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グアム島シェラトンホテルにて

2013 JUN 21 23:23:23 pm by 東 賢太郎

グアムでは昨日、今日とマーク・ヒース氏と夕食になりました。そういう予定ではなく、木曜から日曜まで誰にも会わずにシェラトンホテルに隠遁する予定でした。僕のような仕事の人間には何もすることがないというのは最高の贅沢です。先週にやっとひと仕事を終え、心も体も休養を必要としていたからで、誰にも気を使わず気ままにすごすには誰も知り合いのいない場所に来る必要があります。しかしマークはいい奴で、僕としてはぜんぜん疲れないアメリカ人なのです。電話があってOK食事しようとなりました。

彼はダラス生まれの54歳で奥様とグアムに20年住んでいます。米国の大手会計監査法人アーサーヤングの会計監査役をつとめた後、グアム大学の会計学教授をしていました。現在はミクロネシアに日本企業を誘致する政府エージェントMRA(Micronesia Registration Advisors)の幹部のひとりです。彼によるとグアムの現在のホテルベスト3はヒルトン、ハイアット、ウエスティンだそうですが、このシェラトンも中心からはずれますがその分静かで海が美しく、パラダイスです。スペシャルオファーで1日1万円でこういう景色のツインベッドルームですから決して悪くありません。

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ミクロネシアでは太平洋戦争の遠い余韻を感じ、日米の複雑な歴史を思い起こしておりました。しかし、こうしてマークのような知的でナイスガイの米国人と2人で飲むと決して彼らは鬼畜でもなんでもなく、ひとりの人間としてお互いにリスペクトできることを知ります。僕が元ベースボールプレーヤーであることを伝えると、このゲームがいかに素晴らしいかでひとしきり盛り上がります。18.44メートルが神様の決めた距離であると言うと、ホームと1塁の距離もだと返ってきます。故郷テキサス・レンジャースのダルビッシュ、あの完全試合あとひとりは悔しかったなという話が続きます。マークも野球がとことん好きなのです。こうなるとこっちも舌が滑らかになって、野村證券がニューヨークの日系企業45チームによる日本人アメリカ人混合のトーナメントに初出場するのにピッチャーがおらず、コロラドで英語の勉強中だった僕が飛行機で2度も呼び寄せられたこと。三菱商事戦でノーヒットノーランをやったこと。準決勝敗退だったこと。最終日にやった決勝戦と3位決定戦の相手3チームのピッチャーは元巨人、元阪急およびヤンキースの現役テスト生だったこと。元巨人に4-2で負けて4位でしたが球場はルー・ゲーリックがプレーしたコロンビア大学ベーカーフィールドだったこと。そこで9イニング投げたのが僕の野球人生最後の マウンドだったこと。大会本部の粋な計らいか、負けた僕が最優秀選手賞をいただいてプロの方々に拍手をいただいたこと。こんなニッチな話をしてしまいます。こういうことに心からわかって一緒に感動してくれるのはアメリカ人だけなのです。こういう文化だからイチローに新人王を与え、ゼロ戦撃墜王の坂井三郎を称えるのでしょう。このアメリカ人のおおらかなフェアネス精神は本当に素晴らしいものです。

彼のおすすめレストランで地ビールをいただくとどうもドイツ風の味でした。メニューを見ると「ビールでローストしたブラートヴルスト(血の入ったソーセージ)」とあり、オーナーがドイツ系と知りました。もちろんそれを注文しましたがマークも高校のころお父さんの転勤でフランクフルトにいたことがわかり、ドイツを肴にまたひとしきり盛り上がりました。戦争というのはいったい何なのだろうか。16年も日本を離れて生きた人間ですが、まだよくわからないというのが本音です。

 

 

 

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