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日本シリーズに見るスナイパー指数

2017 NOV 3 1:01:29 am by 東 賢太郎

野球が一日でも多く見られるのがうれしい。海の向こうではドジャースがダルビッシュの5失点で終戦を迎え、日本の方も3連敗で崖っぷちのDeNAが先発バンデンハークに手も足も出ず、ああ今年の野球もおしまいかと観念した。そうしたら筒香の一発が出て、クローザー山崎が渾身の投球で強力なSB打線をなんとか抑え、九死に一生を得た。手に汗握る好ゲームだった。

14ゲームも差をつけられた3位のチームがシリーズに出ているのはおかしいのだろうか?見ていて思った。いや、そんなことはないと。

バンデンハークの立ち上がり、ストライクゾーンのストレートを誰も打てない。これはそのままいけば完全試合になるのであり、まずいと思った。しかし4回にロペスが筒香がそれを打った。こういう打者がいるのがつよい。

打率や勝率というものは確率だ。10回打って3安打すれば3割打者である。しかし彼が11打席目に安打するかどうかは、実は誰もわからない。10回打たせてもらうわけでない、「次の1回だけの打席」においての話である。彼が打つ確率は30%でしょうでは答えにならない。今日の降水確率は30%です、では傘を持って出るかどうか微妙なのと同じだ。

シーズン勝率で上だったのは広島、阪神だ。しかし「次の1回だけの試合」で強かったのはDeNAの方だった(CS)。であれば、「次のここ一番」である日本シリーズにおいて、そういう戦いにおいて一番強いセリーグのチームに出ていただくのは全然おかしくない。下克上というが、そうではなく、スナイパー能力の高低だろう。これは僕の仕事における定義だ:

スナイパー指数=(求められる結果)×(そこで出した結果)

である。僕はこれで人を評価している。野球でいうなら、どうでもいい所でホームランを打っても、満塁で三振に終わっても、指数は低いわけだ。3割打つが指数が低い人と、2割5分だが指数が高い人なら、断然後者のほうの給料を高くしたい。勝つにはそういう人が必要だからだ。広島というチームはDeNAよりもこの指数が低かった、だから負けたのである。

昨日のゲーム、筒香、山崎は高い指数を記録したし、そういう選手が増えてきた方が勝つだろう。それをシーズン通しての確率で論じるのは無意味である。DeNAは新人の濱口が負けたら終わりの瀬戸際で、あわやノーヒットノーランの快投をやってのけた。おわかりだろうか、指数は満点である。今永もゲームはせり負けはしたが、快速球で三振奪取して打者を威圧した効果は大きく、だから7回で10奪三振は大変な高得点だ。

SBは左投手に苦労しているように見える。1日置いてヤフオク決戦だが、まず間違いなく先発は今永、勝てば濱口だろう。SBは千賀、東浜だろうか。最後の最後に、最高レベルの野球が見られそうだ。

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Categories:______プロ野球

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