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三善晃 管弦楽のための協奏曲

2016 JUN 2 1:01:49 am by 東 賢太郎

火星大接近(スーパー・マーズ)といっても特に近いわけでないが、僕の眼にも赤く見える(気がする)のは発見だ。こうやって子供のころ星を見ては、あそこはどうなってるんだろうと空想した。

そもそも火星は4分20秒ほど前の姿だが、同じく赤いクジラ座オミクロン星のミラは300年前の姿だから「江戸時代」と「ついさっき」ほど違う。オリオン座のβ星リゲルだと鎌倉幕府の成立あたり。その時間の差=距離の差だ。

物理で習った高さ=位置エネルギーとか相対論の言う質量=エネルギーとかは、星を眺めてひたっていると何となく直感的にわかる気がする。すると時間=距離もそうだし距離と重力と質量は関わっていて、時間なるものはそれでできている気がする。

高校時代にFM放送で岩城宏之指揮/N響の春の祭典を録音した。といってもスピーカーの真ん前にテープレコーダーをでんっと置いて回しただけなんで、外で遊んでる子供の声が一緒に入ってしまった。それごと記憶してしまったので今でもその個所に来ると「あっ!」という声まで脳裏にリプレーされて困る。

その時に(たぶん)あわせて録音したのがこの曲だ。

ということでこれも覚えてしまっていて、第2楽章の頭のところが星空を見上げるたびに浮かんできた。そしていましがた、でっかく見える火星を見ながらふと、この曲と一緒にあの頃を思い出したのだ。

153当時、野球に明け暮れていて音楽なんてものは皆目わかっておらず、まあ春の祭典の親類みたいな曲だろうと思っていた。というより、クラシック音楽というのはこういうひっちゃかめっちゃか(?)なものと信じこんでいたから、モーツァルトは退屈な子供むけの曲と思っていた。この曲を久々に聴いて、おお、これだったなあという感慨とともに、天文学者になりたかったなあという思いまで蘇ってしまう。これは若気の至りの曲であり、いまや若返りの曲でもあった。

 

黛敏郎「涅槃交響曲」

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Categories:______ミヨシ(三善晃)

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