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えっ「書き換え」?それって「改竄」でしょ

2021 DEC 16 18:18:47 pm by 東 賢太郎

三菱自工、三菱電機、日立金属、神戸製鋼所、日産自動車、SUBARU・・・

「データ改竄(かいざん)」で思い出す企業名だ。まだあった気がするが、どれも立派な企業ゆえにかえって記憶に残るのは皮肉だ。ググるとこのリストが出てきた。汚名は永遠に消えない。

http://www.directforce.org/DF2013/02_DF_katsudo/governance/pdf/DFKG-14-B-01.pdf

何が驚くって、ご覧の通り、ほとんどが「内部告発」でウソがばれていることだ。告発が意外なのではない、経営陣が「ばれないだろう」と思っていた事が驚きなのだ。いまどき社員だれでもスマホや家のパソコンで発信できる。「命令だから従うだろう、長くやってきたことだし、社員なんだから・・・」。いくら昭和世代のお爺ちゃんでもズレすぎだろう。そんな旧石器時代の経営してて大丈夫なんだろうかと心から心配するが、その程度で済むのは僕が株主でないからだ。何百億円も広告宣伝費を払ってきてこれ一発でパア?冗談よし子さんだぜ、役員全員クビ、代表訴訟で損害賠償でもやったるかって軽いタッチでなっていくよ。総会屋より怖いが誰も止められません。他人同士が自然に横で繋がるネット時代の株主はね。

僕は人種的に数字、理屈のピューリタンだ。それに反することは一切やらないし、反する人にも行為にも厳しい。お読みいただいているブログもすべてその精神が書いている。ちなみに数学は満点でないとおかしいと思ってる( 解ける ”はず” だから)。「世の中理屈じゃない」はウソだ。「そういう部分もある」が正しく「それ以外は理屈」なのである。やるかやらないか判断する材料に「人」と「数字」とがあって「どっちかが間違いです」といわれれば数字を選ぶ。人はウソをつくが、数字はいったん数字になってしまえばウソはつかないからだ。その数字を「データ」と呼ぶのである。

従って、データを改竄して論文や調査レポートを書いたり、製品を売ったりするのは僕にとって「数字」の冒涜であり、数字で判断する人間の人生を危うくする犯罪である。だから2014年にSTAP細胞事件を糾弾するブログを冷徹に書いた。何万人があっという間に読んだ。今年5月ごろデルタ株感染者数の “忖度予測” を五輪を強行したい政府に売ったいい加減極まりないリサーチ会社も実名で冷徹に批判した。世のためでも売名でも商売でもない(そのどれも僕の人生の重大命題に入ってない)。自分や家族の人生や健康に害が及ぶリスクがあるから「自助」したまでだ。

「数字で判断する人間」だって?そんなのほとんどいないぞと思われるだろう。それは「世の中理屈じゃない」が憲法第1条みたいな日本だからだ。僕は海外で数字、理屈だけで仕事した。うまくいった。金も儲かった。なぜか?数字、理屈が通るからだ。99%がそう思ってない日本はもっと楽ちんに稼げる。ということはやがて、理屈の帰結として間違いなく、日本は外国の食い物になる(もうなってるが)。その流れの中で、親米やら嫌中やらエモーションだけで動く「数字で判断しない99%」はかわいそうだが間違いなく奴隷の道になる。それを救う力は僕にはない。だから家族だけはそうならないようにする。

知る人はみな僕を「理系アタマだ」という。コチコチという意味だろう。そうじゃない。「数字、理屈のピューリタン」アタマなのだ。固い、頑固だという人達には「マルティン・ルターは立派な人ですね、ところで彼は理系ですか?」ときこう。2014年にこういうブログを書いたのが懐かしい。

小保方氏に見るリケジョとAO入試

ここから2つ引用する。

我が国は数学ができないがそれに疑問も抱いていない男性に満ちあふれている

理系・文系のくだらん区分けでこの事態を放置してきた文科省に重大な責任がある。保証するが、世界はそんな男で満ちあふれてはいない。日本を外国の食い物にし国民を奴隷にする国賊ものの教育政策である。

小保方さんの行為は倫理観以前に「数学千本ノック」をしっかりと受けた人の思考回路が許容するものとはどうしても考えられないのである

STAP細胞のニュースが出た当初、ノックを千本でなく三本も受けてない総理、文科大臣が軽いタッチで「女性の時代だ」「ノーベル賞ものだ」と恥ずかしく騒いでいたのが記憶に新しい。初めから「何かおかしい」と気づいたのは数字、理屈のピューリタンだけだった。同じ言葉を「建設工事受注動態統計」を改竄した国交省の役人に贈りたい。読者にはお耳ぐるしいとは思うが事実だから書く。東大は文系でも「数学千本ノック」をしないと入れない。だから役人の思考回路が「数字の冒涜」を許容したとは俄かには信じ難い。とすると「倫理観以前に」ではなく「倫理観の問題そのものでしたね」になるが、そうなら大臣がクビどころか役所ごと潰さなくてはいけない。「何百億円も広告宣伝費を払って一発でパア」は企業でも許されない。二千六百年も積み重ねてきた国家の信用が「故意にウソをつく役所」のせいでパアなんていう事態を許す国民はいない。

こういうことは首相や大臣が「遺憾」に思っても、それに「大変」がついても片づかない。税金にたかってばれた議員が「返金します」「寄付します」では済まないのである(万引きした商品を返せば無罪になるか?)。「二度とこのようなことが・・」って、一度でもあったらアウトだ。なぜって、議員や役人に変な人はいないと信用して国民は税金を払っている。「昨日は変でしたが今日はまともです」なんてのが通用すると思ってるだけで変な人だ。信用に払ってるのだからそれが消えれば税金は払えないねとなっていく。

落語のパロディーで「お爺さんとお婆さんが助けた白い鳥が恩返しに来たと思ったら、機を織るのではなく、家財道具を持って逃げてしまいました。鶴だと思ったらサギだったんですね」ってのがあったが、経産省キャリア官僚が給付金詐欺で逮捕なんて事件が本当にあった。善人のお爺さんお婆さん、がっかりしただろうね、でももう白い鳥は助けないだろうね。

(こちらもどうぞ)

「小保方氏に見るリケジョとAO入試」再論

(こちらが「何万人があっという間に読んだブログ」だ)(原文ママ)

小保方発表で暴騰したセルシード株(7月25日、追記あり)

「ワタシ、失敗しないので」と思ってる「大きな力」が「学歴・業績でっちあげ作戦」に失敗したケーススタディである。こういうのを野放しにしておくと国が腐る。マスコミもご覧の通り国交省の「改竄」を「書き換え」なんて改竄しちゃう腰抜けであり、野放しに加担するのみである。ネットが駆逐するべきだろう。

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Categories:______世相に思う, 若者に教えたいこと

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