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「ロッテアライリゾート」でスキー

2017 DEC 18 11:11:57 am by 東 賢太郎

この土・日は新潟にスキーに出かけた。15、6年前に家族でニセコに行って以来だ。北陸は豪雪ときいていたが土曜日(12月16日)は行ってみると写真のようにうす曇りで晴れ間ものぞき、ゲレンデ前のホテルあたりは道に雪がないではないか。気温も東京ぐらいで、あれっと思った。セレモニーがあったのでこの日は滑らず、夜は温泉でのんびりさせていただき翌日に備えた。

ところがだ、いよいよゲレンデだと意気ごんだ日曜日は朝から強い吹雪となっていて昨日とは別世界である。ホテル前は一夜でこんなになっており、ゴンドラの上の方は大丈夫かと思いやられる。なにせここは951メートルの高低差に11コースがあって、ノンストップで滑れる滑走距離が本州で最長クラスの5.2キロもあるのだ。

こちとらスイス仕込みでスキーはまずまず自信がある。初めては小学校だったが本格的にしたのは大学1年で、そこからハマってしまい毎年何回か出かけた。八方尾根で飛ばしすぎて肋骨を折ったもののそれ以後は派手にころんだ記憶はない。自己流で級は取ってないがどこの上級者コースを滑っても「ころばぬ一級」のつもりだった。サンモリッツで子供たちのコーチに雇ったアニタさんというイタリアのオリンピック代表チーム(金メダル3つのアルベルト・トンバのころだ)の女性がいて、お願いしてすぐ後ろを滑らせてもらったことがある。プロのコブのなめ方が意外だったができるじゃんと思った。以来奥義を体得した気でいたのだ。

ということでブランクがあるとはいえナメていたわけだが、リフトから降りてこれはいかんと思った。体がデブで重く太ももと膝がへろへろである。板も昔と違って先端が太目であり、そろうと危ない感じがしてしまう。恐怖感から一気に初心者に戻ってしまいなんのこっちゃでまずボーゲンだ。周囲は無人。なにせ吹雪である。メガネは邪魔なのでなしにして裸眼にゴーグルだが、視力以前に視界が悪い。新雪でシュプールはなく、まっさらなヴァージンパウダースノーは最高である。しかしここまで映画のシーンみたいな貸し切り状態のすばらしい雪はスイスやイタリアでも経験なく、滑降中も板は靴あたりまでずっぽりと埋まってしまい、ターンがままならない。

それでもちょっと慣れてきて加速した。レーンの左端で右に曲がろうと思った時だ、雪面がよく見えず遠近感がないものだから吹き溜まりで盛り上がった土手がぜんぜん見えてなかった。アッと気づいたらもうそれに真正面からぶちこんでいた。無様につんのめって大破し、なんと、外れた板がふわふわの雪に埋まって行方不明になってしまった。さんざん新雪をモグラみたいに手でほじくりかえして、一本は出てきたがもう片方がない(笑)。幸い通過したお兄さんが救急隊を呼んでくれて探索の末にやっと発掘されたが、ご迷惑をかけてしまった。こんな具合で今回は下手を自覚して終わったがあまりにもったいない。再挑戦の意欲がわいてきた。

この日、周囲に人がいなかったのは、ここが16日にオープンしたばかりだからだ。名前は「ロッテアライリゾート」である。このあたりは日本有数の豪雪地帯で我が国スキー発祥の地でもある。このコース、初心者は下の方で充分に遊べるし、上の方の雪質は本州最高といわれ中級・上級者にはたまらないだろう。僕はスイスに2年半住んだから著名スキーリゾートは全部行ったが、比べても遜色なしだ。土曜日にオープニングセレモニーとパーティーがあり、来賓の氏名は書けないが宮様、衆参議員、県知事、市長、財界トップお歴々からサッカーの中田 英寿氏ら各界大勢で司会はTBSアナウンサー、テレビ朝日「世界の車窓から」テーマ曲の溝口肇氏のチェロ演奏などもあり、末席を汚させていただいたのだが楽しかった。

http://search.yahoo.co.jp/r/FOR=.jLVb_xV3ihvH.Rp_oPuoqnqrv96jS8pyGVN9EnObx8mcpSyDwBhbqci3UR2uAPmEzv0wiLqXc3Cxsjue97.QU2dPC04dMhndet0oTMm.a8.ioBpVdxSx7gxmJ5Kzc_sDUMli2IGZj8o_ULSoBKFCQm2Cfga_rrHXb5k.A3z6NuWitlacPmSmqDpwMaxBq0NvOEL0SYXTQ–/_ylt=A2Ri0HvcujZazw8Ac5GDTwx.;_ylu=X3oDMTBtNHJhZXRnBHBvcwMxBHNlYwNzcgRzbGsDdGl0bGU-/SIG=11gqkrp8m/EXP=1513637020/**https%3A//lottearairesort.com/

北陸新幹線で東京駅から2時間、妙高や赤倉の近くの上越妙高駅で下車するとピックアップしてくれる。日本だと「スキー場」というが、そういう英語はなく『マウンテンリゾート』であり、ここはその名にかなう欧米スタンダードである。部屋はこんなものだ。イメージとして5つ星の高級リゾートホテルに日本トップレベルのスキーゲレンデがついていると言った方が正しい。日本的なことがあるとすれば、新品の用具のレンタルが完備していて新幹線で手ぶらで行って本格スキーができてしまうことだ。マイ・スキーと重たい靴をかついで出かけたあの苦行は何だったんだと思ってしまう。

6月まで滑れるそうで、スイスだとマッターホルン近郊の上の方(クライネ・マッターホルンより上)並みということになろう。そこからはお楽しみはゴルフやスイス流のトレッキングなどになるがそっちも本格派だ。木の間に張ったワイヤを滑車で滑り降りる「ジップツアー」は1・5キロもありアジアで最長、まさに『マウンテンリゾート』だ。新潟だから食事も酒もよろしく、朝食の小皿の質と品数は圧巻であった。1800メートル掘った源泉を引いた立派な風呂(上)があるから僕などスキーは若い人たちにおまかせしてぼーっとしているだけでもいい。山から下りてきて雪の降り積もる大きな露天風呂と気の香りがゆかしいサウナでゆったり過ごしたが究極の贅沢だった。ちなみにロッテホテルというのは知らない人もいるが国賓の定宿、日本なら帝国、オークラであり、我が国の首相もプーチンも泊る。

今回は仕事であったが今後は家族、社員でも使わせていただこうと決めた。5.2キロの滑降は天気のいい日にチャレンジだ。体重も減るだろう。贔屓目なしにお勧めである。

 

PS

夕方になったので、帰りの新幹線ではお弁当を食べてみることにした。なかでもまったく期待しなかったがすすめられたので買った真ん中の「鱈めし」はあなどれなかった。1200円で小さめだが鱈の甘露煮、タラコ、ワサビ漬けのハーモニーは絶妙でまぎれもなくうまい。無駄なものが一切なく、サイズの小さめは凝集感を演出するためかというほどニクい。

 

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Categories:______日々のこと

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