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N響 ブルックナー交響曲第2番をきく

2016 SEP 25 1:01:23 am by 東 賢太郎

指揮:パーヴォ・ヤルヴィ    ピアノ:ラルス・フォークト

モーツァルト/ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595

ブルックナー/交響曲 第2番 ハ短調

 

今日つくづく思ったのは27番は難しいということ。ここに書いたように、私見ではこのコンチェルトは1788年、「コシ・ファン・トゥッテ」の姉妹作だ。

モーツァルト ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595

しかし、第2楽章の第2ヴァイオリンのあの胸につまされる音階パッセージは何だ?フォークトはドイツ時代に何度か聞いたピアニストだが、モーツァルト、しかも最も難しい27番であえて何を言いたかったのか。音階パッセージをピアノが模す場面はなにかが違う。

僕はウィーンへ行くと必ずモーツァルトが昇天した家に詣でる。そしてそのすぐ前にある宮廷料理人イグナーツ・ヤーン邸の地上階にあるカフェで1時間ほど過ごすのだ。ここに詳しく書いた。

ベートーベンピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品19

27番はこのヤーン邸で、モーツァルト自身のピアノで初演されたのだ。そして、それは彼が公の場で演奏した最後の機会となった。第2楽章、彼の魂が天に登るような変ホ長調。あのカフェで脳裏に聞こえたような演奏はまだない。モーツァルトは本当に難しいのだ。

今日の収穫はブルックナーの2番だ。ヤルヴィになってこういう曲をプログラムに組んでくれる、これはいよいよ日本のクラシック・シーンが欧米水準になるということだろうか。これを覚えたのはハイティンク盤、ショルティ盤、スクロヴァチェフスキー盤だが、細かくは知らないが、今日の版は改訂版とは違うかもしれない。

しかし演奏は期待以上で、レコードでは味わえなかった独特の楽器法の木管アンサンブル、対向配置のヴァイオリンの意味深い対位法、インパクト充分の金管とティンパニなどについてヤルヴィは確信をもって振っており、後期の交響曲とは一味違うむしろ古典的な性格の残る部分をメリハリをもって描いた。この解釈で5番をやったら素晴らしいだろう。

 
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Categories:______ブルックナー, ______モーツァルト, ______演奏会の感想

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