Sonar Members Club No.1

since September 2012

僕がブルーを好きなわけ

2013 DEC 14 16:16:35 pm by 東 賢太郎

眼科で
「軽い白内障がありますね」
と言われました。もう飛蚊症を経験したし、色がわからないせいか視覚情報にはあまりたよらない習性になっていて、ああそうですかという感じでしたが。
ただ、
「白髪と同じで老化現象だから60あたりから大なり小なり誰でもなります。気にならなければ何もしなくていいです。手術すれば誰でも治ります」
とも。白内障はラテン語でcataracta(カタラクタ)と言うそうで、これは滝という意味です。滝の内側に入って向こう側を見た感じということのようです。
先日ブログに書いたゴルフ用のオレンジ色のメガネレンズの効用はびっくりしました。色弱の僕は世の中がぱっと明るくなった気分すらしています。おおげさではなく、ひょっとして人生を変えるか?というほど。眼を使う職業でなくてもこう思うので、画家の眼の病気といえば大変なんでしょう。
日本の橋三井記念病院眼科部長の赤星隆幸先生の「白内障適齢期」という本によると、モネの「日本の橋」が右のようになったのは、白内障で常に茶色のサングラスをかけているような状態だったためだそうです。茶色く濁った水晶体を手術で取り除くと世界が一変。青く見えるようになり、モネはこの状態に、医師に対して「どうなってしまったのだ!」と激高したそうです。結局、黄色のレンズのメガネで補正したそうですが。画家が色が分からなくなっても絵が描けるというのも、なんとなく元気が出る話ではありました。ちなみにこの絵は僕にはちっとも綺麗に見えませんが・・・。
「赤緑色盲の人には,単に青が明るく見えるだけでなく,青の微妙な差を色盲でない人よりも高感度に検知できる」(細胞工学Vol.21No.8 2002)というのは知りませんでした。480nm以下の波長の青色への感度が普通の人より高いので我々しか読めない(らしい)数字が浮き出る図も出ており、それでも「これが読めてしまう」というトーンで書かれていて不快感はあるものの救われた気持ちにはなります。                                        
青                            そうか、それで僕はブルーが好きだったのか。なんだかすっきりしました。青が入っていない絵は美術館で素通りですし、地中海が好きなのも青さが並み尋常でなくきれいに映るからです。家にあるオブジェや飾り物はほとんどブルーで、特にこのぐらいのダークブルー(右)が決定番です。光に透かして見たりすると言いようもない幸福感、恍惚感に包まれます。ただこういうブルーの食べ物はないしカクテルは飲みたくないし、青い服も好きでありません。やはりどこか人間ばなれした感じがして、宇宙とか数学とかはどういうわけかこのブルーのイメージが浮かびます。

 

Categories:健康

▲TOPへ戻る

厳選動画のご紹介

SMCはこれからの人達を応援します。
様々な才能を動画にアップするNEXTYLEと提携して紹介しています。

ライフLife Documentary_banner
加地卓
金巻芳俊