Sonar Members Club No.1

カテゴリー: 食べ物

美食と体重の関係について

2015 JUL 25 23:23:16 pm by 東 賢太郎

ミクロネシアの出張中は一日一食主義は忘れ、食事は皆さんとご一緒に三食楽しくいただきました。

グアムのヒルトンのシーフード・レストランです。

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巨大なエビのしっぽかと思ったら、シャコでした。

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ミクロネシア(チューク島)ではやっぱりこれですね。渇いたのどに最高です。

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おまけに帰国してすぐ、金曜は中村兄とSMCメンバー店の「まめ多」さんで舌鼓を打ったのです。いつもおまかせ。女将さんの心のこもった料理にほっとなごみます。和食の美味に美酒。疲れを癒していただきました。

中村とは博多ツアーの打ち合わせでしたが当方の仕事の話もすこし。たまたまですが非常に面白い案件があり、そんなに難しい話でもなくてメンバーで共有できれば皆さんのメリットもあろうかということです。

さて、そうこうして今朝ですが体重計に乗ったところ、出張まえ73kgだった体重が75kgになってました。恐れていたことです。

そこで今日は二子玉川まで往復10km走りましたが、午後でしたがまだまだ陽射しは強く最高気温は33度の猛暑だったようです。多摩川べりは走る人影もなく、グラウンドもあいているしいつもの猫までが疎開してかおらず。

これをなんということもなく走れてしまう自分には結構おどろきました。走りながらやばかったら即やめようと思って気をつけてた循環器も呼吸器も足腰もぜんぜん問題なく、むしろ汗かいて爽快感すらあり、やや遅めペースですが完走しました。天と両親に感謝。

日射病とか熱射病には縁はなしです。野球部の人間からすればこんなの屁の河童なんですが、なんせ還暦の身ですからね、ちょっと自信つきました。頭は疲れてますがまだまだ体はぜんぜん若い、いけるぞと。

滝のような汗をかき、風呂を浴びて、さて体重計に再度乗ります。71.5kg。

水分と塩分が出てこれ。夕食は普通にとって、のどがすごく渇いて水をたくさん飲んでまた74kgになってしまいました。実質1kg減です。ボラティリティ―が高い。こりゃまだ本物じゃないですね。しかし、だんだん塩分がポイントだということが分かってきました。塩を減らして何十キロか走破すれば、夢の60kg代が見えてきそうです。

 
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綱町三井倶楽部にて

2015 JUN 28 0:00:34 am by 東 賢太郎

本日はL社の株主総会にて新年度の最高顧問を拝命いたしました。スピーチさせていただいた骨子は以下の通りです。

日本株の今後について

量的金融緩和のサポートは来年まで。影響のある要素は3つある。①IOT②エネルギー価格③訪日旅行者増加。経営に需要なのは①にヒト・モノ・カネが集まること、②原油価格反転③インバウンド消費よりむしろ文化輸出の契機として

インプリケーション

①はすべてのモノ(ハード)をソフトとサービスに分解する効果がある。モノは減るか簡素化する、②はCPIを通じて各国金融政策に反映、③は和のホンモノのグローバル認知により日本の輸出のコンセプトを変える契機となる

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会場は「綱町三井倶楽部」にて。ここは立ち入ったのは初めてでしたが大正2年、鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドル博士の設計で立派な迎賓館でした。これは庭園よりの外観です。

 

 

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2階ホールのステンドは華やかですが派手ではなく、階段の節度ある赤じゅうたんとマッチしています。以前は能舞台があり昭和天皇が来られたそうです。この内装は大変に気にいりました。

 

 

 

 

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圧巻は地下のワインセラーでした。14度に保たれ冷んやりしています。質、量ともに国内ではトップクラスだそうです。

 

 

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ここでIOC総会を開いた時にまさかないだろうと会長が注文したシャトー・イケムの47年が在庫に有って、たいそう驚かれたそうです。それで勝ったかも?と冗談も出ていました。

 

 

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ロマネ・コンティが当たり前のように。古いところで シャトー・カロン・セギュール1906年物までありました。ブランデーになると1830年のルイ・フィリップナポレオンも貯蔵され、これは僕が見た最古です。ベートーベンが亡くなった2年後ですからね。飲んでみたいものです。

 

 

 

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この部屋の風情がブリティッシュで実に懐かしいです。欧州時代の仕事場はこの感じでした。

 

 

 

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この広大な庭園を含め1万坪、坪300万円として土地だけで300億円ですね。すぐそういうことが気になる、職業病です。会津松平家の下屋敷の庭園だったとのこと。

 

 

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ランチとディナーをいただきましたがサービスともども第一級でございました。

 

 

 

感想

ニューヨークでJ.Pモルガンの邸宅(ライブラリー)で会食させてもらいましたが、調度品こそ違いますがそれを思い出しました。日本の財閥も大層なものでした。L社様にはこの2年にわたり多様な経験を積ませていただき感謝あるのみです。

 
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シベリウス 「カレリア」組曲 作品11

2015 JUN 11 2:02:43 am by 東 賢太郎

食通というわけではないですが、行った国や地方の郷土料理、田舎料理、酒を味わうのが大好きです。げて物でも何でも、土地の人がすすめるなら食べてみます。食は水と土と気候につうじていて、そこから人も文化も肌でわかるという気がするのです。

クラシック音楽も、食と同じほどに土地のものという性格があります。フランスはフランスの、チェコはチェコの味がしますんで。

たとえば、ワインひとつとっても、ダフニスを聴きながらコルトン・シャルルマーニュにロックフォール、イベールの寄港地を聴きながらきゅっと冷えたあんまり高価でないドライなシシリーの白にオリーヴ、シューマンのライン交響曲でクロスター・エバーバッハのトロッケン・アウスレーゼに酸味の効いたザウワークラウト、ハーリ・ヤーノシュにはトカイ・エッセンシアとフォアグラかな。考えただけで最高ですね。

ただロシアやフィンランドなど行ったことのない国は食も知りませんし、ロシアは渋谷のロゴスキーでピロシキやボルシチを食べてムソルグスキーを連想してみたりしたものの、やっぱりその地に立って空気をすってみてなんぼというものがありますね。だから、半端でないシベリウス好きの僕ではありますが、フィンランド料理は食べたことがないし、まだまだ彼の音楽はよくわかってないんだろうとコンプレックスをいだいて久しいのです。

シベリウスをはじめて知ったのはご多分にもれずフィンランディア、交響曲第2番あたりだったでしょう。それ以外は何をきいても全然いいと思わず、疎遠な時期が長かったのです。幸いだったのはロンドンに6年いて、あの白夜の裏側みたいに暗くて長くて陰鬱な冬を味わったことです。それがフィンランドに似ていることはないのでしょうが、あれで何となくシベリウスがいいなと感じるようになってきた。そんなものです。

ただ、それにいつごろ出会ったか覚えてませんが、「カレリア組曲」作品11というものがあります。そういうじわっとした体感からくるなじみ方とは別なルートで、この曲だけは初めて聴いた瞬間からいきなり好きであり、シベリウスが気になる存在になるきっかけとなっていました。非常にわかりやすい曲であり、どんな初心者でもすぐ覚えられるメロディーばかりです。

これを知ったのは当時フィンランドの若手指揮者だったオッコ・カムが1975年10月に録音したヘルシンキ放送交響楽団を振った演奏です。オッコ・カム。名前がエキゾチックじゃないですか。オケも本場ご当地もの。これぞ地ビールと郷土料理の味でなくてなんでしょう。

しかもこの演奏、問答無用に大変にすばらしく、今でも僕は聴くと夢中になります。このカレリア組曲以外はきく気にならず、あまりにインパクトが強くて自分でシンセサイザーで同曲を全部演奏してMIDI録音までしてしまいました。曲を問わずそこまでさせられた演奏というのはあんまり浮かびません。お聴きください。

第1曲「間奏曲」は鬱蒼とした森のようなホルンが響く序奏から主部に移りますがそこのティンパニの軽やかなリズム!弦のきざみ!なんて心がはずむんだろう。第2曲「バラード」のほの暗い歌。音楽が消え行って弦楽合奏が聖歌風になる場面、いいですね。どこか宗教的な沈静感が支配しながらも深々とロマンティックです。それが第3曲「行進曲風に」へ場面転換した瞬間、ぱっとあたりが明るくなって光がさす。これをきいてうきうきした気分にならない人がいるでしょうか。

べつにオーケストラが特にうまいわけではありません。でもすべてのパートが雄弁に何かを語りかけてくる。それも土地の言葉で!たとえば第3曲のヴァイオリン・パートと裏の木管が何度弾いてもこういうわくわくした感じにならないんです。ニュアンスの問題なんですが、これはやってみないとわかりません。気にいらず何十回も録音しなおしました。浮き出してくる生命力に満ちたチェロの対旋律なんかもそうです。

苦労しましたがなつかしい思い出であり、いい経験にもなりました。指揮者やオケのかたは大変なんだということがわかりましたし、僕はスコアをピアノ譜みたいに思って観ていたのですが、とんでもない間違いなことを知りました。ピアノ譜だってただ弾けばいいというものではないわけですが、弦のはまた表情の出しかたが別物です。

この演奏、あの譜面からこういう弾き方を引き出したというのは才能というしかありません。指揮者は同じ譜面からそういうものを読み取れるかどうかで大差がつくのですが、この演奏の場合、指示されたというよりもオケの老練の奏者たちが28才の指揮者の輝きにあてられて若やいだものが出てしまった、そんな感じすらします。

好き勝手な主観と思われそうですので、僕がそう思う根拠をお見せしましょう。

オッコ・カムは後年、ヘルシンキ・フィルハーモニーとカレリア組曲を再録音しています。これがその第3曲ですが、聴き比べてください(旧盤は11分21秒から)。

同じ指揮者と思えないほど「普通の」演奏になってます。全然面白くもなんともない。この時、オッコ・カム氏は41才になってます。オケは変わっていますがむしろヘルシンキ・フィルの方が格上ですから、カムがフレージングの考えを変えたか、若さのオーラが無くなったか、どっちかです。僕は両方あるかなと思ってます。考えを変えたというより「感じなくなっちゃった」。だからオケが反応しない。若いからできることって、あるんですね。

結局、こういうことをやりながら僕はシベリウスに深くはまっていったのです。今は交響曲では3、4、6、7番が心の中で旬をむかえています。ヴァイオリン協奏曲がいかに好きかは別稿で詳しく書きました。

4988005898661それでもこのオッコ・カムのカレリア組曲の旧盤は大好きなんです。他の指揮者のもありますが、どれもいらない。これだけで。タワーレコードでこれを含む3枚組が出ていて、新しいカッティングということで問答無用で買いました。音はすこし透明感が増していて嬉しいですね。ちなみにベルリン・フィルの2番も入っていてなつかしい。彼がこれを録音したのは1969年にカラヤン指揮者コンクールで優勝した翌1970年で、なんとまだ23才!颯爽としながらもロマンティックで、アンサンブルは雑な部分もありますがベルリン・フィルが充分やる気になっていてすごいことです。

 

( 追記)

ちなみに、28才の旧盤のほうですが、ドイッチェ・グラモフォン(DG)です。カムは交響曲の1-3番を振ってますが、4-7番は大御所カラヤンが振っている。つまりDGはカラヤンによる全集を目論んだが、カラヤンが1-3番とカレリア組曲を引き受けなかったのではないでしょうか(想像ですが)。だとすると、カラヤンのお目の高さは相当なものです。オジサンが振ってもだめな曲は若者に回したのかもしれないからです。それが正解であることは、まかされたカム自身が後に証明することになりました。

 

 

 

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断食は万能薬かもしれない

2015 JUN 4 0:00:30 am by 東 賢太郎

noi31断食にトライして今日で1か月になります。ほんとうに食べなかったのは始めの5日間で、その後は炭水化物とアルコールぬきで一日一食ペース。毎週末10km走っております。79kgあったのが今日は73.5kgで、まあまあの成果です。別にげっそりしたわけでもなく体はいたって元気で、今年中に70kgを切るのが目標でしたが意外に早く達成(?)かもしれません。我が家のプリンセス・ノイ(写真)が体重4.5kgとずっしり感いっぱいになってますが、彼女分の脂肪が腹や内臓についていたと思うとぞっとします。

これをやりながら、いくつか学びがありました。まず、あんまり食べる必要がないなという実感があることです。一日三食と思ってましたが一食で足りるという感じになってきます。飢餓感が意外にないからです。ここが最初は心配でしたし個人差があると思いますが、僕は子供のころ小食だったせいか平気でした。

このモードに入ると、体の中が何か変わった感じがします。

こうなったうえで、今日は肉が食べたいと思ったらお昼にしっかり食べる。飽食モードは脱してるので、体が欲しいものは本当に必要だと信用するということです。これで栄養失調にならないかは実験中ですが、いまのところOKそうです(これは万事独学型の僕の体感で、一般には専門家と相談された方がよろしいのでしょうが)。

次に、食べる、飲む以外の欲も断てるのではないか(まだトライしてないが)というそこはかとない自信が出てきています。飲食で「いらん欲」が79kgの肥満ボディをつくっていたように、気持ちの上でも「いらん欲」が悪さをしているかもしれません。たとえば物欲です。あれが欲しいこれが欲しい。でも持ってみるといらなかったりする。それに日々余計なお金と時間と労力を空費しているかもしれません。

若い時の物欲というのは夢やエネルギーをくれますから、あったほうがいいでしょう。しかし還暦の身空でそれはもう見苦しい。カネ、権力、地位、名声、不動産そういうものです。仮にそれを得たとしても、そのために苦労して早死にしたら味わう時間はありません。二子玉川まで川原を10km走って、ああ心臓が動いてるぞ良かったなあと感じる、その良かった~のほうが大事に思えます。

・・・・

さて、次でありますが、ここで本稿は一時ストップです。少しずつ書き溜めしていた下書きではここに次の青字のパラグラフが来る予定でしたが、ある事情によりこれは修正を余儀なくされております。

「次に、過大なエネルギーを要することはしなくなります。これがいい。怒らなくなるんですね。仕事でもスポーツでもよく怒って疲れてました。もう20年前の話ですが、会社でソフトボールのチームを作って監督をやっていたんですが、リーグ戦の試合になって、あるプレーにがまんならずマウンドまで行って大声で選手たちを怒鳴りまくってしまいました。相手チームまで凍りついてしまい、まずいと思いましたが後の祭り。大失態でした。でもいまならベンチに呼んでこっそりと次はこうやってごらんと指導できそうです。」

はい、その事情とは、昨日今日の広島カープ対日本ハムの無様な試合をTV観戦し、ヘボ采配にひとりでめちゃくちゃ怒ってしまったことです。20年前にグラウンドで怒鳴りまくったぐらい。はい、まだまだ断食が足りておりませんようで・・・・

でも緒方監督には怒鳴りまくるぐらい思いっきりやって、勝つ気を見せてやって欲しいもんです。いいわけですが、そのソフトの試合は負けましたが終わってチームでヤケ酒飲みに行って「みんな悪いな」って謝ったら、逆に一番怒られたやつが「東さん、遊びじゃないんですね、ほんとに勝ちたいんですね」って言ってくれて、そこからチームがちょっと強くなったんですよ。

 

閑話休題(以下、本稿の続きです)・・・・

 

一番恐れていたのが精神的に「ガス欠」になって仕事の気力が萎えることです。しかし杞憂でした。仕事も力を入れないドライバーショットの方が飛ぶ、そんな感じです。事業というのは利益を求める「物欲」がベースにありますが、いまは会社の存続のため、ひいては自分以外の人の幸福のためという気持ちです。もちろん家族と社員を食べさせていく自信はある。でも食べるだけでなく、会社が健康に育つために努力する、そういう目線になっています。

それで飛距離が出ているのか、このひと月は大きな案件が2つ3つ出てきて、それもこちらから求めていったというよりチャンスが自然と廻ってきた感じです。頂き物のつもりですからかえって大事にしなきゃと思う、不思議なものです。ほんとうにうまく運べば会社が一皮むけて脱皮できるかもしれず夢がありますが、これもさっきの「怒り」といっしょで疲れるほど期待はしたくない。まあだめならだめでいいやと思ってます。こんなこと、断食前はなかったですね。

この「求めない」というのは新境地です。他人ではなく自分に求め続けてここまで来ましたから。でも求めさせているのは自分というより「我欲」なんです。欲が人格に作用してしまう。だから金や権力を持つと人は変わると言います。欲が倍加するからです。持てば持つほど等比級数になって、結局その人を支配してしまうエイリアンです。一生使えない資産を持っていても、それを稼ぐために費やした時間と労力は戻ってきません。

「足るを知る」といいます。まだ知ったとはお世辞にもいえませんし入門できたかぐらいですが、心も体も何となく何かに踊らされてブロイラー状態になっていたことだけは知りました。そんなことで早死にする人がいるかもしれないとも思いました。親にいただいた人生ですからmake the best useということです。やってみよう(簡単です)と思われる方に、僕が一応参考に読んだ本を書いておきます。

「3日食べなきゃ、7割治る!」(船瀬 俊介・著、三五館

2週間で効果がでる! <白澤式>ケトン食事法」(白澤卓二・著、かんき出版)

「糖化」を防げば、あなたは一生老化しない(久保明・著、永岡書店)

 

 

 

 

 

 

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カープ新井とジャイアンツ鈴木にあっぱれ!

2015 MAY 9 23:23:31 pm by 東 賢太郎

カープの得点力はサッカーチーム並みと書いたら突然打ち出してラグビースコアも出そうな勢いになって来ました。そんなことなら毎日ボロカスに書いてやろうかと思う今日この頃です。

巨人戦のインフィールド・サヨナラは単なるラッキーであとの2勝もフランシスコさんのおかげ様でありましたが、そんな勝ちでもガラッと打線の様相が変わってしまう。かたや、やられた巨人は翌日に球団史上初の初回10失点をやらかしてしまう、プロスポーツのレベルは紙一重の差なんですね。

巨人・広島観戦は僕にとって最高のごちそうなんですが、あの3連戦、ほとんどTVを見てません。河原を走るのに忙しかったし、どうせ負けと思ってたので心の平静を保ちたく、そっちのほうも断食モードでありました。第3戦だけ見ましたが不思議となんの感興も心の波風もなく、淡々と見れました。

先週連休明けの木・金は別々なことで重要な面談があり、今後の弊社の本業にとって大きな決断をしました。それも「淡々」という流れの中であり、大事な時にこのような心の構えでいられたことに感謝しております。ビジネスにおいてそういう局面がいつやってくるか、それは誰にも予測できませんから、普段からの過ごし方が大切と思いました。

そう思った矢先、今日はカープが阪神に10-0で勝ちましたが、新井選手のホームランがとてもうれしかったのです。阪神を事実上追い出されて古巣に戻り、キャンプで一番練習してたのはどの若手でもなく、38才の彼だったそうです。

どん底に落ちて4番にはいあがったのは見事ですが、それは結果です。結果がどうあれもういちどやってみようと挑戦したことを僕は応援したい。根性論は古いといわれそうですが、それをどういう言葉で今どき表現するかはともかく「努力を続ける」ってことですね。根性がある男が最後は勝つと僕は信じて生きてます。

夜は新潟の巨人・DeNAでした。先発山口が9回3安打11三振、久々に本物の剛速球というものを見せてもらい伊良部を思い出しました。それでも9回に代走鈴木の盗塁で同点にされ、11回にまた鈴木の盗塁から巨人が2-1の勝ち。原監督が「よく2点取れた」と2度も言っていたほどの37才の鈴木の足でした。

これも勝ったのは結果であって、鈴木は毎日東京ドームに朝7時に来て試合まで入念にトレーニングして出番に備えている、それは敵ながらあっぱれで応援したいです。インタビューで「準備のおかげ」とした、このやるべきことを淡々と毎日積み重ねる姿勢、本当のプロ選手だと思います。

38才と37才、こういう心構えの人たちを見ると元気を頂きます。
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断食5日目も苦なし

2015 MAY 8 17:17:23 pm by 東 賢太郎

今日で断食5日目に突入しました。昨日も昼間は会社でコーヒー2杯、夕刻の商談は事情を話して紅茶一杯だけ、夜にモズクとヨーグルトだけ。今日は今のところ昼にゴマダレ豆腐とヨーグルトだけ。夜も大事な面談がありますが食事はお断りします。ここで自分に妥協したらなんのこっちゃです。

空腹感なし。おなかも鳴りません。心なしか心身とも快調で朝の目覚めがよく、慢性化していた耳鳴り,肩凝りが減っています(想定外)。心の方も軽くなる(五感が冴えた感じ?)でしょうか、これは未踏の感覚です。

体重は76kg前後(2kg減)ですが体感ではもっと軽く、歩くとややガス欠感ありですが、いつもと同じ速さですぐ呼吸が速まり有酸素運動に入ります(歩くだけで!)。脂肪燃焼スイッチの入りがいいのは快感です。

禁断症状はなく頬もこけてないのでこのまま延長戦OKのようです。あれだけ走ってこの程度だから山で遭難しても1週間ぐらいぜんぜん平気でしょう。きっと「冬眠前のクマ」みたいに栄養(内臓脂肪)を貯めこんでたんでしょうね。

一つだけ変調は今日の昼(ゴマダレ豆腐の食後)に急に眠気が来たこと。血糖値でしょうか?すぐ覚めましたが未踏領域で医師の指導なしだから注意はしたいです。

これを始めたのは12月に屋久島で体をいじめた理由がデトックスだったからです。にもかかわらず半年でむしろ体重増。この意志の弱さに自己嫌悪してましたが、ファスティング(絶食)は未体験で怖くもあり踏み切れませんでした。

あとは本を何冊か読んで、人類は何千年も飢餓状態で生きてた(それこそが自然体)、万病に効く、長寿遺伝子にスイッチオン、血液サラサラ、毒素が体外に出る、なんてのにキャッチされました。タモリ、たけし、横綱白鵬、落合博満が一日一食というのも勇気をもらいました。

コスト(食費)は減るし、効能は話半分以下でもチャレンジする価値あるかと思いました。製薬会社と医者は薬を売りたいから断食は危険だとして絶対にすすめないそうですが(真偽不明)、ドイツのことわざでは「一日三食のうち二食は自分のため、一食は医者のため」というそうです。

土日の2日間では効果なく骨折り損なので連休しかチャンスはなく、「今でしょ!」ということでした。できた自分がまず驚きましたが、周囲に「すごい」ともちあげられてまたびっくりです。皆さんやったほうがいいかな、やりたいなと感じながら思いきれないようですね。でも本当にたいした努力ではありませんからやったもん勝ちですよ。

僕がふみ切れたのは2日目に二子玉川まで走って引き返さずにさらに二倍先まで思い切って行ったからです。昔の野球部合宿でもう真っ暗で脱水症状で倒れそうなのに「つぎベーラン(走塁練習)な!」と号令がかかって「えー!」と絶句した、あれです。号令は自分でかけないといけませんが、なんでもいいのでそういうご自身の経験を思い出していただければ気軽にいけるのでは?

最後に金融マン得意のヘッジクローズです。

1か月でリバウンド(戻る)と思うので、そういうだらしない自分のインセンティブのためにもう一ついいことを。

何を食べても、信じられないぐらいおいしいです!

これ、リバウンドを推奨するようなもので矛盾なんですが、もっといい意味があります。

英語のことわざにHungry is the best sauce.(空腹が最上の調味料である=ひもじい時 のまずい物なし)とありますが、いちどひもじくなってしまった方が人生の幸福度は高いかもしれないと思うようになったことです。断食に限らず、どん底、逆境にある人はむしろぬけだした時の喜びはおおきいのですよ。いったんそう腹を据えてしまえば、人生こわいものなしじゃありませんか!

 

 
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3日断食にトライ

2015 MAY 5 22:22:17 pm by 東 賢太郎

半年前にせっかく屋久島で少し減った体重が規格外の80kgに近づいております。高校時代60kg前後だったからそれが脂肪と思うとぞっとします。なんとか70までは落としたいと思い、このGWは梅干しと水で過ごしてみようと思い立ちました。

それだけでなく運動もということで3日続けて多摩川をジョギング。初日は4.4km、昨日は15.5kmとかなり頑張り、今日は軽めで3.8kmでした。昨日から絶食してますからどうなりますか。

昨日は自分が3歳から中学まで育った和泉多摩川まで行きました。家から二子玉川まで3.5kmで、そこでまだ元気だったので足を延ばしました。走ったといいたいところですが4分の1は歩きました。さすがに疲れて休んでいると自転車のご老人が話しかけてきました。

いろんな話が出ましたが、小田急線が踏切でダンプと衝突して脱線し、鉄橋のわきから1両目が川辺に落ち2両目が宙吊りになった話題になりました。現場は家からほんの100mで窓から見えました。昭和36年だから6才でした。朝の7時半だったそうです。

甚だ不謹慎ではありますが、電車気違いだったこともあり、当時はやっていたゴジラが町を破壊してしまうシーンも頭の中でコラボして大興奮でした。毎日現場に行って横転した電車にこっそり触り、おもちゃ(Oゲージ)で衝突、転落を再現してました。その1両目が無残にころがっていたあたりは今は野球場で、近くはバーベキュー・エリアになってます。

昭和49年に多摩川が決壊した惨事のころはもう引っ越してましたが、現場のダムも遊び場でした。昔は歩いて渡れ、親父と川幅の半分ぐらいまでよく行きましたがあの決壊以来立入できなくなったそうです。その周りは草むらでトンボ、蝶々、バッタの猟場でしたが今は公園になっています。

商店街は様変わりで、毎週火曜日に少年サンデーを買っていた角の本屋もありませんが、そこに立ってみると、70円払ってサンデーを袋に入れてもらってわくわくしたあの日のときめきを思い出します。おばあちゃんの駄菓子屋はクリーニング屋になってました。

お袋についてよく買い物に行ったスーパー江戸屋は今もあって、つき当たりにコロッケ屋があったそのスポット(薬局)に立つと、まるで史跡にでもいる気分です。道の微妙な曲がり具合、脇の路地の傾斜具合などはそのままで、ああこうだったなと納得です。小さな体での記憶ですから今歩くとスモールワンダーランドです。

tamaそして今日。もう無理かと思ったらけっこう普通に走れます。意外に空腹感は無く、運動のせいなのか有り余る腹部脂肪のおかげなのかわかりませんが、多摩川に出て反対方向に、もと巨人軍の多摩川グラウンドまで行きました。長嶋の千本ノックなどV9のジャイアンツ黄金時代を支えたここも今はリトルの少年がよく使ってます。川向こうのビル群は武蔵小杉です。

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ブルペンに入ってみます。マウンド上、プレートからキャッチャー方向を見ています。ここで当時のV9投手陣が投げていた。これは血が騒ぎました。一度ここでやってみたかったですね。僕は82年にニューヨークの野球名所ベイカーフィールドで1試合9イニング投げさせていただいた、素人としては果報者なんですがここはまた別格です、今からでも放ってみたいなあ。

 

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かつて長嶋、王はじめ巨人の選手、関係者、ファンらが必ず立ち寄った聖地「小池商店」も健在です。長嶋さんはいつもおでんだったそうです。

 

 

 

 

絶食は今日も続いております。ちなみに今は76kg、いい感じであります。

 

 

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クラシック徒然草-僕がクラシックが好きなわけ-

2014 NOV 2 16:16:27 pm by 東 賢太郎

 

私は物理学者になっていなかったら、音楽家になっていたことでしょう。私はよく音楽のように物事を考え、音楽のように白昼夢を見、音楽用語で人生を理解します。私は人生のほとんどの喜びを音楽から得ています。

アルベルト・アインシュタイン

 

先日の皆既月食の時、アマチュア天文好きはほとんどが「観測派」なので友達がおらず子供のころ寂しい思いをしたことを思い出しました。

僕は恒星にしか興味がありません。日食や月食はかくれんぼみたいなもので物理現象でないし、何がおきるか完全にわかっているのだからただのショーです。皆既日食の時はカラスが何をするかの方が気になっていましたし、どうしても赤色超巨星の変光や130億光年先の未知の星雲での出来事のデータの方が気になります。

こういう趣味は幼児のころからはっきりしていて、僕は2歳から無類の電車好きでしたが車輪と線路以外は一切興味がありませんでした。非常に変な子だったと思われます。もしも鉄道会社に入るなら社長でも運転手でもなく線路の補修工をやりたい。今でも彼らを見るとうらやましい気持ちがわきおこります。

恒星の物理現象の何が楽しいの?と聞かれても猫好きとおんなじで、好きだという事実が先に厳存するのであって考えても意味のないことです。実際にそれを見た者はないわけですから頭の中だけの世界ですがそれでもそこに浮かぶイメージは時としてどんな名画より美しいと思います。

音楽も同じことです。どうしてクラシックが好きかというのは、どうして恒星がどうして線路が好きかということと同質です。なぜこの曲はこんなにいいんだろう?これを解明することとシリウスの伴星の質量への関心とは同じであり、シリウスを夜空に見上げるのはその曲を聴くことと同じことです。

音楽は人為的な物理現象です。それを耳にして頭の中に何が浮かぼうと、快感、感情、風景、ポエム・・・なんであろうと勝手です。ただその段階ではもうそれは音ではなく、脳内の現象になっています。それを心象と呼べば、それは聴く人の脳の数だけあります。ある曲を聴いて万人が同じ心象を抱くとは限らないのです。

ラヴェルのボレロを聴くと僕は極めてメカニックなゼンマイ仕掛けの時計を思い浮かべます。ところがさる女性の方があれはセクシーよねとおっしゃって頭が凍りつきました。セクシー? 同じものを見聞きしてかように天と地の差が出る、これは音楽が多面体であって、見事にカットされたダイヤモンドのように見る角度でいろんな魅力があるということなのです。

10年ぐらい前に僕はボレロをシンセでMIDI録音しました。なんとなく時計のゼンマイをばらばらに分解してみたくなったのです。すると、そこには和声や対位法の秘技はちっともなくて、ひたすら単調な2つの旋律とリズムの繰り返し、それに楽器法の多様なスパイスがふりかかっていくだけという造りなことが現実として見えてきました。

つまり、部品にバラしてみるとどのひとつも珍しくもなく、楽器の面白い組合せの効果だってシンセで忠実に再現できてしまう。まるで精巧なプラモデルみたい。作りかけで内部が中空の戦艦大和を上から下から眺めてぞくぞくする、ああいう感じを味わいながら全曲を完成してみて、ああやっぱりこれはゼンマイ時計だったんだよかったと得心したのです。

ちなみにご存知の方も多いでしょう、ロンドンにドーヴァー・ソウル(シタビラメ)で有名なWheelersというレストランがあります。素材は同じヒラメのムニエルですがソースの違いでたしか10何種類ものメニューがあり、どれもうまい(お薦めです)。ボレロはあの舌平目を片っ端から10種類食べるのとおんなじだったんだということです。1種類のソースで10枚はとてもとても。ボレロはピアノリダクションしてもちっとも面白くない曲です。

しかし、そういうことをぶっ飛ばしてセクシーだとかいう人が現れる。「おおジュリエット!そなたの瞳は・・・・」みたいな宝塚風世界が見えてきて、そういうのは僕とは縁遠い世界なもんでもうアウトです。こっちはボレロとくればホルンとチェレスタにピッコロがト長調とホ長調でのっかる複調の部分が気になっている。しかし何千人に1人ぐらいしかそんなことに関心もなければ気がついてもいない。ここで、日食や月食が好きな子と遊べなくて寂しい思いをした子供時代に戻るのです。

たしかにラヴェルはゼンマイ時計を造ったのですが、もし彼がセクシーという評価を知ったらひょっとして喜んだんじゃないか、それこそ彼の思うつぼだったかもしれない。伝記を読んでいてそう思ったのも事実です。素晴らしい時計ですね、そんな評価は欲しくなかったかもしれない。そう感じてなにかまた寂しい気持ちになったりします。こういう人間は孤独なのです。

そこで後日、ブラームスの4番の交響曲の第1楽章、これも僕にとってはバラバラに分解したくなる対象なのですが、それをMIDI録音してみました。するとこっちはソースではなく食材そのものに多種多様なアミノ酸、タンパク質が含まれたものであることがわかってきました。彼の3度、6度音程がそれの重要要素で、12音の全部を基音とする長短調主和音が含有されていることも。

でもそれはらっきょうをむいたようなもので、何も出てこない。どうして僕が惹きつけられるのか、その効果をもたらす核心、根源は悔しいことに分解した部品は教えてくれないのです。原子論が脳を解明できないのはこういうものでしょうか。音楽としては全然似てませんが、結局これもボレロのセクシーと同様によくわかりませんでした。

そういう、いわば「形而上の何ものか」を名曲といわれるものは含んでいるようです。すると僕はそれを形而下におろして分解したくなる。いろんな人の演奏をいわば「聴感実験」としてきいてみたくなる。そうやってその曲を覚えこんでしまう。その積み重ねで僕は50年もクラシックにのめりこんできたようなのです。分解癖がうずかない曲はぜんぜん関心がない、どうもそういう事のようです。

ブログで譜面をお示ししたくなる部分、そここそ分解したい箇所であって、それこそが僕のブログの主題だからそうしないといけません。今はそういうものの合成効果を僕は好きで、それが感動をくれていると考えています。それは自分だけの心象かもしれないので普遍性があるかどうかは知りません。たぶんないでしょう。日食・月食派の方にはどうでもいいことでしょうが、物理現象派の方にはわかっていただける 一縷の望みをかけております。

僕はリストやマーラーやヴェルディやほとんどのショパンに興味がないことを明かしているので、いくらボロカスに書いても無視してください。所詮好き好きです。なぜといって分解したいところがないのです、一ヵ所も。だから楽譜を見たいとも思わない。おおジュリエット!も僕の音楽観にはいっさい出てきません。

音楽の教科書に載っていた曲はみな名曲だ、聴いてわかなければいけない、わからければあなたがおかしいのだなんていう呪縛はクソくらえなのです。僕は中学まで音楽の成績2の劣等生ですが、ピアノが弾けて笛がうまくて5だった人たちが今の僕よりストラヴィンスキーの音楽について理解していることはたぶんないでしょう。そういうことは育ちや教育や技術ではなく、すぐれて遺伝子のなせるわざと思います。

レコードの批評はくだらないので読みません。つまらない曲の演奏などどうあろうとつまらないわけで、そんな曲を批評できるほど真面目に聴いていること自体趣味が悪い。そういう人のおすすめに従ってみたいとは思わないです。良い曲はプロがちゃんと演奏すればよほどひどい解釈でないかぎり良いはずです。だからCD屋へ行って棚に並んでいる有名演奏家のものを買っておけば間違いはありません。

その曲の本質をより突いた演奏というのはたしかにあります。それは語られるべきですが、それもこれも、曲が良いという大前提があってこそです。必要なことは「良い曲」を探して、それを良く知ることなのです。そしてそれぞれの人によって持つ心象が違うのですから何が良い曲かもかわってきます。他人の評価やおすすめはそれはそれとして、とにかく自分の耳で聴いてみること。それしかございません。

僕はいい曲かどうかを分解したいかどうかで選んでおり、ある人はおおジュリエット!で選んでいる。どっちでもよい。そういう事だということを知ったうえで自分の「良い曲」のレパートリーを増やしていくこと、それを探し求めることこそクラシック音楽の森に足をふみ入れることです。その道を歩いてさえいれば、どんなにレパートリーがまだ少なくとも、「自分の趣味はクラシック音楽です」と堂々と語ることができる、僕はそう思います。

 

クラシック徒然草-はい、ラヴェルはセクシーです-

クラシック徒然草-ラヴェルと雪女 (ボレロ)-

 

 

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世界のうまいもの(その9)-スコッチのブローラ21年と竹鶴35年-

2014 JUL 17 12:12:29 pm by 東 賢太郎

僕は酒の味について文章を書く資格がある人間ではありません。アルコールは弱くて、ビール一杯で赤くなります。よく経済的ですねといわれますが、赤くなっても人並み程度の量はいけますから、悲しいかな実はそうでもありません。

ボルドーでワインテースティングを初めてしたとき、どうしていちいち吐き出すのかな汚いなと思いました。酔うと味覚、嗅覚の感度、記憶が薄れるためだそうです。僕の場合、吐き出してるのにもう5種類目ぐらいで気持ち良くなってましたからソムリエは無理であります。テーブルで白が終わって赤にさしかかるころにはだいたいの場合もう終わってます。だから、機会が多かった割には経験値が少ない、要は酒の味はまだよくわかっていないのではないかと思うのです。

そんな程度でも、ロンドンに6年住んでいてシングルモルトを嗜んでいましたなどと書くといかにもわかった風にきこえてしまいますね。そういうことはまったくなく、生ぬるいビールはまずいし当時の安月給ではいいワインなんか高嶺の花だったので、消去法で地元のスコッチになっていただけであります。

broraここからの拙文は何卒お許しいただき、通の方にはそういう前提でご笑納いただきたいのですが、そんな僕のちょっと記憶に残っている酒がブローラ(Brora)なのです。酒精を愛でる語彙は小学生なみでお味はうまく書けませんが、ハイランド独特の枯草風くさみが強めで、鼻につんと広がって、とにかく個性のボルテージが高い・・・さっぱりわかりませんね、みっともないのでやめときましょう。僕は発酵食品好きで納豆から鮒ずしまで全部OKで、スコッチもこういう臭み(というのかどうか?)やアクが強い個性派が好みです。もう一つこれが気に入ったのが、当時吸っていた葉巻と臭いもん同志で合うんです。

この酒は北ハイランドにある醸造所が83年に閉鎖されていてもう市場在庫しかありません。2005年に投資家訪問でエジンバラに行ったおり、どうしても懐かしくて欲しくなって、店にあるだけくれといったら1982年の21年物が3本出てきたので全部買いました。これは証券マンの本能ではなく、思い出の酒を純粋に飲みたかっただけです。

ところが今年、ジョニーウォーカーを有する世界最大のウイスキーメーカー、ディアジオ社が出した「ブローラ40」(40年物)の売値を見たら1本6,995ポンド(約122万円)で仰天してます。最も高いウイスキーだそうです。これは21年ですがそれでも調べると買値の10倍ぐらいになっていて、株よりいい投資でした。もちろん売る気など毛頭なく、飲みます(2本ある)。ただ、いずれ世から消えてなくなる味かと思うと切なくてどうも飲めません(貧乏性です)。一人じゃもったいないので、いずれ何かの機会にSMCメンバーで開けましょう。

nikka
もうひとつ、これは国産。お客様からいただいたニッカ・ウィスキー「竹鶴35年」です。なかなかよろしくて、ちびちびやってました。ところが先日、最後の一献をかたむけようとふとラベルに目をやると、「ボトルナンバー0229」 とあって、なにやらただ者でない風情が・・・。調べると1000本限定リリースで、ウィスキー評論家の土屋守さん曰く 『これぞ僕が「もう一度飲みたい」と切に願うウィスキー』なるものだったという恥ずかしい事実が判明。お値段も仰天もので、最後の一献はやめて安物の方に変更・・・。猫に小判とは猫に失礼であり、下さった方には不明をお詫びするしかありません。これとブローラと、どっちが先になくなるんだろう?

(こちらへどうぞ)

世界のうまいもの(その8)-アスパラとラインガウのワイン-

 

 

 

 

 

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コダーイ 組曲「ハーリ・ヤーノシュ」作品15

2014 JUN 22 18:18:27 pm by 東 賢太郎

map01ハンガリーに友人Kが駐在していて、スイス時代に仲間と4,5回は行っただろう。それが毎度ゴルフであり、彼の運転でペーチュという南部の街のあたりまで4時間ほどブダペストからぶっ飛ばして行く。もうクロアチアに近いところだがそこにけっこう難しい36ホールのある立派なゴルフホテルがある。ジャパニーズなんて珍しいからだろうか奴の性格の良さだろうか、Kはそこのオヤジにえらく気に入られていて番犬までなついていた。ホールインワンをやったホールのティーグラウンドわきに石碑を立ててもらっているほどだからこんな奴はそうはいない。気安くゴルフができるわけだ。それに味をしめて何回も行ったのだが金曜にチェックインして土、日で4,5ラウンドやるからまるでプロのトーナメントだ。もう20年も前のことだが、まだホール全部の景色とレイアウトや使用クラブ(番手)をはっきり覚えているところをみるといかに真剣勝負していたことか。

一度夜に4人で街へ出ようと車で向かったとき、ベンツがエンストしてしまった。えらい田舎道で人っ気どころか街灯もなく途方に暮れた。当時まだ携帯電話なんてなかったのだ。1時間ぐらいしてやっと通った車に2人が乗せてもらいガソリンスタンドまで行って何とかしてもらおうとなった。釣り帰りの気のいい若者たちであり、車内は釣果のナマズで臭かったそうだ。ホールドアップのない国で良かった。僕は残留組だった。またひたすら車内で待った。暗闇と静寂の中で凍えるほど寒かった。「こんなとこで死ぬのはかなわんね」と笑っても冗談にきこえない。1-2時間だったろうか永遠みたいに長いこと待った。後方からごうごうと地響きがしてきた。煌々とライトを放った大型トレーラーだった。遠征組の大手柄だ。スタンドで絵を描いてやっと緊急事態が通じたみたいだが、夜中によく出してくれたもんだ。ハンガリーの人はいい人なのだ。車ごと高々とした荷台に乗せられて我々は大いに快適だった。ホテルに凱旋帰還したのは朝の4時だ。Kになついている番犬が突如出現した巨大トレーラーに仰天して気弱に吠えた。

一度は上司とウイーンからブダペストまで車で行ったこともある。90年のことだ。バラトン湖で食事してなんだったか忘れたが屋台で果物を袋いっぱい買って食べながら行ったが食べきれなかった。仕事後にバルトークとコダーイのお墓詣りをさせてもらった。ハンガリーというとグーラッシュだ。パプリカのきいたビーフシチューみたいな料理でご飯があればもっといいのにといつも思う。フォアグラは地元の名産で、それとトカイワインがあれば言うことない。ハンガリーにはモンゴル由来のアジアの血が入っているそうだがどの程度だろうか。ハンガリーのHunはフン族のフンというがそうではないという説もある。ただ姓名の順番は東洋式だからアジアが残っているのかもしれない。ヤマダ・タロウと同じくリスト・フランツでありバルトーク・べラである。

コダーイ・ゾルタンの名作「ハーリ・ヤーノシュ」は同名のほら吹きオヤジが、”七つの頭の竜を退治した”、”ナポレオンに勝って捕虜とした”、”オーストリア皇帝の娘から求婚されたなどの冒険譚をたれる物語だ。ほらでも捏造でもここまで豪快だと憎めない。原曲はプロローグとエピローグを持つ4幕の劇音楽「五つの冒険」であり、そこからコダーイが6曲を選んで以下の演奏会用組曲とした。

1. 前奏曲 おとぎ話は始まる                                 2. ウィーンの音楽時計                                     3. 歌                                                4. 戦いとナポレオンの敗北                                  5. インテルメッツォ                                       6. 皇帝と廷臣たちの入場

第3曲、第5曲で活躍する「ツィンバロン」という打弦楽器にご注目いただきたい。グランドピアノの弦をバチでたたく原理で、そういう音がする。スイスはジュネーヴのレストランでこの楽器の名手のソロを聴いたことがあるが音も大きく感銘を受けた。

第1曲はいきなり「くしゃみ」の音まねで始まる。「聞いている者がくしゃみをすればその話は本当」というハンガリーの言い伝えだそうだ。ほら話がくしゃみで始まるのは逆説のジョークだ。第6曲の最後はバスドラムの一発で閉じる。そんな曲はこれしか知らない。ティンパニ・ソロの一発で閉じるのにドビッシー「海」があるがそれはリズムの拍節どおりに鳴る。ここでは微妙に記譜された拍節からずれて、遅らせて鳴らしている指揮者がいる。例えばセル・ジョルジ(米国名ジョージ・セル)だ。この絶妙の間、文字通りの「間ぬけ」がぜ~んぶホラでしたと聞こえるから不思議だ。これでこそ「くしゃみ」の入りと対称形になって全曲の意味がくっきりと浮き出る。

僕はこの曲がエスニック料理みたいに大好きだ。ハンガリー風味が満載。ときどき無性に食いたくなる。クラシックファンには当たり前の曲だが入門者は知らない人も多いだろう。とにかく病みつきになるほどのおいしい曲なのでぜひ6曲とも聴き込んで覚えていただきたい。ハンガリー民謡のメロディーが不思議と我々日本人の「口に合う」音楽なのだ。

僕の場合、病が嵩じて第3曲「歌」と第5曲「インテルメッツォ」をシンセで弾いてMIDI録音した。前者はヴィオラソロで始まり、練習番号1で Dの和音の上にクラリネットが第3音(f)と第7音(c)が半音下がったジャズでいうドリアンスケールの旋律を奏でる。この長調短調のぶつかりはビートルズの後期の音を連想させる。和音だけがB♭7→Gと東洋情緒あふれる変化をするがこの部分はジプシー(ロマ)音楽風であり、ブラームスのクラリネット五重奏曲を思い出す。 ロマと黒人、ジプシー音楽とジャズ。西洋音楽の周辺、エスニックなところのエッセンスがビートルズにあるというのが彼らの音楽のパワーの源泉だろう。

練習番号2。Poco piu mossoからD、C、F、G、Asus4と続く和音は、特にFが出てくるところが非常にビートルズのStg.Peppers的である。この次にホルンにフルートのトリルが絡まる部分の素晴らしい和音(Dmaj7/b→ E6・7・9→Em7)!なんていいんだろう。作りながら興奮した。この6曲にはこういう興奮箇所が満載だ。いちいち書いていたらブログ10回分になってしまう。そういうマニアがおられればいつかじっくりと喜びを分かち合いたいと思う。ともあれ、ハーリ・ヤーノシュ、旋律は平易に聞こえるが和声進行の個性は絶妙であり他の誰とも似ていない。コダーイオリジナルの天才的作品なのである。

 

フェレンツ・フリッチャイ / ベルリン放送交響楽団

haryi-tuneの自作自演盤は(僕のメモリーにないものだが本物とすると)かなり味付けが濃い。劇音楽そのものだ。コダーイの愛弟子であったフリッチャイの演奏がこれに近い。例えば第4曲のトロンボーンのグリッサンドからの表情づけ、サックスのトリル。曲尾のバスドラムも見事に「間抜け」で鳴る。僕はこれをLPで大学時代に聴き込み、CD(写真)をドイツで買った。僕にとって特別な思いのある演奏であるが、これがスタンダード名曲化する前の原型の香りをたたえた名演として皆さまにも広くお薦めできる。

ユージン・オーマンディ / フィラデルフィア管弦楽団(1961年12月28日録音、CBS)

unnamed (22)こちらは17歳の時にバルトークを買ったらいわゆる「B面」も良かったというもの。指揮者のハンガリ―名はオルマーンディ・イェネーである。現代オケのスマートな快演として評価されているがとんでもない。欧州的な音がしており随所に懐かしい香りがある名盤である。前述「歌」の練習番号2Poco piu mossoのフルートをこんなに見事に「わかって」入念に入れている指揮者は皆無である。この曲の要である管楽器のうまさはいうに及ばずだが「インテルメッツォ」のシンフォニックな弦も格別に颯爽としている(実にかっこいいのだ)。万人のスタンダードとしてお薦めしたい。

(こちらもどうぞ)

バルトーク「管弦楽のための協奏曲」Sz116

Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band

 

 

 

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