安楽投手 投げすぎないように
2013 AUG 6 1:01:01 am by 東 賢太郎
アメリカで「日本の高校生ピッチャーは投げ過ぎ」のレポートが出ているそうです。
済美高校の安楽智大投手。今年春の選抜大会を5日間で4試合に先発し、1試合当たり平均135球投げました(大会中9日間で計772球)。米国の有力代理人からの「高校生投手の場合、95球以上投げさせてはいけないし、中3日以上の間隔を開けるべきだ」という意見や、「772球は平均のメジャー投手が6週間で投げる球数だ」というデータなどを出して比較しているそうです。
僕は高2の夏の大会前に肘(ひじ)を壊しました。よくは覚えていませんがそれまで毎日200球ぐらい投げ込みしていて、ある練習試合中にカーブを投げて異変を感じました。腕を伸ばすと激痛がはしりバットも振れなくなって大会を棒にふりました。これはしばらくして治りましたが、今度は肩をやってしまいました。肘をかばって投げていたのが肩の負担だったらしく、ボールは2メートルも投げられなくなりました。1年生で1だった背番号は14に降格。家で悔し泣きしたほどつらい思い出です。こっちは結局完治はせず、今でもある角度に曲げると痛いままです。
当時は真夏の炎天下に一滴も水を飲ませなかったりウサギ跳びをしたりと今では考えられない不合理な練習がまかり通っていました。毎日皇居一周(約7km)というのもきつかったです。あれだけ滅茶苦茶に鍛えられましたから今でも熱中症だけは大丈夫ですね。しかし僕みたいに体重60kgぐらいのきゃしゃな体(今は見る影もなし!)であの投げ込みは所詮ムリで、あの肩痛で僕の投手生命は終わってしまいました。それからも投手でしたし野村證券に入社してからの野球ではそれでもエースでしたが、高1のときの球威とはもはや別人でした。
今回のアメリカさんの報道は正しいと思います。投手をやる人は闘争本能が強いし投げるのが無上の快感なので、誰かが止めないといくらでも投げてしまうと思います。ときどきマウンドに立っている夢を今でも見ます。それは高1までの健康だったころの姿です。もし神様が3つ夢をかなえてあげるといったら、そのひとつはそれです。
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中島 龍之
8/6/2013 | 3:07 PM Permalink
春の選抜大会の安楽投手みていましたが、決勝は、やはり体力が尽きたように思いました。良いコンディションで投げさせたいですね。ただ高校野球大会のスケジュール上、やむを得ないのでしょう。また、複数の投手が必要だと、エースが一人の公立校と、エース級2、3人集められる常連の私立高とでは差が出てしまいますので、対応策は難しいですね。