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いまの政治家の誰がトランプを御せるか?

2024 MAR 3 7:07:50 am by 東 賢太郎

今年のダボス会議のテーマは「信頼の再構築」とされているが、それを脅かすものとしてAIフェーク動画の危険性をあげ「誤情報」(deep fake)の拡散が問題であることを含んでいる。嘘の画像をとっかえひっかえ見せて大衆を騙す手法は「どんぐり遊び」の進化系であるが、朝三暮四は古代の中国の話だから古典派の手法といえないこともない。最も大事なポイントは、何が「正」か「誤」かは歴史や社会通念が決めるのではなく権力者が決めるということだ。

目的はAIフェーク動画を潰すふりを装いながら「都合の悪い情報をどう消すか」である。では、誰の「都合」なんだろう。 Xやyoutubeのコンテンツは検閲者が消せる。前回の米国大統領選でそれが起きたのをご記憶だろう。そこでメディアが「トランプの言論の自由を封殺できるのか」とまっとうな議論が沸騰した。しかし鎮火された。誰がしたのか?実行したのは企業の検閲者でも命令したのは彼ではない。彼は米国の法律に縛られるからだ。では誰か?法律に縛られない者だ。なぜ縛られないか?どこの国民でもないからだ。

10年ほど前、E-コマース(電子商取引)のグローバル企業が日本人にモノを売りながら日本国に税金を払わないことが問題になった。それと根っこは同じ話だ。その国の国民が見るサイトで検閲・削除しようが言論統制しようが、それを外国から操作しようと思えばその国の法律で裁かれずにできてしまう。言葉で行う政治への干渉も外国から操作できてしまう。米国大統領選でロシア、中国が盛大にやったのは世界の常識だが、ラインが韓国企業であることを国会議員すら知らなかった恐るべき情報後進国に住む日本人はあまりこのことを実感していない。

リズ・トラス首相

「その者」のことをドナルド・トランプは国家の裏にいる「影の政府」(deep state)と呼んだ。インテリジェントでスマートな命名だ。実行部隊はその国の者だが、命令するのはマネー(通貨)を支配する者たちだ。マネーに色はない。支配者たちも様々な国籍はあるが意味はない。だからどこの国から見ても「影」の存在である。たった45日で辞任させられた英国のリズ・トラスはCPACで「国を動かすのは首相と思ったらイングランド銀行(BOE)だった」「影の政府にクビにされた」と演説した。「BOE=影の政府の手先」であることを暴露したことになるから大騒ぎになった。彼女はその単語を公の場で使った二人目の国家元首だが、日本ではあまり報道されなかった。世界元首に都合が悪いからだ。

高橋是清

「その者」は国家元首のように暗殺されかねないリスク・リターンの悪い地位にはつかない。目立ちたくもない。米国の元首に傀儡を据えて通貨と軍事のパワーで世界を支配すれば、それが自動的に世界元首であるからだ。G7諸国、U国、I国のトップは全部傀儡だ。そうならないR国のPをやっつける大義のもとに荒稼ぎの場に使われたU国は、百万人いたはずの兵士がいなくなって傭兵で戦っている。それなのにZ大統領の発表は「兵士3万人が死亡」だ。世界中が嘘と確信しているが、世界元首様がハンコをつけば情報は「正」になるのだ。犠牲になっている国民が気の毒でならないが何兆円もの義援金の大半はA国の兵器屋に回る。

100万を3万と嘘をついてバレても構わない。要はどうでもいい。そうやってJ国では300万人が死んだ。そういうことだ。U国は今年で幕引き、I国は暗礁に乗り上げてしまった。次を物色しなくては。勘違いのトラスは外したがJ国のKはEの完全支配下に置いたから大丈夫だ。何でも言うことを聞くぞ。「どうだい、Z大統領役をやってみないか、1兆円やるぞ、君と家族の身の安全は保障する」。危ないのは巷でいうC国でもTW有事でも半島でもない、そっちではないかと心配になる。まさか300万の人命を失うとは思わなかった、国賊とはいわないがあれを始めた者たちはそう言っただろう。

権力の傘の下にいると楽だ。すいすい出世もする。しかし怖くもある。これは自分の経験だ。周りはいざ傘が消えたら斬り殺そうと狙ってるからだ。J国K首相殿の心境は拝察しないでもない。左翼が莫迦だ無能だと騒ぎ、A国盲従に国民は怒って支持率は0%へまっしぐら。しかし地検特捜部も国税も味方につけてくれ、派閥まで一掃してもらって党内では向かうところ敵なしという「A国に守られている全能感」は麻薬であろう。それで自ら脳を麻痺させてしまい、恐怖を忘れてひた走る。しかしどうだろう。彼が本当に怖いのは傘のほうではないかと思えてならない。だとすれば・・・。

先日のこと、ある会合があって、同年配で地位も見識も情報もある一流ビジネスマンの皆様と円卓で会食した。「ところで皆さんWは打ちました?」ときくと8人中7人がイエスであり、6回ですという人もいた。これは些か驚きだ。J国ではすでに情報統制がほぼ完璧ということだ。だから世界で最も打ちまくった優等生の国になっている。ヘルスケアのグローバルな専制的組織化はダボスのテーマにちゃんと入れこまれているわけで、F社M社およびA国政府に治験データ付きで巨額のマネーを提供した日本国首相の評価が高いのはごもっともである。そのうえにA国人もびっくりのLGBT法まで通してくれているのだから国賓待遇ご招待は当然だ。

「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ消滅するだろう」とイーロン・マスクに心配してもらわなくとも、緊縮財政と増税で日本人はもっと貧しくなり子供は減るだろう。少子化対策は異次元でなくても結構で、その2つをやめるのがベストだが絶対にしないだろう。それどころか日本人を減らしたいのが裏の本音かもしれない。ピークの昭和24年に270万だった新生児数が去年はなんと4分の1になって73万だ。内閣府の推計によると日本の人口は2060年に8700万人ほどになる。つまり3700万人減るわけだが、それは東京都、神奈川県、大阪府、福岡県が無人になるということだ。そこで「どんどん移民に来てもらおう」が「正」の情報となる。文化の障壁は取り壊そう、インクルージョン、ダイバーシティ、LGBTだ。E大使殿は建国の父だ、銅像を建てよう。

冗談に聞こえるだろう。しかし「冗談と思っていた」という日が来たときには日本はすでに消滅している。絵空事ではない。なぜなら、現実にそれが1868年に起きているからだ。

日本人は着物にちょんまげ姿で草履をはき、武士は刀をさして歩いていた。

それが、あっという間にスーツにネクタイ、革靴になった。

良くいえばフレキシブル、しかし、ある意味でまったく節操がない。我々はこんな軽薄な民族だったのだろうか?

日本人が外圧に弱いのは今に始まったことではない。まず白村江で大敗し唐軍に征服されている。渡来人を招いて文化を流入させたと美化されているが、朝廷皆殺しかの激震が走ったろう。唐が滅んで平安の世となるが強者崇拝で漢文、詩歌、仏教がセレブの教養、権威の象徴となる。その崇拝対象物が黒船来襲、英国の薩長砲撃でびびったことで、今度は西欧に移る。その挙句のクーデターが1868年に起き、後に美化され、明治維新と命名されたわけだ。

日本人は平時においては保守的であり、節操がない民族とは思われない。ということは白村江と黒船は為政者にとって人格が変わってしまうほど恐ろしい出来事だったと推察する。だから平安と明治の建国は火事場の馬鹿力とでもいう尋常ならぬ気合が入っており、武力はもちろんのこと、新たな文明文化が花開くほど精神の奥底まで変容が及んだのだろう。その2つに比べれば源平合戦も応仁の乱も戦国の合戦も関ケ原も、所詮は武士同士の内戦であって、異民族侵略で人民まで何をされるかわからない不気味な恐怖はなかっただろう。

さように明治維新の変革のマグニチュードは凄まじかったが、それは米国が南北戦争を終え外に目が向くという、時代が大転換する余波であった。いま、その米国は再度の南北戦争に発展しかねないといわれる分断に見舞われている。その余波が日本に来ているのであり、民主党政権による近来にはない強権的な外圧は白村江、黒船に匹敵するレベルになっているかもしれない。つまり、現政権による米国への見苦しい「面従腹従」をやめさせ、おためごかしの政権交代は打破し、先例を凌ぐ尋常ならぬ気合で戦後体制を革新するぐらいの政治改革が必要だ。

もしトランプになるならそのチャンスがあるがリスクもある。彼は利に敏いディール屋だ。好敵手なら四つに組むがヘボと見れば相手にしないストレートな男とみえる。安倍晋三なき後の政治家で誰がトランプを御せるだろう?その人間に日本の命運がかかっている。申しわけないが現首相ではバイデン以上にやりたいようにやられて**の毛まで抜かれ、日本はさらに凋落の途をたどる予感がする。

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Categories:政治に思うこと, 若者に教えたいこと

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