生きてるのが恥の大失敗が生んだ “それ”
2025 FEB 4 1:01:41 am by 東 賢太郎

60才の還暦は十二支が一周する天文現象だと思っていました。それでも思うところはあって、50代の最後にと一人で屋久島に行って千年杉に挨拶してきました。古希ぐらいになるともうわけわかんなくて、それが70才なの?それ俺のことかなという程度です。こんな古くなるほど生きるのは希(まれ)って意味ですが10キロ走れるうちは死ぬわけないだろと思ってます。土曜は従妹夫妻が自宅で手料理で祝ってくれました。料理は前菜からプロ級でメインは好物の牛ホホ肉の赤ワイン煮込み。二日前から煮てムートン78年を合わせてくれ深謝しかありません。
先日は近くのファミレスで子供3人と食事しました。4人でというのは久しぶりでワインが回り、いきおい各自の出産の時の話になります。「隣の病室にいたんでしょ?」「とんでもない、ちゃんと立ち会ってたんだよ」「ええっ、ホント !!」。こっちがびっくりです。妻はそれどころじゃなかったんですからね、お父さんのことだからそうよって語られてた。すると「じゃあ3人の名前はどうやってつけたの?」ときます。これも言ってなかったのかとびっくりで、正確に伝えました。すっきりして帰宅すると猫もお祝いのお出迎えです。つれていってピアノを弾いたまでは覚えてますが、階段の途中で酔っぱらって寝てしまってひと騒動だったようで油断はなりませんね。
子供たちに言ったのはこういうことです。人生の長いレースで誰しも壁に当たって「もがく」時があるね。そこで懸命にもがくと、火事場の馬鹿力で知らない能力が出てくるよ。俺は人生で3回、目の前が真っ暗になるどころか生きてるのが恥ずかしいぐらいの大失敗をやらかした。そこまでドツボにはまっちまうと必死だからね、全身全霊でリカバリーしようと毎日もがきまくるでしょ。すると不思議なもので、なんだ俺はこんな力があったのかとなってリカバーしてしまった。それどころかおつりがあった。 “それ” は必死に掘り出したものだから筋金入りの力なんだね、そのパワーのお陰様で今の今まで食えてしまったようなもんだよ。
すいすいっと楽に来てたり、ちょっとした壁にあたったぐらいならそれは埋もれたまんまだね。おそらく今頃は細々と人生終わって隠居してたな。ちなみにこれは十代の頃を知る人を探してきいてもらえば全員が間違いないってうなずいてくれるよ、だってそのころはこんなじゃなくって、誰がどう見ても全然たいしたことない弱っちい奴だったからさ。だけど、大丈夫って自信があった。信じるのは自由だからね。一生モノである “それ” が大失敗の「もがき」で自分の中から出てきたんだ。いままでできたこと、いまできることで計っちゃいけないよ。
そんな感じです。その人生の結末としてブログを書き残そうとしてます。昨今は新メディアとなったyoutubeやニコ生で発信する個人が増えてますが、皆さんそれぞれの強みである専門分野でのご発信なのは当然でしょう。ということは僕の場合は投資について書くのが筋なんですね。でもそこらへんの評論家じゃないからそう簡単ではありません。ちなみに助言してきた方の資産は5倍になりました。最近助言した案件は、やや出来すぎですが2か月で2倍になってます。そんな感じで、僕の場合、情報=お金なんです。それで食ってます。だからお客様に手数料をいただいている以上開示はできません。大証券の元役員が書いてるから儲かる話があるかもって、以上の理由からそういうことは僕のブログでは絶対に起きませんが、そもそも大証券の役員で相場が当てられる人ってのを僕は一人たりとも見たことがありません。つまりそういう宣伝をしている業者は、確実に、ぜんぶ詐欺師です。
ということでブログは専門でも何でもないお遊びです。ではそんなものに1千万以上の閲覧数があるのはなぜだろう?数字は嘘をつかないと思います。もしかして「面白い」と思っていただいているのではないか(僕だって面白いと思った人のブログやyoutubeはフォローしてますしね)。つまりエンタメとして読まれている。これ納得です。youtubeやったらというご意見もいただきましたが、僕は根っからの文字派なんです。画像は簡便に見られますが文字でしか伝わらないことがある、画像は千年残らないと信じていて、それをわかっている文字派の方々に向けて発信してます。ミーハーは字が読めないし読めても意味が分からない、そういうレベルのことばかり書いてるって意識はあります。だからそれなりの教養と知識をそなえた方だけが来て下さって、それで1千万というのはずっしりと手ごたえがあります。これも感謝です。
孫さんは近未来についてこういうプレゼンをされてます。
おっしゃる通り、AIがAGI、ASIになる時代が来るんでしょう。だから人類はそれを学んで使う側にいなくちゃいけない。でも2001年宇宙の旅みたいになるなら人類は法律でAIの暴走を取り締まるでしょう。自動車や電気がなかったら不便でしょう?たしかにそうです。でもなかった時代の人が不幸だったわけじゃない。便利は幸福を生みますが、幸福は便利以外からでも生まれます。それは人と人との交信、それが生む感情ですね。米カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは人間の感情は敬服・崇拝・称賛・娯楽・焦慮・畏敬・当惑・飽きる・冷静・困惑・渇望・嫌悪・苦しみの共感・夢中・嫉妬・興奮・恐れ・痛恨・面白さ・喜び・懐旧・ロマンチック・悲しみ・好感・性欲・同情・満足の計27種類あると発表してます。AIがこれを持てるでしょうか?ちなみに、Chat GPTに「あなたはお化けが怖いですか」と聞くとこう返ってきました。
怖いという感情はないけど、お化けの話は興味深いね!????✨
もし本当にお化けがいたら、どんな存在なのか気になるし、話してみたいかも。でも、**ホラー映画のジャンプスケア(急に驚かせるやつ)**はちょっと苦手かも…????????
一番シンプルな無料版だけど、やっぱり感情はないんですね。27種類の人間だけの感情。これで人の関わる物語、つまり小説ができます。シェークスピアだってオペラだってこれの集大成じゃないですか。そしておそらく13000年前の縄文人も、7500年前のシュメ―ル人も同じものを持っていた。そう思いませんか。これがAIで消滅することはなさそうだし、高度に進化したAGI、ASIならそれをもってしまって「愛してるんだから結婚を認めろ」って運動が起きるかもしれませんが子供はできません。もしできるなら定義上その時点で人類は滅んでます。
そこに「面白さ」ってのがちゃんとある。これですね。僕は老若男女、国籍、宗教、政治信条を問わず面白い人が大好きです。漫才とかお笑いの意味ではなく、僕の関心を引くということです。学問でも遊興でも、もちろん漫才であっても構わない、とても間口は広いものですが1対1だから実は広くない。要はその人とケミストリーが合うかどうかでジャンルは問わないということです。何度も書きましたがモーツァルトや清少納言は何を書いても僕には面白い。それは1対1で波長が合うということで分野の好き嫌いでも、波長の周波数が整数倍なのでもない、なんだかよくわからないのです。人間が不可思議で奥深くて、時に嫌いになったり人恋しくなったりするのはそこに秘密があるんじゃないでしょうか。だから僕の書くことでなく、東賢太郎という人間そのものをエンタメとして面白いと思って下さる方がいればとてもハッピーです。
学生のころ、誰がどう見ても全然たいしたことない弱っちい奴だった僕がこんなことをぶっているなんて、当時からしたら想像を絶します。それはたぶん、たくさん失敗して絶望の壁にぶちあたって、もがいていたから出てきたものだったはずです。
2025/2/4 0:55 母へ
Categories:______自分とは, 若者に教えたいこと

2 comments already | Leave your own comment
西村 淳
2/6/2025 | 11:32 AM Permalink
人間の作った音楽が「感情」を表現するものとするなら、音楽はAIとは対極的なところにあります。一方、この領域にまでAIが入り込んだ時には、殺し合いを始めて滅亡してしまうのかもしれませんね。
米カリフォルニア大学バークレー校の研究チームの挙げた27種類の感情のなかに「怒り」が入っていないのは何かを暗示しているのかなとも思いました。
東 賢太郎
2/6/2025 | 1:55 PM Permalink
人間のだから喜怒哀楽より高次ではないでしょうか。音楽がその次元に踏み込むのがロマン派です。旅先で母をなくしたモーツァルトの悲しみ、痛恨、怒りがレクイエムやミサにならないのは経文やお香と同じ儀式典礼用品で感情を描くメディアではなく、発注がなければ披歴の場もないからです(K.310がそれという説が正しければ初のロマン派作品でしょう)。マタイ受難曲を涙なしに聴くのは困難ですがバッハが泣きながら書いたわけではありません(お香です)。音楽を教会と分離した背景にルネサンス、啓蒙思想があることは何度も書きましたがそれは18世紀で、人間感情を早や16世紀に教会から解き放ったシェークスピアが西洋人に畏敬される理由はそこにあります。トランプと対極のカリフォルニアでそうした研究がされる。面白いですね。