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カープがホークス戦4年ぶりに辛勝!

2023 JUN 3 19:19:13 pm by 東 賢太郎

広島4-2ソフトバンク

いや危なかった。先発森下が7回2安打零点でやれやれ今日は楽勝かと思った。8回に出てきた救援ターリーは長身の左腕で150キロ半ばがでる。プロでもあんまりいないし大丈夫だろう。ところがだ。エラー、ヒット、ヒットであっさりと1死満塁にされる。ホークス打線恐るべし。迎えるは柳田、栗原だ。血圧があがる。ここはなんとか左飛2本で抑えて零点だ。

そして9回である。クローザー栗林が不在のあいだ抑えを任されてる矢崎の登場だ。数年前、新人で初先発のヤクルト戦。直球とフォークだけで9回までノーノー。あわやだった剛腕投手だ。今年は悪くない。前回登板のヤクルト戦は3者三振だった。まあ6番からの下位打線だし大丈夫だろう。

ところがだ。ぜんぜんストライクが入らない。3ボールから苦し紛れの球をヒット、ヒット、四球で無死満塁になってしまったではないか!

おい、矢崎、どうしたんだ?

またヒット。ついに1点とられる。4対1でまだ無死満塁、ここで1番・中村という最高に嫌な打者を迎えてしまう。

新井監督登場、「ピッチャー島内」のコール。そうか栗林はまだ使えないんだな、まあ島内もチェンジアップ覚えてちょっとは安定感出たし。しかし急遽登板となった島内もガチガチなんだろう、ストレートがみんな浮いてしまう。中村にセンター犠飛でもう1点を与えてしまうが、ああフライで良かったとしか思えない。4対2で1死1,2塁が残った。そして打席に2番・牧原である。

ホークスの打線は次から次から打ちそうなのが出てきて物凄い「圧」である。

やられた!牧原に1,2塁感を抜かれた。相手にビビり感がまったくない。ここが勝ち慣れしてるホークスだ。またまた1死満塁の大ピンチ。しかも、迎えるはWBCで打ちまくった3番・近藤健介である。心臓に悪い。なんとかストレートで左飛に打ち取る。いいぞ、球威はあるんだ。2死満塁。

そして、打席は4番・柳田である。

中島さんとペイペイドームで観たドでかいあのサヨナラ満塁ホームランが頭をよぎる。6対4で逆転負けか?島内のタマは速いがどこに行くかわからない。チェンジアップはぜんぜん無理だろう。150kmごえのストレートで押すしかない。打った。ショートフライ。試合終了。やれやれ。

何という恐ろしい打線だろう。

そういえば去年も3連敗だし、だいぶ前に広島市民球場の最前列で観せてもらったホークス戦も苦も無くひねられたし、カープがホークスに勝ったのを見た記憶がない。

終わってみてつくづく思う。この打線に7回投げて甲斐の2安打だけに抑えた森下くん。甲斐がいなきゃノーノ―か。君は宇宙人ぐらい次元が違うスーパー・アスリートである。まず凄いのはひじの手術の後遺症をぜんぜん感じさせない。そして、去年はたしかホークスに5、6回あたりで9点取られて撃沈されてるのにまったく苦手意識が残ってない。それどころかこの打線を攻めまくって飲んで投げてる。ピッチャーとしてこんなにカッコいい男はそうはいない。

投げるだけでない。今日の君の野手より俊敏なバント処理(素晴らしい)。二度とできないぐらい絶妙なセーフティ・スクイズの1点(実に素晴らしい)。前を打ってる8番・曽根が初安打が欲しいと頑張って4タコなのに君はあっさり2安打しちゃう(強烈に素晴らしい、曽根頑張れよ)。大分商高の同期だったホークス川瀬から「三振取りたい」と狙い、言葉通り取ったスナイパーぶり(勝敗に関係ないのに素晴らしすぎる、これぞピッチャー性格)。そうかその打線で川瀬は1番、君は3番だったんだ。そりゃ打つわな。明大の主将までやったんだ、性根も座ってる。矢崎くん、島内くん、凄い球もってるんだからあとはメンタルだけだ。森下の爪の垢でも煎じて飲んだらいい。

この日投げたカープの投手4人。ターリー、矢崎、島内は150キロ越えの、まあ球界でも上位の剛速球がある。森下はそこまではない、というか、出るけど先発なんで投げない。でも速球は伸びがあり(伸びる球は変化球だ)、制球、緩急、変化の大小・奥行きのバリエーションで打者を自分の術にかけられる。

森下をオーナーに直訴して1位指名したのは佐々岡だ。さすがの眼力である。佐々木朗希、奥川も候補だったが正解だった。それに合わせたんだろう、彼の今日の初解説は訥々として味があってよかった。カープに大貢献である。

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Categories:______広島カープ

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