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某社との案件会議

2014 FEB 28 18:18:45 pm by 東 賢太郎

人には色々なタイプがあって、物事の決断のしかたは様々です。今日も某社との会議でそういう話が出ました。「自分は若いとき将来が不安でいちど十二指腸潰瘍になりました。それ以来、病気が怖いので決断には悩まない性格になりました。」という方がおられました。簡単に聞こえますが、理由はどうあれ性格を変えるというのはなかなかできることではありません。セルフ・コントロール力が非常に強い方です。

僕は基本的に臆病なので、自分が理解できないことをやると非常に不安になります。将来はもちろん不安といえば不安ですが、将来の不可抗力である物事はお天気と一緒で自力で変えられません。だから意味ないので考えません。ですから「将来どうなるだろう」という漠然とした不安は持ったことがありません。その結果、楽天的です。ひとことでいえば、「運は天にまかす」、「勝てるケンカしかしない」、「努力は勝率を上げるためにする」という性格です。臆病者と楽天家は同居できるのです。

ビジネスにおいて「理解できる=勝てる」とは限りませんが、「わからない=負ける」の確率は非常に高いです。負けに不思議の負けなしです。特にプロ同志の(B to Bの)証券ホールセール・ビジネスの世界は猛獣のひしめくジャングルであって、そこに丸腰で入っていってライオンに襲われましたといって誰も助けてくれないし、食われてしまっても同情する人はいません。そこでダマされましたと裁判などしたらあいつは素人だと永遠になめられるだけなのです。

ではジャングルでどうやって「勝てる」と判断するか。まず自分の力を客観的に評価しなくては危険です。チータと競争して勝てるはずありません。そこから先は人それぞれですが、僕は頭は使わず「鼻でかぎわける」ことになります。それは「匂いがいい」=「理解できる」と言ってほぼ正しいです。いいアイデアはわかりやすいのです。「わからない」ものはだいたい失敗します。言葉で聴いても数字にしてもわからないもの、数式で説明したがるもの。そこまで聴いてみて頭を使わないとわからないというものは、どこかがおかしい不良品だという判断をするわけです。

いま「匂い」と書いたものですが、判断をする段階ではまだ形が見えません。ほわっとした煙みたいなものです。それが形が見えてスペックまで決まってしまえば「理解」は中学生でもできます。だから利益率はゼロです。そして利益が出ないビジネスは失敗なのです。「匂い」でわかるかどうか。金融に限らず、すべてのビジネスの成功はそれにかかっています。

今日の某社案件会議では、いままで錯綜していた複数の部分が一つに収れんしてすっきりしました。そしてトータルには大きな仕掛けとなっています。自画自賛ですが、とても「理解できる」「匂いのいい」ものに仕立てられたように思いました。これから某社様とこれを進めていくことになりますが、一社の利益だけではなく社会的貢献度も高いところへ目線を置いてやることで僕のモチベーションも高いところにキープできる気がいたします。短距離走型の狩猟型なので、それはとても大事なことです。

皆さまにおかれても、まずは自分をクールに知っておくこと、自分の決断の仕方、くせというものを分析して知っておくことは大切で、ビジネスや交渉ごとはそれだけでも勝率をあげられるように思います。

 

 

 

 

 

 

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