Sonar Members Club No.1

カテゴリー: SMCについて

クラシックは「する」ものである(3)ーボロディン弦楽四重奏曲第2番ー

2014 AUG 3 12:12:14 pm by 東 賢太郎

 

サン・サーンスの白鳥と言えば思い出があります。

94年ごろでしょうか、フランクフルトにいた頃、SMCメンバーである二木君が野村ドイツの同僚で、拙宅にお招きして食事をしました。さんざんワインが回ったところで彼がピアノが弾けるとわかり、それはいいすぐやろうと地下に引っぱっていっていきなり伴奏頼むとその「白鳥」の譜面を渡しました。二木は覚えてないかもしれないが、あんまり知らないんですが・・・といいながらも初見でそれなりに弾いて(すごいね)、僕はというともちろんチェロを気持ちよく弾かせてもらいました。

でも歌うんでもいいんですよ。声よりチェロの方がちょっといい音が出るんで楽器を持つだけでなんですから。もちろん速いパッセージは歌は限界があります。だけど歌うことのできるチェロの名旋律はたくさんあるんです。たとえば、これも歌えますよ。裏声になるがこれが美しく歌えたら最高の気分になれます。ボロディンの弦楽四重奏曲第2番第3楽章「ノクターン」です(これも有名曲ですね)。

伴奏に回るところの低音部もしっかり楽譜を見て歌ってください。要はこのカルテットのチェリストになりきることです。

譜面が読めない?大丈夫です。音が取れなくても一番下のチェロパートを目で追えますよね。この曲はゆっくりだしそれがものすごくわかりやすいんです。チェロを聴き分けてそのメロディーを耳で覚えちゃってください。チェロだけ聴くんです。

目が不自由な音楽家の方は普通は点字の譜面で覚えるそうですがピアニストの辻井 伸行さんは右手と左手を別々に耳で聴いて覚えてしまう。楽譜は使わないそうです。そんな記憶力は普通の人にはないですが、この曲ぐらいなら誰でもできますね。

ちなみに、そうやってパートを聴き分ける練習をすれば必ず耳が良くなります。同時に鳴っている音の仕分け能力がつくんです。それに強くなれば交響曲のような複雑な曲を聴いても楽器の聴き分けができるようになります。

そうすると曲からの情報量がぐっと増えるから、いいことがあります。その曲がもっと楽しめる?そうですね、それもありますがそれだけではありません。増えた情報がマーカーとなって曲を早く覚えられるようになります。これが実はクラシックのレパートリーをどんどん増やしてくれる、つまり通になる近道なのです。

ワインだって日本酒の利き酒だって、飲んだものを覚えてないと次のと比べられませんね。覚えるには特徴をなるべくたくさん見つけておくのがいいですね。それと同じことです。カルテットのような、音の少ない曲から練習して、だんだんと編成を増やしていかれるとコツをつかむのに効果があるでしょう。

楽譜にアレルギーのある方もきっとおられると思います。でも所詮は記号だからパソコンの文字とキーボードの関係と同じです。恐れることはありません。楽譜を見ながら聴くと、情報量はますます増えますから、ますます早くますますたくさんの曲を覚えられるのです。そんなにご利益があるんです。チャレンジし甲斐があるではないですか。

次回は天下の大名曲、モーツァルトのクラリネット五重奏曲を使って、和声についてもう少しご説明をしましょう。

 

クラシックは「する」ものである(4) -モーツァルト「クラリネット五重奏曲」-

 

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世界のうまいもの(その9)-スコッチのブローラ21年と竹鶴35年-

2014 JUL 17 12:12:29 pm by 東 賢太郎

僕は酒の味について文章を書く資格がある人間ではありません。アルコールは弱くて、ビール一杯で赤くなります。よく経済的ですねといわれますが、赤くなっても人並み程度の量はいけますから、悲しいかな実はそうでもありません。

ボルドーでワインテースティングを初めてしたとき、どうしていちいち吐き出すのかな汚いなと思いました。酔うと味覚、嗅覚の感度、記憶が薄れるためだそうです。僕の場合、吐き出してるのにもう5種類目ぐらいで気持ち良くなってましたからソムリエは無理であります。テーブルで白が終わって赤にさしかかるころにはだいたいの場合もう終わってます。だから、機会が多かった割には経験値が少ない、要は酒の味はまだよくわかっていないのではないかと思うのです。

そんな程度でも、ロンドンに6年住んでいてシングルモルトを嗜んでいましたなどと書くといかにもわかった風にきこえてしまいますね。そういうことはまったくなく、生ぬるいビールはまずいし当時の安月給ではいいワインなんか高嶺の花だったので、消去法で地元のスコッチになっていただけであります。

broraここからの拙文は何卒お許しいただき、通の方にはそういう前提でご笑納いただきたいのですが、そんな僕のちょっと記憶に残っている酒がブローラ(Brora)なのです。酒精を愛でる語彙は小学生なみでお味はうまく書けませんが、ハイランド独特の枯草風くさみが強めで、鼻につんと広がって、とにかく個性のボルテージが高い・・・さっぱりわかりませんね、みっともないのでやめときましょう。僕は発酵食品好きで納豆から鮒ずしまで全部OKで、スコッチもこういう臭み(というのかどうか?)やアクが強い個性派が好みです。もう一つこれが気に入ったのが、当時吸っていた葉巻と臭いもん同志で合うんです。

この酒は北ハイランドにある醸造所が83年に閉鎖されていてもう市場在庫しかありません。2005年に投資家訪問でエジンバラに行ったおり、どうしても懐かしくて欲しくなって、店にあるだけくれといったら1982年の21年物が3本出てきたので全部買いました。これは証券マンの本能ではなく、思い出の酒を純粋に飲みたかっただけです。

ところが今年、ジョニーウォーカーを有する世界最大のウイスキーメーカー、ディアジオ社が出した「ブローラ40」(40年物)の売値を見たら1本6,995ポンド(約122万円)で仰天してます。最も高いウイスキーだそうです。これは21年ですがそれでも調べると買値の10倍ぐらいになっていて、株よりいい投資でした。もちろん売る気など毛頭なく、飲みます(2本ある)。ただ、いずれ世から消えてなくなる味かと思うと切なくてどうも飲めません(貧乏性です)。一人じゃもったいないので、いずれ何かの機会にSMCメンバーで開けましょう。

nikka
もうひとつ、これは国産。お客様からいただいたニッカ・ウィスキー「竹鶴35年」です。なかなかよろしくて、ちびちびやってました。ところが先日、最後の一献をかたむけようとふとラベルに目をやると、「ボトルナンバー0229」 とあって、なにやらただ者でない風情が・・・。調べると1000本限定リリースで、ウィスキー評論家の土屋守さん曰く 『これぞ僕が「もう一度飲みたい」と切に願うウィスキー』なるものだったという恥ずかしい事実が判明。お値段も仰天もので、最後の一献はやめて安物の方に変更・・・。猫に小判とは猫に失礼であり、下さった方には不明をお詫びするしかありません。これとブローラと、どっちが先になくなるんだろう?

(こちらへどうぞ)

世界のうまいもの(その8)-アスパラとラインガウのワイン-

 

 

 

 

 

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株式道場―百年安心年金の怪ー

2014 JUN 3 23:23:43 pm by 東 賢太郎

僕は年金会計の専門家ではないので、年金の所得代替率が2009年時点で50.1%しかなかったことの是非を検証することはできません。それはその数値が今後の我が国の実質経済成長率、労働分配率、出生率など種々の前提条件をどう仮定するかに依存するからです。

現状でわかっているデータは年金給付総額49.8兆円であり、年金保険料が30.2兆円、国からの財政支出が12.9兆円です。ということは、足りない 6.7兆円は積立金が取り崩されているということです。消費増税分の3%でもそれに足りません。それを補うには①さらなる増税②保険料徴収期間の延長③給付開始年齢の引き上げ、以外に策があるとは思えません。

ところが④があるようなのです。それは年金の運用利回りを100年間にわたって4.2%にすることです。政府はそう言っています。

一応30年金融証券の世界で飯を食ってきた人間として書きます。どうせつくならもう少しマシな嘘をつきなさいよということです。

皆さま、銀行預金や国債は絶対に安全と思っておられますか?政府が経済成長率や日経ダウや年金運用利回りを押し上げたり鶴の一声で決めたりできると思っておられるでしょうか?自由主義経済でそんなことは100%あり得ません

断言します。国債利回り(「リスクフリーレート」と呼びます)が10年で0.6%しかない国の通貨(「円」ですね)で、それを3.6%も上回る運用利回りを1世紀も継続できる人が現れたら、ジョージ・ソロスはおろか、ノーベル経済学賞学者はおろか、人類史に永遠に刻まれる奇跡をおこした全能の神として世界中に巨大神殿が建造されるでしょう。ブッダもキリストもアラーもその前にひれ伏すしかありません。それを正気で言う人の正気を心配しますし、我々金融業界はバカであると愚弄しているのではないかと憤りすら感じるのです。

円ベースでリスクフリーレートを3%上回る利回りを3年続けただけで「運用のプロ」として生きていけます。5年なら「運用をお願いしたい」というお金が黙って数百億円集まります。10年続けられたらイチロー並みの天才として世界プロフェッショナル運用業界の殿堂入りは確実です(そんな人はまだいません)。それを100年???笑うしかありません。

頭脳明晰な官僚がそれを知らないはずはありませんから、④は実はなくて③しかないのが真実だということを賢明な皆さまは覚悟されるべきなのです。だから「自分年金」を作って老後の安定を図るしかありません。何でもかんでも国におまかせできるという幻想は、政治家の票集めと官僚の仕事作りのためでしかないという大人の認識をお持ちになることです。

自分年金とは何か?老後の安心資金を「どう儲けるか」ではなく「どう確保するか」「どう守るか」ということがその意味です。僕はそういう立場でプロとアマのお客様両方から料金をいただいてアドヴァイスをすることを本業としています。SMCでは設立趣旨から株式市場全体のお話しだけにとどめ、個別銘柄の推奨のようなことは差し控えますが、申し上げたいことは非常に明確ですからぜひ文脈からそれを読み取っていただき自分年金作りのご判断のお役にたてていただければ幸いです。

 

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「ネット人格」性悪説は必ず増える

2014 MAY 28 0:00:32 am by 東 賢太郎

裁判中に迷彩メールを仕組んで勝てそうな裁判を棒にふった男がいました。だまされた弁護士さんが同情されるほどの真っ赤な嘘でありました。「嘘でした」と悪びれる様子もない被告に、なにか気味が悪い違和感を覚えるシニアの方は多かったのではないでしょうか。

SMCは記名式、顔写真つきのブログが大原則ですから匿名会員はお断りです。それでも僕自身、ブログを書いていると、ときどき「ここまで書いて大丈夫だろうか」と迷うことがあります。匿名ならもっと楽に書けるのにと思うこともあります。ですから、匿名で誰もが気軽に意見を発信できる世の中になったのは、それが苦手な日本人にとっては基本的に良いことであります。

ただSMCをそれをしません。それには理由があります。自分は安全な場所に身を置いて好きなことを言うのは、野球場の外野席でヤジを飛ばすのと同じです。ヤジに責任は問われない代わりに選手がまじめに聞くわけでもなく、それで試合がどうなるわけでもありません。ところが記名式ブログは、ささやかながらも自分の信用をかけています。ネットに的外れなことを書けばそれが世界中に中継されるのですから考えようによっては恐ろしいことで、社会に相手にされなくなるリスクもあります。

ところが、ここがブログを1年8か月書いてみて驚いたことなのですが、リスクを負って書いているということを評価して下さる方も世間にはたくさんおられると感じます。どうしてかというと、自分が明明白白に自らをさらけ出して、ご批判を受けるかもしれないほど旗幟鮮明に書いた投稿がいつもアクセス数が多い傾向があるからです。その評価にお応えするのは人としての礼儀ですから、野球でいえばヤジではなくグラウンドでサインを出しているぐらいの気持ちになってきます。この気持ちが自分を鼓舞してくれますし、書く内容もだんだん高めてくれる、つまり自分が常に勉強して進歩し続けることができるという気がいたします。

自分の顔を隠してものを言う人だったあの事件の被告は、たぶん初めて実名でメールが社会に公表された経験をしたのだと思います。しかし逮捕前のTVインタビューでもはっきりと実名で自分の意見を言っており、嘘がばれてからも取り乱した様子もなく、そんなに度胸があるのならなぜわざわざ匿名でそんなことをする必要があったのか?という点がわかりません。ここにネット社会が産んだ、単に愉快犯とだけ呼ぶことのできない特有の深い病巣があるかもしれません。ネットという道具が頻繁に人間と接触することによって、人間の方が何らかの影響から精神的に変質してしまうということです。

例えば「ネット人格」という言葉があります。リアル社会では正直者なのに、ネット上では平気で嘘をつけたりするような分裂人格のことです。顔を出して「明明白白の立ち位置」になればそれはできません。匿名がそれを産みます。米国ではこの匿名発言者による意見や宣伝は価値を失っているという指摘があるそうです。ネットを利用して世の中に思い通りの影響を与えようというネット人格の出現で、ネット人格そのものが「性悪説」で見られる傾向が出ているということです。匿名で人をほめたりけなしたり、何かをおとしめたり宣伝したりという行為はのっけから「眉唾もの」とレッテルを貼られて何の社会的影響も与えられなくなっていくということです。ある意味当然のことで、ネット社会が成熟期に向かえばますますその傾向が顕著になると思われます。

ということは、ネットという強力でグローバルな媒体は宣伝に使うのではなく、まず信用を築くことに使うべきだというのが僕の持論です。おかげさまでSMCは徐々にですがその方向に向かっていると思われますし、個人だけでなく企業のSNSというものも、自社製品宣伝の場であるよりは自社の社会的信用を作る場であっていいということです。短期的な利益を求める会社ではそのようなSNSは株主総会で真っ先にコストカットの血祭りにあがるでしょう。ですから、今やほとんどの日本企業がお手本とする米国型企業統治の会社ではなく、伝統的な日本型経営ができる土壌の会社には大きなチャンスが到来していると考えております。

 

(こちらへどうぞ)

 

ネット民をなめたエンブレム問題(全面改訂済み)

 

 

 

 

 

 

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新メンバーのご紹介

2014 MAY 19 0:00:36 am by 東 賢太郎

先月にメンバー(GMC)になられた唐澤宏毅さんは、僕がドイツに赴任していた時代にやはり日本企業派遣でご赴任されていた方のご子息であります。わが家の娘2人の真ん中の年で当時はまだ小学校低学年でした。当時のなつかしい写真などを見せてくれて、へえあの子がとびっくりなのですが、今や MARK.Kという名前でエレクトロニック・ダンスミュージック(Electronic Dance Music)というジャンルで欧米で名を知られる作曲家なのです。

彼のアルバムはi-tuneで売っていますから大変なことですね。タイトル数もかなりあります。i-Tunes Storeを開いて MARK.Kで検索できますし、SMCの彼のサイトからもそこへ入れますから是非聴いてみてください。面白いです。日比谷高校ではオーケストラでヴィオラを弾いていたそうで、僕のストラヴィンスキーなどのブログを読んで関心を持ってくれたのがきっかけです。ダンスミュージックも現代音楽の一ジャンルですし、クラシックの素養があってこそだと思います。音楽への熱い思いを語ってくれましたが、それは僕と共通の部分が多く、大いに将来を嘱望しております。

次に、今週からメンバーとしてNY在住の是枝さんが参加されます。7月まで大学で勉強されてから事業を志されるという大変エネルギッシュなビジネス・ウーマンであります。そういう方こそSMCは応援したいわけですが、ご自身が広い人脈をお持ちであり、さらにブログという場を活用してコミュニケーションと信用の輪を大きく広げられれば良いと考えております。

唐澤さんも是枝さんも大志を抱いてビジネスに取り組まれるのは大変結構で、いいトシの発起人自身も大いにやっているわけですが、これからのネット社会における事業で大事なのは宣伝ではなく信用だと思います。ブログは商品やサービスの宣伝の場ではなく、自分を世の中にディスクローズする場という考え方です。自分を隠すようでは信用はされません。信用されないような人が何を売ってもやっても、たいしたことはないのです。自分という人間をアピールするもよし、信念心情を語るもよし、とにかく、自分に興味を持って下さる方を探すことです。書くコンテンツは二の次なのです。興味のない人の朝飯や犬の写真を毎日見てくれるほど閑な人はいません。

僕はもう世の中は急激に変わっていて、個人の信用というのは職歴やタイトルや学歴ではないと思っています。それらはリアル社会での信用なのですが、それがどんなに立派であろうと、政治家だろうが首相だろうが、私のブログは100万人が読んでますよといわれればビビって体が硬直するしかない時代だということです。そこまでいくと歩く朝日新聞か週刊ポストみたいなもんですからね。それを悪用さえしなければ、そういうものが広い意味での信用力となって社会のお役にも立てるようになってくる。その範囲で社会のお役にたつようなビジネスをやればいいのです。

これはネット時代しかあり得ない、つまり、人類が歴史上経験したことのない新しい時代が幕を開けているのだという確信が日々高まる毎日であります。

 

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京都にて

2014 APR 5 7:07:10 am by 東 賢太郎

昨年に引き続いてSMC京都トリップに来ておりましす。メンバーのよしみで梶浦社長に無理をお願いし、今年も通常ではないアレンジになったようです。桜はややピークを越しましたが十分間に合いました。六波羅蜜寺から平清盛にまつわる寺社などをまわり名所で花見をしてから梶浦おすすめのフレンチへ。京都は居るだけで気分が変わり、気宇壮大な気持ちになります。詳報は追っていたします。

 

 

猫の手も・・・・・

2014 JAN 24 20:20:09 pm by 東 賢太郎

明日の土曜日は名古屋でまた別案件の会議が急遽入りました。日帰りではありますが・・・。本業以外に5つの案件が同時に動き出しており、僕の身は一つなのでかなりてんてこまい、猫の手も借りたい事態になってきています。社外の援軍に助けていただくことになりそうです。ソナーは昨年に50-50のジョイントベンチャー(LLP法人)を某会計事務所と設立していて1案件はそのパートナーと作業を住み分けできますが、その他4つは僕個人が動かないとどうしようもなく、ソナーが単独で負うしかありません。無責任にお引き受けするつもりはないので時間配分を慎重に決定する必要があり大変悩んでいます。来週あたりに僕が主導することになる一番大きな案件のための会社が資本金1億円以上で設立され、成り行き次第ではすぐにニューヨーク出張です。こんな有難い事態は人生何回もないでしょうし、5年後には体力的にもう無理だろうから全力でやろうとは思います。それでもSMCブログは必ず時間を作って懸命に書きますのでなにとぞよろしくお願い申し上げます。

 

人の相性についての僕の考え

2014 JAN 22 22:22:10 pm by 東 賢太郎

英語のケミストリー(chemistry)の意味は「化学」ですが、「相性」の意味でも使われます。その昔、西洋では人間は四大元素でできていて気質はその四つの元素の配合比率で決まると考えられていたそうで、その比率の同じ人どうしは気が合う、だから「ケミストリーが合う」と表現するようになったようです。友達を見ればその人が分かるといわれる理由もそれですね。フモール(humor)も同じで、ギリシャ語の液体という意味ですが、人間を組成するフモールの比率によって性格が決まるという考え方が根底にあります。やがてhumorはユーモアという意味になります。「何を面白いと思うか」はその人の性格を物語るという含みは残っていて、どんなジョークを言うか笑うか、要するにsense of humorで人間性を推しはかる傾向が西洋人にはあります。

性格、趣味、嗜好、考え方、人生観が近い人とは一緒にいて楽しいものです。ただ、そういう人と一緒に仕事をするのがいいかというと必ずしもそうではありません。組織力を発揮するには能力、タレントの分散が必要だからです。しかし仕事ではなく、人生を有意義に楽しく送るということだけでいえば、「合う人」は誰にも重要です。一般にいう友達というのは基本的に合う人のことなのですが、全部の友達が「すごく合う」わけではありません。「嫌ではない人」でも友達になれてしまいます。しかしすごく合う人は世界にものすごく少ない、というのが僕がこれまで生きてきた結論です。Facebookで返事が来たらお友達という軽い世界ではないと思うのです。英語で

A friend in need is a friend indeed.

という諺があります。いい言葉です。「本当に困ったとき、必要なときに力になってくれる人が本当の友達だよ」という意味です。そうでないのは友達ではありませんし、友達でない人脈など苦労して作っても何の役にも立ちません。一万人のオトモダチより一人の友達なのです。そういう人は多くないのだから、自分から積極的に手を打たなくてはお会いできない。ご縁だけ待っていてもだめです。ものぐさな僕がブログを書いてみたいと思った動機は「すごく合う人=友達」を探す長い旅路の準備だからです。

そのためには、自分をまず正直にディスクローズ(開示)する必要がどうしてもあります。フモール(ユーモア)と同じことで、他人を知るにはその人の「エピソードの集大成」として知るしか手はないでしょう。だから、こういう時に喜・怒・哀・楽を感じた、こう行動した、こういう成功や失敗をしたというエピソードを書くわけです。それも自分という人間の個性である部分はあからさまに、どんなにそれがとんがっていようと恥であろうと、事実を開示しなければそもそも書く意味がありません。そしてそのとんがった所に反応してくださった方こそ、僕の探し求める方ではないかと考えているわけです。事業を共同してやる人も、後継者ですらそこにいるのではないかと信じます。

その方がどういう人かはまったく関係ありません。小学生の坊やであっても僕は真剣にお会いしたい。四大元素の比率が同じというのは、それぐらいレアで貴重なことであり自分の子どもだから必ずそうとも限りません。そういう子には聞かれればなんでも何時間でもお教えしてしまうでしょう。例えばですが音楽の和声というものに僕は尋常でない興味があり、長年固執してますからポップスならピアノやギターですぐ和声付けができてしまいます。やって見せるとどうしてと聞かれますが誰でも3時間でできます。そういうとんがったことが僕と同じぐらい好きな人であればお教えしたくてたまらない。しかしただのノウハウとして、ただの好奇心でならノーです。同類でない人とそういう飯のタネでもないことを共有する時間はもうないです。

そういう目的で僕はブログで独断と偏見をぶちまけています。だから赤の他人のそんなものは何か同類項でもないと読む気もしないでしょう。お読みいただける方はですから僕と何かの同類項をお持ちの方ではないかと想像申し上げる次第なのです。データを見ると、読者がどなたかは知りようがありませんが何で検索したかはわかります。たいそう驚くのですが、嬉しいことにとてもニッチな単語でお入りいただいている方が多くおられ、1年以上も前に書いた拙文がこまめに読まれていることがわかります。そういう方に僕は大変関心があります。

一日10人も読んでくれれば上出来だよといわれて始めましたが今はだいたい200-300人、多い日は700人も来てくださいました。10人というのは「ブログを作ってみたがぜんぜん読まれなくて・・・・」という方が多いということなのですが、誰だかわからない人の朝食の写真を毎日楽しみに見てくれる人が何百人もいると考えるのは少々無理があります。すると今度は「いい内容にしなくっちゃ」となります。毎日「耳よりな話」や「他人のためになるトピック」がある人などまずいませんから、結局疲れてしまいます。そうやって挫折してしまう人は大変多いように思います。

解決はコロンブスの卵、実にシンプルです。誰でもまず自分という人間を「開示」してみること、世界に向けて「自己紹介」してみることです。簡単でしょう? そういう姿勢でブログを書けば必ず合う人が現れて読んで下さるというのがこの1年ちょっとでの僕の発見です。もちろんお一人でインターネットの大海に船出されるのもいいでしょう。SMCのメンバーになって書けば1人でやるよりは勇気もわきますし効果も高いでしょう。大事なのは何も財界人でも有名人でなくても誰だって「私の履歴書」は書けるということです。今日明日に何万人も読まなくてもいずれ絶対に読まれます、なぜなら「子孫」や「親族」というあなたに興味がある読者が出てくるからです。若い人だって履歴書を現在進行形で実況中継で書けばいいのです。そうするときっと知らない世界が見えてきます。個性に共鳴してくれる人は世界中に必ずいるのであり、その人こそが「友達=a friend indeed」なのだ。僕はここまでの実体験としてそう信じます。

 

 

安倍首相の靖国参拝について

2014 JAN 13 16:16:20 pm by 東 賢太郎

TBSニュースによると1月の安倍内閣の支持率が前月比7.9ポイント上昇して62.5%になったようだ(JNN世論調査)。14.4%と日経ダウなみの急上昇といえる。発足以来、アベノミクス強行、憲法改正論議、消費税増税の履行と当座は国論を二分する政策を仕掛け、1年強を経て過半数の支持を得ているうえに上昇というのは注目される。

僕が重要と思うのは、特定秘密保護法案の衆院強行採決と国家安全保障会議設置法の成立だった。後者は首相と3閣僚(官房長官、外相、防衛大臣)の4名が日本の安全保障問題をめぐる決定を専管できるということだ。前者に対する野党の反抗が一蹴された如く、後者の決定に対する国会の監督もそうならないとの保証はない。

この緊急事態に内閣支持率は低下するとの予測が当時はあったが、現時点でそうはなっていないというのが今日のTBSニュースの重要な意味である。しかも、その事態には続編があった。首相の私人としての靖国参拝である。

一国の元首が自国の戦没者を慰霊するのはあまりに当然というのが僕の立場である。サンフランシスコ講和条約禁止事項ではなく戦勝国、敗戦国は関係ない。従って、政教分離さえ担保されておれば私人か公人かは関係なく、靖国がだめなら米国大統領のアーリントン墓地参拝もやめていただくしかない。他国の祭礼行為を公共のメディアで公然と非難しているのは国連加盟国193か国の約1%に当たる2か国のみである。

同調査によると日本国民の48%は靖国参拝に反対し、42%が賛成であった。反対者の70%、つまり全国民の33.6%が「外交的な配慮に欠けるから」と答えている。しかし彼らに聞いてみたい。「外交的な配慮」とはいったい何であるか?国家の外交とはフレンドシップの確立や維持ではない。国益を得る冷徹な打算以外の何ものでもないのである。その配慮が何の国益を生むのかという当然の問いである。

大方の穏健派は「経済関係」と答えるだろう。しかしそれとても冷徹な打算の関数でしかない。温情やフレンドシップで日本製品を買ってもらっているわけではないのである。個々の企業のミクロ的事情はあるが、国家レベルで見れば2か国の売上げが仮に低下しても日本経済が沈下するだろうとは誰も思っていないことは、世界の全ての意見の総和である株式市場がそれ以後も微動だにしていないことで証明される。

安倍首相は参拝を、二度と戦争を起こさないためと説明している。一部暴徒と化した日本軍の非人間的行為はあったのだろうし、戦時だったから、どこの国の軍もしたことだからと正当化できるものでもないことはその子孫である日本国民は認めねばならない。その犠牲になられた外国人の魂も尊ばねばならないし、そのための適切かつ客観的な近代、現代史教育は必須のものである。

それを棚上げして靖国だけという精神は21世紀において日本が世界のリーダーになる機会を阻害するだろう。なぜ地政学的にはアジアの辺境国にすぎない日本がそうなるかもしれない時勢にあり、1400年も一国を存続させた日本モデルが恒久的世界平和に資する可能性があるかという主張を自ら否定してしまうからだ。それは靖国参拝を拒む以上に非国民的行為だと言わざるを得ない。

安倍さんは「美しい国」ではなく「世界平和を望む国」をモットーとした方がいい。世界平和を望まない国が仮に出てきたとすれば、世界を敵に回すことになる。彼はそれを推進する政府である。その政府を規制する憲法を守り、それを監視する国会がその方針を国策として施行出来るよう導くのは我々国民以外の何ものでもない。2国がその国民が信用できないのだと主張するなら、残念ながら今の僕はそれに全面的に反論するすべがない。SMCにおける僕の主張は、全てがこの点に集約される。

日本国民が好戦的だという主張は科学的根拠がない。あるなら示してほしい。戦争warという単語はあっても防衛戦はdefensive warと形容詞をつけなくてはいけないのは西洋に防衛戦という概念がない証しである。つまり彼らにとって好戦的なのは自明であるのだ。その自国より強くて勇猛であった、したがって日本はもっと好戦的であるという三段論法は武士道をはじめとする日本文化や精神への侮辱であり、あからさまな無知に基づいていると僕は思う。

これからの日本人はそういう無知の不利益を自らグローバルに発信しなくてはいけない。政治家、官僚、民間人を問う話ではない。自らの立ち位置を歴史観に基づいて冷静に観察し、1400年というカネでも武力でも獲得することのできない文化の特殊性、有用性を世界にアピールしなくてはいけない。

そのためにも特定秘密保護法案と国家安全保障会議設置法の成立は、僕はことさらに反対するものではないことを明確にしておくが、当面は下火である憲法改正論議とともに運用をウォッチすべきであり、国民のコモンセンスこそが問われるべき重要なポイントである。国際常識ある国民の祭礼行事が他国に批判されることも、国際常識に照らしてあるはずのないことなのである。

 

 

 

 

新プロジェクトに挑戦する

2014 JAN 9 21:21:50 pm by 東 賢太郎

「自分史の書き方」を読んで面白いと思ったが、足腰がたたない老人になってから回顧録を書くというスタイルは僕には合わない。現在進行形にしたい。半生記の継ぎ足しでライブ中継し、人生ゲームオーバーになったらそれが全生記になってるというのがいい。SMCは西室の邪魔をしないように、そういう場にもさせていただければと思う。

2010年に独立するまでの人生で、社長ポスト2回と副社長ポスト1回のお誘いを受け、やらなかった。社長は1度、副社長は1度、取締役2度、執行役員2度、拠点長3度、業務部門長2度はやった。しかし経営者としてのトータルの自己評価は30~40点ぐらいだ。

やらなかった3つの理由は簡単で、自信がなかった。負けそうなケンカは僕はしない。その一つは今ならやりたい、恐らく誰でもやりたいすごく魅力的なポストだが、当時は弱冠49歳であり、やってもきっと失敗しただろう。他の2つは受けなくて正解だった。ではやったものはどうかというと、成功より失敗のほうがずっと多い。

失敗の原因は今となると明白だ。僕の性格の独裁制、完全主義、短気、なめる、飽きっぽい、詰めが甘い、わきが甘いなどだ。これは生まれつきの部分と証券業界でついたクセの部分と両方ある。後者の方はおおきい。拙文を多くの野村の元同僚、先輩後輩がよむことを承知で書くが、僕は証券営業分野でプレーヤーとして他人に負けたと思ったことも負けると思ったこともない。だから、やりゃあいいんだろという基本スタンスになった。それが通用しなくなったのはそれを卒業してマネジメントになってからだ。

野村に入社して配属された梅田支店で、当時あこがれのスターだったT次長という人がおられた。公私にわたりご指導を受けた恩人である。後に某証券会社の社長になられたそのTさんが、新人の僕にこういわれた。「東、他人の2倍ならやるな。やっかまれるだけだ。10倍やれ。誰も何もいわなくなる。」 これは後になって実際に正しいことがよく分かった。以来、証券マンとして僕の不動のモットーとなった。

しかし、これはワンマンショーのプレーヤーとしてならワークしたが組織の長になるとむずかしい。どうしても落伍者が出る。本人は懸命なのだが目標が高いとそもそも無理という人が増える。サラリーマンは部下を選べない。人事部が全社的事情で送り込んできた、それに向いていない人でも使うしかない。彼らも夢や希望があるが、それは僕の10倍ビジョンの一部ではない。だから幸せになれない。

となると、9割が普通のサラリーマンから成る組織では僕も幸せにならない。業界がデフレで赤字続きになると、会社にしがみつく人は9割どころか99%になる。僕には彼らと一緒に生き残るために毎朝会社に来て意味もない会議をくりかえす忍耐力はない。すると結局全員が不幸になる。だから僕はそこにいない方がウィンウィンという当然の結論になる。

つい昨日と今日、年明け早々に、非常に面白いプロジェクトをやらせていただく有難いお話が立ち上がった。これは金融だが証券ではなく、僕の未体験分野である。しかし背景となる分野はもともとが理系である僕にとって大変興味深い。そして世のため人のためになる。そして何より、スケールが莫大に大きい。いままではいただいた話ばかりだったが、今回は人生で初めて自分からやらせて下さいと申し出た。

ここで思い起こすことは、ささやかな体験だ。もっとさかのぼる。ゴルフや野球は欲がなくてひょうひょうとやったら意外に良かった。完全試合やるぞ、70台出すぞと力んでいつもだめだった。結果オーライだったのはそうでないときだ。今回はそういうスタンスで行けそうな気がしている。知らない分野だから勉強は大いに必要である。それについても、大学受験のときなみにやってやろうと決めた。当然ひとりでできる話ではない。社員と知己に助けていただくことになるだろう。本日は決意表明まで。

 

 

 

 

 

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