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安心してトシヨリになりたいですか?

2016 APR 10 21:21:50 pm by 東 賢太郎

ソナー・アドバイザーズのHPにこういうブログを書いたのですが、このことは非常に気になっています。

「音楽なんて道楽だ」という人がいますが、それは一理あります。聞いても一銭のゼニにもならないですからね、余裕はないといけない。そして時間をくうからヒマ人でもないといけない。つまりゼニとヒマの両方がいるのです。

それとこのニュースと関係なさそうですが、実は大ありと思われます。

若者59%が車購入意向なし(日本自動車工業会)

というのは、この「若者」(車を保有していない10~20代)、「これから増やしていきたいもの」として最多の答えが「貯蓄」だったからです。ゼニ、ヒマなければ車に乗る気も音楽を聞く気もしないというのはわかります。

希望する就職先、1位は「地方公務員」

これも根っこは同じと思われます。安定志向ここに極まれりです。こういう世の中になってしまいました。

あれは90年代でしたか、100才ごえで人気者となった双子姉妹のきんさん・ぎんさんに「ご趣味は?」とたずねると「貯金」だったそうです。別に悪いことじゃないですが、もともと縮み志向の国民性です。ゼニに不安があれば安定志向、これは仕方ありません。

そういう空気を感じていたのでSMCにこういうブログを書いたのが3年前です。そこで懸念していたことがどんどん現実になっています。

  若者の欲望が日本を救う

そこで我々はこういうことも知らなくてはなりません。

60歳以上の高齢者支出が消費の半分を占めている(内閣府)

これ、年寄りが5割もか!というニュアンスで伝わってますが、日本の個人資産は65歳以上が6割を持っていますから60才以上なら消費も6割以上ないといけないんですね。「5割しか」と読まなくてはいけませんね。

そりゃあ年寄りは欲が減るからゼニ使わないです。これから高齢者の人口比はもっとふえますから国として消費はもっと停滞しますね。そして限られた若者のパイを「ディスカウンター」(値引き競争で利益を狙う業者)が奪い合うので、またデフレになります。こういう背景があるからマイナス金利でも貸し出しが増えないんです。

これを救うのは若者しかありません。ここで提唱したいのは、

ゼニ・ヒマがある年寄りは元気な若者にゼニをあげてしまおう

という仕組みが世の中にあっていいんじゃないかということです。もちろん税金をとって国家が配分するのがその仕組みの一つですが、自分の意思であげたい人にあげるのはいかがでしょうか、ふるさと納税の感覚で。

奨学金というのは日本の場合ほとんどが返済義務付きです。卒業しても思った就職ができず返せなくて結婚もできない人がいる。これじゃあ出世払いじゃなくサラ金です。返さなくていいですよ、そのかわり審査は厳しくしますよというほうがいいですね。

返さなくていいよとストレートにあげてしまうのが寄付、贈与ですが、そこまで他人を信用はできませんね。もらった若者がちゃんと働いて使っているか、管理の難しさのネックがあります。

そういう現実の諸事情を考えると、

若者に会社をつくってもらい、そこに投資してあげる

という手が一番いいのです。会社ならごまかしができにくく外部から管理ができます。それに寄付、贈与したお金は返ってきませんが投資なら若者ががんばって株式上場でもしてくれれば何十倍になって返ってきます。

それには若者の選別、管理、事業支援が大事になりますが、僕はそういう基盤をソナーで作りたいと思っています。

最後に、若者のみなさんは自分に投資してくれる大人が必要です。それには夢がないといけませんし、自分で手をあげてアピールしなくてはいけません。

「ゼニ・ヒマ・若さ」の3拍子は昔から羨望の対象です。だから若者がゼニを持つと嫌われたし、ゼニ・ヒマの象徴である朝寝・朝酒・朝湯好きの小原庄助さんは身上(しんしょう)つぶしてもらわんと困るし、やっとゼニ・ヒマのできた爺さんは回春を図るんです。

秦の始皇帝だって不老不死の薬を必死に探したんです。若さは特権ですよ。それとも、それは捨ててでも安心してトシヨリになりたいですか?

 
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Categories:______世相に思う, 若者に教えたいこと

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