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株式道場-お値打ち物を買う眼が大事-

2015 DEC 12 1:01:47 am by 東 賢太郎

今年を振り返ると、少なくとも仕事においては良い年だったといえる。これを僕は屋久杉のご利益としている。

sugi

これが我が家に来たのは去年の末だった。江戸時代に倒された株なのに朽ちず、生きているわけではないのに今でも時間がたつと油が染み出てくる。永遠の生命力とはこのことだろう。千年も生きていたものには「物体」をこえた命が宿っている。それを毎朝ふれて、いただいて走ってきた一年だった。

 

 

値段は書かない。僕の大人買いに免疫のある家族がええっとなる程度だが、千年杉はもう伐採できないのだから高いのは当たり前であって当たり前のことを驚く必要はない。過去にも土地、時計、ステレオ等々、ええっという思いを何度もさせているが、それらのものは僕に心底の満足と喜びを日々与えているのであって、それで馬が走って代金はちゃんと回収されているわけだから問題ないではないか。こういうのを別なことばで投資というのである。資産も人生の満足も増える。貯金などいくらしたって銀行が儲かるだけで永遠にそんな現象は起きない。貯蓄と投資は雲泥の差なのだ。

それら全部と等価かそれ以上に僕を満足させ、走らせてきたのが音楽だ。LPやCD1万枚は、べつに毎朝触るわけではないがあるというだけで大いなる充足感がある。ココロの養分である。でもこれに払った代金は価値に比べれば1割ぐらいのイメージだ。特に作曲家に印税の1銭も払っていないのは大変申し訳なく思う。

僕は守銭奴でもなんでもないが、こうしてお金に換算するのは証券マンの性癖だ。そういう思考回路をデベロップしないと株が高いか安いかなど絶対にわからない。そういう眼でもって、安いお値打ち物があれば買っておこうという、それが証券ビジネスの要諦である。我が社名の「ソナー」とは電波探知機のことであって、世界中でお値打ち物を探してくるプロの気概を示しているが、実はそこまでリキまなくたってこのビジネスの本質はそれ以外にない。その能力もないのにきれいな御託や理屈だけならべる証券業者など、悪いが何の存在価値もないのである。

ところがタダに近いお買い得なのに説明してもわからない人はわからない。「うん、話はわかったけど要はカブでしょ、カブは先がわかんないでしょ危ないんでしょ」という顔をしている。ぜんぜんわかってないじゃないの。これは秀才ほどだめだ。こういうことは教師はまるっきり知らないから学校で教えてくれない。学校で教えないことはいかがわしいことだと頭が固まっているようだ。実に不幸なことだ。

写真の屋久杉をぱっと見て僕はカラダにズシンと響くものがあった。こういうのは直感というか霊感というか、とにかくズシンはズシンだ。そういうものは例外なく株だってなんだって思いっきり買う。理屈はない。確実なのはそのズシンで馬が走ることである(馬は自分なんだから)。走って稼げなかったことはない。だから回収確実なのであり、それは少々高くてもお値打ち物ということになるわけだ。シンプルな話と思うが・・・。

(追記、16年1月16日)

ここに書いておくが、2001年の中国ビッグバン以来世界経済を牽引したのは忽然と現れた新興国需要であり、先進国と新興国の経済格差のアービトレージのプロセスであった。帝国主義的侵略の果実を経済成長というまやかしの用語で讃美する時代は、中国がキャッチアップしてアービトレージが働かなくなった今終焉したのである。侵略する相手がない以上、成長という概念は経済の健康の尺度としてワークしにくい。株式投資の王道は徐々に「お値打ち物」の宝探しに収れんしていくであろう。

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