畠山vs前田健太はたぶん2015年だったと思う。試合経過はまったく覚えていないが、鬼気迫る真剣勝負である。前田の投じた数球を4番畠山がフルスイングでファウル。その気迫に前田が応じ、打てるもんなら打ってみろと投げた高め148キロは速かった。空振り。そのスイングに度肝を抜かれた。こわっ、プロって、あんなに振るもんなのか・・・。そのフォロースルーで彼は腰を痛めたんじゃないかと思うほど凄まじい空振り、あんなのは以来一度も見てない。

勝った負けたはいい。僕はああいうプロのプレーが見たくて足を運ぶ。カープファンではあるが、なによりそれ以前にベースボール・ファンだ。

今日の引退試合、畠山の打ち上げたセカンド後方のフライがポテンヒットになった。試合はもう決しており、ひょっとしてセカンド阿部のプロの技かなあとも思ったが、ともあれよかった。「あのシーン」として残りそうだ。そういえば横浜の三浦大輔の最後のバッター、ヤクルト雄平のマン振りの三振、あれこそプロの技で、涙が出た。

館山も引退だ。いいピッチャー、カープにはいやらしいピッチャーだった。ヒジを何度もやってトミー・ジョン。175針も縫って投げ続けたのは敬意を表するしかない。プロ野球はいい。閨閥も学閥もコネもない。2世**なんてのはいない。みな力でのし上がっているからお互いに敬意がある。スポーツの良さはノーサイドになった時のそれじゃないかと思う。ささやかながら、自分の記憶の中でも負けた試合後に相手チームからナイスピッチとかけられた小さな声が一生の大きな思い出になっている。

 

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NPBの謎「パリーグの方が圧倒的にレベルが高い」

2019 AUG 15 15:15:59 pm by 東 賢太郎

きのう日ハムの吉田輝星投手が先発する試合を見た。それでだろうか東京ドームは9割の入りだった。しかし2回+で打者12人に5安打。4三振は奪って大器の片鱗は見せたものの、荻野、鈴木に文句なしの3本塁打を食らって6失点ではKOといわれても仕方ない。

去年の甲子園の方が速かったし球威もあった(そっちは球場で観てないがたぶん)。この試合まで7本塁打だった荻野はなめすぎ。1発目は強気で全部が直球で、2発目は反省の変化球が甘すぎ、鈴木も直球、どれも問答無用の完ぺきにとらえられてれ引っ張られて中段にぶちこまれた。あの高さね、高校生なら打てないがプロは打つよ。わかってるから制球のため球威を犠牲にしたんだろうが、その148キロじゃ通じないわけであって、そうした割にはあの甘い球なら何も考えてないのと一緒。こんな甘ちゃんやってるとハンカチ王子化するんじゃないか心配だ。

終わってみて、強烈な印象が残った。久しぶりにパリーグの公式戦を見たわけだが、レベルが高い。どれがというより、簡単に言えば、投手の球が速くて打者の振りも速くて守備もうまい。いつも見てる巨人戦なんてクソだよ、この前のあほらしいヤクルト戦なんてなんだあれは少年野球か。日ハムを東京ドームに戻してほしい、巨人戦なんか辞めてそっちを年間予約したい、僕はうまい野球を観たいだけだから。

ロッテ・小島

ロッテ先発の小島(おじま)。いいピッチャーだと思って試合終了後に調べたら新人であり浦和学院でセンバツ優勝投手で早稲田大のエースだった。直球138キロぐらいだがスピン量が多いんだろう、ことごとく日ハムの打者は差し込まれており清宮と万波は2三振。フォームの割に伸びてきて空振りが取れてる。柔らくてピッチングがうまい。これが初勝利とは驚きでいいものを見せてもらった。6回4安打6奪三振1失点はあっぱれで成瀬、SBの和田みたいになりそう。好きなタイプであり応援したい。

日ハム・公文は巨人から来たぐらいで注目もしてなかったが、実物を見て印象がガラッと変わった。145あたりで強くていい球を投げてる。今の巨人は欲しいだろう。ホームランを打った大田泰示もそうだが巨人は高額の補強をする裏でいい選手を出してしまっている。和田恋もそうなるかな。

ロッテ・唐川

最も印象に残ったのはロッテ・唐川だ。体重が乗って腕が遅れてスピン量が多い素晴らしく伸びる球を投げる。高校時代から知っていた。成田高校。1年秋からエース。140ぐらいの直球と100あたりのカーブだけ。それで甲子園は3度出て大阪桐蔭の中田翔、仙台育英の佐藤由規と高校ビッグ3と呼ばれ、ロッテと広島が高校生1巡目指名してロッテが引き当てた。剛速球ではないが打てない、三振もとれる。いかにストレートの球質がいいか。実は、僕の理想の投手は彼だ。ああいうピッチャーになりたかった。2メートルもあるバカでかい奴が腕力で160キロをズドーンなんて美しくもなんともない。投球練習をほれぼれしながら凝視。美しい。タマは行ってる。140を超えてる。こりゃ打たれんぞと思った。

ところがだ、王はアウトにとったがそこからがいけない。清水ヒット、田中賢介がレフト線にツーベース、代打・谷口が内野安打、西川ヒット。不運な当たりもあったにせよ、4連打で1死しか取れずに2失点と散々だ。しかしである、僕が見た限り、唐川のタマは良かったのだ。ほれぼれするほど。あれが打たれるんかよ、セリーグならぜんぜん打たれないよ。

これを目撃して、こういう結論に至ったわけだ。

終わってみて、強烈な印象が残った。久しぶりにパリーグの公式戦を見たわけだが、レベルが高い。どれがというより、簡単に言えば、投手の球が速くて打者の振りも速くて守備もうまい。いつも見てる巨人戦なんてクソだよ、この前のあほらしいヤクルト戦なんてなんだあれは少年野球か。日ハムを東京ドームに戻してほしい、巨人戦なんか辞めてそっちを年間予約したい、僕はチームなんかいいのだ、うまい野球を観たいだけだから。

どうしてなんだろう?おんなじ母集団から公平に採用してるのに。謎だ。セリーグの試合でこんなに考えされられることなはい。交流戦で勝てないのは当たり前である。日本シリーズも、セリーグはどれが出ても一蹴されて終わるだろう。どこがどうということではなく、要するに、パリーグの方がぜんぜんレベルが高い野球を日常茶飯事にやっているということだ。

 

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13年に1度しかないお粗末な試合

2019 AUG 10 9:09:08 am by 東 賢太郎

試合をして強いなと思ったのは守備がうまいチームである。投球の質、飛距離、足だけは生まれつきでどうしようもないが、守備は鍛えればある程度までは何とかなる。それが下手というのはチームとして何かがおかしい。

昨日の東京ドームの巨人・ヤクルト戦。モノ申すべき試合だった。

初回にヤクルト山田の打ち上げたものすごく高い1塁後方のフライを2塁手若林が深追いして触れもせずバウンド。なんじゃこりゃ?ドームだろ、風ないだろ?お前らプロか。重信(ライト)がとれよ。しかも、こんなのが記録はヒットである。打率が欲しい山田は助かったがああいうのはピッチャーがかなわない。巨人の先発・今村はこれで調子が狂い6失点。3回途中KOで二線級の堀岡が救援した時点で巨人は捨て試合のムードが濃厚に漂い、4回に1点入って7-0となった時点で僕は20点入るかなと考えた。かたやヤクルト先発・小川は、はっきり言って良かった。ストレート148キロだけでほとんどの打者を押し込んでおり、あの3番・丸を2三振、とくに4回のストレート空振り三振が物語る。

驚いたのが、3回途中、今村を替えたときにサードのビヤヌエバをひっこめてレフトの岡本をサードに回し、レフトにゲレーロを入れたことだ。ビヤヌエバのほうが守備はましだが攻撃チャージ型陣形に変えたんだろう。そのゲレーロと岡本がその後2ホーマーずつ放って試合をひっくり返すことになる。ゲレーロの1発目は5回、小川の喫した2安打目であった。初安打は4回の坂本のホームランだったがこれは変化球であり「あ~あ、完全試合もったいねえな」と言った程度のダメージだった。次打者・丸を前述の三振にとったストレートで球威健在を示したし他の打者はまったく打てていない。それだけに、高めのストレートを打ったこのゲレーロの1発目は非常に僕の印象に残ったのである。つまり「こいつ、ストレート、ヤバいな」という感じだ。

ゲレーロの1発目は伏線があって、代打・増田のセンター・ライナーを山崎が後逸してあわやランニングホームランというみっともないのがあった。芯を食った当たりで、見ていて曲がるぞと思ったら案の定フックしたのだが、触れもしないという守備はお粗末としか書きようがない。ああいうのはピッチャーにこたえるのである。これはちゃんと失策と記録されたが、そうなんだったら1回の若林、重信はもっとエラーだよ。ただ原監督はさすがで、その5回でライト重信をひっこめて、快心の一打がエラーになったが芯を食った増田をセカンドに入れて若林をライトに回した。ともあれこれが2死からのゲレーロの1発目(2ラン)の呼び水になった。

結局小川は7回まで投げて被安打3、それが全部ホームランである。これだけ球威がありながら・・・。2年前の神宮で6点差をひっくり返されたカープ戦「七夕の悲劇」、あれもバティスタと新井の一発で轟沈だったのだ。

8回でスコアは9-5、小川に代わってハフがマウンドに立った。7回を小川が三者凡退に収めており、まだまだ東京ドームにはヤクルトの楽勝ムードはあった。先頭打者は問題のゲレーロ。2打席目である。「ここでこいつに絶対に打たせちゃいけない、巨人が乗っちまう」と僕は隣席につぶやいた。初球。なんのことないストレートをごっつぁんのホームランである。信じ難い。キャッチャーの中村である。スタンドで観ていても「こいつ、ストレート、ヤバいな」のホームラン狙い見え見えの奴にあれはねえだろ。緒方監督ならビンタものだぜ。やられて当然だよ。

こんな馬鹿なリードする奴がプロ野球の正捕手というのはまさしく信じ難い。動揺したハフは二軍なみの石川をなんと歩かせ、2番坂本。いやなムードが高まる。入った、やばいと思った大飛球はレフト渡邉が捕って、セカンドを回っていた石川はアウトに取れるタイミングだった。ところがレフトの返球がお粗末で弱い。なんだこいつは。中継から一塁に送球。このファースト村上の捕球、ぜんぜん伸びてない。ミットがあと30センチ伸びてりゃアウトだよ。やっつけの守備練習みたいにベースで構えて待ってるだけだ。おい小川監督、なんだよこのニイチャン?八百長でもやっとんか?僕はヤクルトファンでも何でもないが、金払って見てる客として許し難く完全に切れた。このプレーは11時からのプロ野球ニュースで高木豊も指摘してたが当然である、緒方監督ならビンタ10発もんだ。こんなのが記録上はエラーではないのである。

こんな守備陣でハフも気の毒であったが、それにしてもこいつは予定通りの8回だろう、ちゃんと準備しとんかいな?つづく3番・丸にライト前ヒット。ここでKO。予定外に引っぱり出された近藤が4番・岡本にライトにスリーランをぶち込まれて、あっという間に同点になってしまうのである。村上が普通の一塁手であと30センチ伸びてりゃ、普通にやってりゃヤクルトは勝ってただろう。

10回に登場した抑えの巨人デラロサ。ハフ、マクガフも153キロは出たが小川の148の方が速い。親の仇みたいに投げるデラロサの158は凄味があり、渡邊、廣岡、山崎では大人と子供だ。10打席あっても打てないだろう。8回までの楽勝ムードで主軸をひっこめたヤクルトは完全に二軍戦みたいにひ弱な布陣になっており、スタメンでさえ上位と下位の落差がでかい上に控えはソフトバンクなら育成の試合しか出れないレベルである。10回まで亀井を置いておけた巨人が押し潰すのは時間の問題というムードとなっており、その亀井が代打で出てきて余裕の犠飛。延長10回についにトドメを刺した。

7点差をひっくり返したのは13年ぶりらしい。ひっくり返された方の守備の問題であったが、13年に1度しかないのは納得のひどさである。ヤクルトの借金21。まあ当然だよねとしか言いようもない。小川があのストレートを投げて10敗というのが不思議だったが謎が解けた。

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