ライブ・イマジンのドヴォルザークを聴く
2016 JUN 21 22:22:49 pm by 東 賢太郎
土曜日にライブ・イマジンさんの演奏会でドヴォルザークの室内楽をききながら、やっぱりドヴォルザークは旋律を発明する天才だなあと思いました。そういう人は音楽史上たくさんいそうに思いますが意外にそうはいません。オーケストラはもちろん室内楽でも第2ヴァイオリンやヴィオラに名旋律がでてきたり、それを思い出させてくれる演奏会だったと思います。
室内楽で彼の弦楽5重奏やピアノ5重奏をライブでまとめて聴く機会というのは意外に少なく、ひとりの作曲家でプログラムを揃えるのはだいたいはベートーベン、モーツァルト、シューベルト、ブラームス、バルトークというところでしょう。たまにハイドン、シューマン、ショスタコーヴィチなんてのがあると嬉しくなり行こうかなと思いますが、ドヴォルザークというのはそのひとつでしょう。
オーケストラも似たことが言えます。欧州の名門オケが来ると、多くはお国ものがメインですがチェコ・フィルがドヴォルザークの序曲と協奏曲と交響曲だけというのは意外にない。例えば僕の趣味としては新世界や8番にモーツァルトのピアノ協奏曲が前座でチャンポンなんかにするよりも
- 劇的序曲「フス教徒」
- 交響曲第5番ヘ長調
- 交響曲第7番ニ短調
なんてプログラムを聴きたいわけです。ソリストを入れたいなら5番の代わりに協奏曲ですが、チェロだと7番が食われるのでヴァイオリンかピアノでどうでしょう。欧州ではこういうのがあったりまえ。お国もの路線で行くならどうして徹底しないのかといつも思います。
最近は「外タレ」の人気が昔ほどでもないかチケットが高いのか、ポリーニのリサイタルですら入りが悪かったそうで呼び屋さんもリスクが取れないのでしょうか。オペラならミーハー客が5万円も出しますがオケや室内楽は出し物をお子様ランチにしないと売れないというのでは僕のような者はますます高い金を払おうとは思わなくなるのです。
そういう中でライブ・イマジンの
- 弦楽五重奏曲第3番変ホ長調Op.97
- ヴァイオリンとピアノのためのロマンスヘ短調Op.11
- ピアノ五重奏曲第2番イ長調Op.81
というラインアップは野心的とさえいえる。おそらくはこれらにそれほど馴染んでいない聴衆に曲の良さを伝える、アマチュアだからこそできるのかもしれませんがこれは大変に意義のあることです。
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