Sonar Members Club No.1

カテゴリー: 旅行

箱根駅伝よかった

2014 JAN 3 15:15:27 pm by 東 賢太郎

東洋大の圧勝でした。設樂兄弟が強かったですね。1区で3位、2区で2位、あとはずっと首位。駒沢は9区の大学界エース窪田までで2分以内ならという目算でしたが東洋大上村に23秒しか詰められませんでした。この上村がまだ2年生なのだから恐るべしです。

その東洋大のモットーが「その1秒を削り出せ」だそうです。いい言葉です。大事にしろでも稼げでもない「削り出せ」。勝負へのおそろしい執念を感じます。そのぐらいでないと世界へは出れません。

世界といえば花の2区で山梨学院大のケニア人オマンバが右足を負傷して無念のリタイアでした。個人技であれば自己責任で飛ばしまくればいいです。しかし襷をつなぐにはリスクは冒せずセーブも必要だからただの競争ではないというところが駅伝です。気の毒でした。6区の山下り、亡きお母さんへの思いを抱いた明大・広瀬は区間新にあと5秒。取らせてあげたかった。

見ていてここにハーバード大学や北京大学も出せば面白いと思いました。柔道と一緒で日本発のグローバル競技にしたらいい。アジアだけでも将来箱根なみに盛り上がれば仲良くなれるのでは。でも伝統のスポーツ、100年かかるかな。個人技でなくチームで記録を作るというのは和を持って貴しとなす日本ならではかもしれませんね。

ここで走る人たちは1万メートル30分前後です。どのぐらい速いのかなと思って自分と比べてみました。高校時代、ちゃんと計った時計は1500m5分15秒でした。これは時速で約17キロ、100mが21秒です。彼らは100m18秒だから、僕は100m走って14m28cm差を開けられる。1500mだと210mおいて行かれます。当時の実感として、差がよくわかります。

僕の全盛期だし二流だけど一応は体育会で毎日皇居1周7kmを走っていて、その5分15秒はクラスで1位でした。しかも1500mと20kmとは13倍も違う。100mだけでいいなら18秒の彼らを抜けますが、そこから距離を徐々に長くしていってどれだけ速度をキープできるかというのが長距離レースです。13倍長くして100mで14mおいて行かれるペースをキープできるというのは!う~ん、やっぱり人間ばなれしていますね。

ちなみに昨年のベルリン・マラソンで世界記録を更新したウィルソン・キプサング・キプロティチのタイムは2時間3分23秒でした。1kmを2分55秒で走っています。これは1万mを29分24秒だから、箱根を走っている上位の人たちとほぼ一緒。箱根は1区間20km程度だから、その2倍の距離を同じペースで走れればマラソン世界記録が見えてきます。それがきっと至難の業なんでしょうね。

今日走った子たちは6年後に脂ののりきった25-28歳。頑張れ。東京オリンピックで金メダルを取ってください!

 

わが温泉考 (Splendid hot springs in Japan !)

2013 DEC 24 17:17:50 pm by 東 賢太郎

温泉について書けるほど知識はありませんが、とにかく好きです。先輩に教えてもらった秘湯ということで2006-7年ごろ岩手、秋田の藤七温泉玉川温泉国見温泉をめぐったのは忘れません。

藤七温泉

藤七温泉は箱根の大涌谷のように地中から硫黄臭の白煙がたちのぼる広大な丘にあります(硫黄は本当は無臭であれは硫化水素臭なのですが、硫黄ということにしておきます)。野趣あふれる白濁湯でした。シャワーのたぐいはなし。なにかお湯というよりも粘土をお湯に溶いた濃厚なクリームスープとでもいう感じですね。病気など吹っ飛ばす大地のパワーを感じました。

 

 

玉川温泉玉川温泉は癌治療で有名ですが、これは強烈でした。源泉は酸性が強くてすぐは入れません。たしか30%、50%と薄めた湯から順番に入り、体を慣らしてから100%に入ったと記憶しています。足に小さい傷があったのですが、それに湯がしみて痛くてたまりません。何とか我慢しましたが、この湯が癌に効くのは酸性が強くて皮膚がやられ、白血球が増えるからだと聞きました。納得です。

国見温泉

 

国見温泉は車で舗装されていない山道をがたがたと延々と登ります。正に秘境の秘湯。こじんまりした湯治場の旅館があってそこの風呂に入れてもらいます。ここで1か月素食して湯治したら10㎏は痩せそうだ。一度是非泊まってみたい。これは鮮やかなグリーンで少々驚きますね。

 

ところでぜんぜん話は飛びますが、人間の血液内には鉄(Fe)があります。鉄という物質は宇宙空間に元々はなかったそうで、恒星の核融合の最終生成物である 56Feが超新星爆発で宇宙空間に飛散した物質です。あまり遠くない将来にオリオン座のベテルギウスでその超新星爆発が起こるといわれています。

宇宙空間には、こうして吹き飛ばされた星の残骸(星くず)が散らばっています。その中に鉄(Fe)が含まれていますし、宇宙の歴史の中でそこでしか鉄は生まれません。水素ガスが引力で固まる時にその星くずもまざった新たな星ができます。そうしてできたものの一つが地球です。そして我々の体は地球の物質だけでできています。だから我々の体内に鉄があり、それは我々の体が星くずでできているという証拠です。

あしのゆ

 

昨日松坂屋の芦の湯温泉(右)につかりながら息子とこんな話をしました。脱衣場の壁に温泉の成分表があります。温泉は熱いので地球の様々な元素が溶け出している。そこが井戸水と違うのです。

 

 

でもそのうちの硫黄は人体に有害な化学物質である。にごり湯の腐卵臭は硫化水素ガスであり、一定量を超えて吸引すると即死に至る。

 

どうして毒なのに人は温泉を好きなのか?

 

「それは科学と矛盾するよ、科学的に答えはないよ」というのが理系の息子の答え。

「そうだね。毒を好きな人はいないと仮定するのが科学だろう。でもお父さんみたいに好きだという人がたくさんいる。これも事実だ。科学には何か限界があるんじゃないか?」

「じゃあその仮説は?」

「例えばだ。人間も地球も元は星くずだ。温泉は「地球のスープ」だよ。人間には星だった頃からみんなおなじみのものであって、旧友同志が磁石みたいに引きあうんじゃないか?」

「確かにお湯につかりたいなら家の風呂や銭湯でいいし。なにかそれ以上の魅力はあるけどね。ただ効いたと思い込むと病気が治るプラセボ(偽薬)効果というのもあるよ。」

「そうだね。でも、自動車の排気ガスのにおいが好きな人がいる。だからこれも毒なのに芳香族というだろう。どうしてそれがいいニオイとプログラムされてるんだろう、人間の遺伝子に?」

答えは出ませんでしたが・・・

 

昨日の大涌谷です。

大涌谷

自分が星でできていて、星だった時代の物質同士が呼びあっていて、自分もスープの中に回帰したくなる。化学だと明らかに「毒」なんですがトータルだと薬になる不思議・・・。遺伝子の記憶、ケミストリー(合う人合わない人)、親と子、男と女、僕と猫、こういうものを科学で解明したら?

1個食べると7年長生きする?温泉卵をつくっています(下の写真)。僕の場合、つい、卵よりもここに裸になってつかった方が長生きできるんじゃないかと思えてくるのです。

温泉卵

 

空のおはなし (今月のテーマ そら)

箱根の休日(Holidays in Hakone)

2013 DEC 23 21:21:31 pm by 東 賢太郎

 

 

unnamed (13)                      箱根で休養して参りました。大の温泉好きなので軽井沢は魅力を感じません。昔から箱根ばかりです。我が家は東京も南なので空(す)いていれば車で1時間というのも最高です。連れは上の娘と息子の2人です。僕は温泉はにごり湯マニアなので強羅温泉芦の湯温泉ということになります。今回は芦の湯の松坂屋さんでした。

 

unnamed (8)                      まず行きがけに江戸時代からある甘酒茶屋で休憩。箱根新道を途中で畑宿の方へ下りて、つづら折りの旧街道を登ると茶屋はあります。ここまで登るともう雪がけっこうあり、午後4時でしたが気温は2-3度だったでしょうか。標高で7-800mはあると思いますから車でも急こう配で、もうこれは昔の人には登山だったでしょう。

unnamed (5)                                            ここの甘酒はほんとうにおいしいです。お土産に買って帰ります。みそおでんはコンニャクでこれも素朴でなかなか。おもちは3種類を注文。いや~江戸時代の旅人の気持ちが分かりました。

 

 

unnamed (2)                    松坂屋さんは箱根でも有数の旅館で皇室の別邸も奥にあります。明治には西郷隆盛と木戸 孝允( 桂 小五郎)が密談した場の石碑もあります。何がいいって、ここの湯質は箱根でも最高であります。硫黄泉でやや白濁ですがアルカリ性というのが珍しく、色は日によって青、緑、エメラルドに変わります。

 

unnamed (7)                                            3名で2室の部屋をとりました。この部屋は角で、すぐ隣に薬師堂があり、江戸時代の文化サロンだった「東光庵」といって加茂真淵や松尾芭蕉が句を作って遊んだ場所があります。こういう場所で寝るなんてのもオツなものです。

 

unnamed (9)                                                          右の写真の古道は東光庵に至る道ですが鎌倉時代からある重要文化財ということで、この旅館は本館から大浴場へ行く廊下をこの部分だけ階段で下げてわざわざトンネルにしています。浩宮様も泊まられるだけあって、こういうところへの気遣いが行き届いています。なお食事は旅館のレベルを超えています。おかみの挨拶もあり今回2泊しましたが飽きることはなく、体重が気になっております。

 

 

unnamed (10)                      疲れ果てていたので翌日は朝食後に風呂へ入るとまた寝てしまい、昼ごろから外出しました。ミシュランで1つ星という「たけやぶ」という蕎麦屋へ。天せいろを試しに注文(右)。せいろが1000円でこれが2400円というのは意味が納得できませんね。まあお味はこんなもんかという程度でした。和食のミシュランというのはだいたいこんなもんです。

 

 

そこから仙石原をまわって、娘にひっぱられてガラスの森美術館へ行きました。これは面白かった。ヴェネチアングラスはそこそこ収集されていて目の保養になります。ヴァイオリンとアコーデオンのミニコンサートも聴きました。

 

unnamed (11)

 

 

ガラスの森美術館のライトアップ前です。2時ぐらいです。後ろに大涌谷が見えています。

 

 

 

 

 

unnamed (4)

 

 

ライトアップ後です。箱根の冬は日暮れが早いです。5時半ぐらいでこれでした。

 

 

 

ここのクリスマスツリーは名物で、gooランキングの「一生に一度、必ず見ておきたい日本国内クリスマスツリーTOP10」の第2位だそうです。ちなみに1位はユニバーサル・スタジオ・ジャパン、3位は佐世保ハウステンボスです。

高さ10m、幅8mとかなり巨大であり、7万5千粒のクリスタルグラスが光り輝くさまは圧巻でした。

unnamed (14)

unnamed (12)

 

                       Merry Christmas!!

 

(こちらへどうぞ)

箱根の奥座敷にて

 

南洋の釣り船に悠久の時を思う

2013 JUN 24 22:22:25 pm by 東 賢太郎

最後の日です。これでミクロネシア・レポートも最終回です。

朝5:15起き。全員で釣りに出かけました。これは6:00ごろ、出航前のボートです。潮の香りがいいですね。

131

夜明け前なのに気温は20度ぐらいでしょうか。このまま海に飛び込んでもいいぐらいのあたたかさです。この島では、お金は一銭もなくても凍死はしない餓死もしない。これがパラダイスでなくて何でしょう?我々は文明国に生まれて良かったと思いこんでいますが、ここの島の人は東京のような都会に住みたいとは誰も思っていないでしょう。凍死しないように大枚はたいて家を買い、餓死しないように毎日あくせく働き、欲望と見栄のために勉強したりお金を貯めたり・・・・

我々の人生、お金や地位を得る無意味な競争のために時間を空費して死ぬだけなんじゃないか? だとしたら文明なんて何の足しになるのか? ここの悠然とした大自然の大きさの前では文明人のはずの僕らなどお釈迦様の手のひらの孫悟空みたいなもんです。ベートーベンの交響曲がどうしたやらベースボールがどうしたやら株式市場がどうしたやら、そんなのはもうどうでもいいなという満腹感に似た感情といいますか、潮の満ち干みたいな大自然の摂理にこころがぴたっと共鳴しているのが自分でわかるのです。こういうことは人生で初めてです。

そんな気持ちをぼーっと一人味わっていると、皆さん、早々とボートに乗り込みました。

132

いよいよ出航です。MRAの紅一点日本人社員、石原嬢も釣りは今日が初めてだそうで少し緊張の面持ちです。まぐろ用と小型魚用の2つのボックス。でっかいですね。ぜったい大物を釣るぞという心意気がみなぎっております。

133

海はどこまでもおだやかです。船酔いの薬を飲んだ人もいましたが、いらないんじゃないかなあ。僕は酔わないので遠慮しました。ダダダダダ、エンジン音も軽快に。ぐーんとスピードが出てくると風が肌にここちいい。右側からいよいよご来光の時間が迫っています。

 

137

皆さん、とくとご覧ください。下がミクロネシアで僕が撮った最後の一枚です。

138

遭難者のカメラにはきっとこういうのが残るんでしょうね。何があったかって?

 

ここから船長は猛スピードで沖をめざして一直線に舟を進めました。やがて珊瑚の環礁から外に出たんでしょう、舟はすごい高波に木の葉のようにもまれだします。いや、甘くみていました。全員、頭のてっぺんから波をぶちまけられて、まるで泳いできたかのようにびしょびしょです。よし、このシーンを撮ってやろう。今回この旅行のために買ってきた最新式のキャノンのデジカメを取り出します。

あれっ、動かない!

押しても引いても何をやってもご機嫌をとっても、ダメでした。海水が入ったんでしょうか。こういうわけで写真はおしまいになってしまったのです。

それでもボートはどんどん進みます。来た距離は例のダイヤモンドヘッドが後ろで遠くに霞んで見えなくなるぐらいで、ひょっとしてこのままチューク島でも行くんじゃないかと冗談も出ました。船長さんたちはぜんぜんしゃべらず、どうしようとしているのか誰もわかりません。ここはサメがいるらしいし、転覆でもしたらまずいなあ、皆さんちょっと不安なのか無口に・・・・。N さんはやっぱり船酔いになってしまいました。と、そうこうするうち、船長さんは無言のままやおら船首を180度旋回して、来た方角に向けて引き返しだしました。糸を垂らしてみたわけでもなく、どういう都合かぜんぜんわからないのですが、なにか残念なようなほっとしたような・・・・。

まぐろはどうもいなかったようです。残念です。きのう子供が小舟で釣っていたのにね。すると赤銅色の肌をした老練な船長は 「マヒマヒを釣るぞ」 とけっこう上手な英語で高らかに宣言するではないですか。おお、さすがだ。臨機応変な判断だ。目だけでそれがわかるんだからすごいよね、一同より称賛の声が上がります。すると2人いる船員が、黄色いプラスチックのロールになんだか無神経な太めの糸が巻きつけてある道具を箱から2つ取り出しました。これを舟の両側から海に垂らして、舟を加速するとマヒマヒが疑似餌に食いつくのだそうです。そこでやおら登場した疑似餌!これの写真が撮れなかったのは痛恨です。七夕さまの笹にぶらさげるボンボリみたいで間抜けな顔をした、たぶんイカのつもりなんだろうがその割には足が銀色でやたらに多い、いかにも釣れそうにないマンガ的物体が堂々と針に装着されたのです。

午後1時のフライトなので、それを海に垂らす残り時間は30分。皆が交代で今か今かと糸を持ちます。マヒマヒってどんな顔つきなんだろう、たしかハワイで食べたけどおいしかったよ、疑似餌のサイズからして大きそうだから引きは強そうだね・・・・。こんな会話がなされること約15分。しかし引きはおろか、糸はピクリともせず。そうこうするうちに、皆さんだんだんあの間抜けなイカの顔が目に浮かんできたのか、でもあれに食いつくのはよっぽどバカな魚だよね、スピードでごまかさないと無理だよね・・・・皆さん会話のトーンが一気に変わってきます。

わかった。これは釣りの疑似体験つきクルーズだったんじゃない?

そうか!あのでかいボックスにおみやげのまぐろが2匹ぐらい入ってるんだよ。

もう皆さんやけくそです。誰からともなく、おなかすきましたねということで石原嬢お手製のおにぎりをいただきましたが、それのおいしかったこと!釣糸のことはもう皆わすれておにぎりに集中。それをするどく見ぬいてかどうか、「今日はおしまい!」、船長の毅然とした号令一下、舟はダダダダダとエンジン音も軽快に港に午前9時の予定通りに帰還したのでありました。予定通りだったのはそれだけですね。おみやげのまぐろは出ませんでした。下船したあと、温厚で大人物であられる T 社長より、

ちょっとコミュニケーションが不足しておりましたな

と締めのご講評。まさに言いえて妙でした。ホテルへ帰ると迅速かつ的確に定価通りの125ドルの請求書が我々を出迎えてくれたのです。この3日半、初めての南洋でのすばらしい体験の連続でした。まあ人生、万事うまくいくことはありませんしね。最後にちゃんと帳尻があってご愛嬌で終わるのもまた次回の楽しみが残ったと考えることにいたしました。また来たい、いや必ず来るつもりです。

長々とお読みいただきましてありがとうございました。僕だけはここからグアムに3泊しましたが、写真の都合で順番が分かりにくくなってしまったことをお詫び申し上げます。

 

世の雑事が頭から完全に消えた日

2013 JUN 24 18:18:43 pm by 東 賢太郎

ナンマドールとケプロイの滝を見た後は胡椒(こしょう)農家を訪問しました。東インド会社のころ、アジアからヨーロッパへもちこむとダイヤモンドと交換できたという胡椒ですが、どんな植物でどういう風に栽培されているのか見たこともありませんでした。これがその農園です。 097

立てられた杭にツルのように巻きついていて、ブドウの房のように実がついているのです。

101実を噛んでみると、ラズベリーか固めのサクランボみたいな歯ざわりなのですが、出てくるジュースはまぎれもない胡椒の味なのです。乾燥してああいう辛い味になると思っていましたが元々だったんですね。2~3個で舌がしびれてきます。

ところで下の写真の右上にある濃い緑の葉っぱの木が何かご存知でしょうか?

102

これです。

108これ、マンゴーの木なんです。高さは20メートルぐらいの堂々たる巨木です。バナナの木みたいなのを想像してましたが・・・。マンゴー様が偉大に思えてきました。

だいたいどこの農家も豚を飼っているようです。子豚の色分けが面白いですね。

109

死んでるのかと思いました。究極のリラクセーションですね。見ているだけで肩こりが治りそうです。

110

これがウワサのマンゴーです。もぎたてです。あの木から獲れたのでしょうか。ワイルドに皮をむいてかぶりつきます。こんな甘くてジューシーなのは食べたことがありません。止まらなくなって3つもいただきました。

111

農園のご主人から胡椒をおみやげにいただきました。けっこうたくさんあります。ステーキにかけたり野菜炒めに入れたりは定石ですが、通の食べ方として醤油、みりん、砂糖で煮て佃煮にすると絶品と教わりました。世が世ならダイヤモンドです。深謝です。

コロニアに戻ると6時過ぎ。そろそろディナーです。最初に行った海辺のアメリカンレストラン「マリーナ・クラブ」に行ってみることになりました。そこからしばらくのんびりと海を見ていると、ボートからまぐろを釣った子供が降りてきました。明日は釣り船に乗るので期待が高まります。あんなボートで子供でも釣れるんですね、などと話していました。

113

これがここのメニューです。これも悪くないでしょう?  お味もヴォリュームもgoodです。SASHIMIもあります。

115

ココナッツ・ジュースを注文しました。するとウエーターがOKといって店のわきの椰子の木にするすると登るではありませんか! これに穴をあけてストローを入れて、お待たせしました! となるんです。冷蔵庫に牛が入っている牛乳のCMがありました。あのノリですね。東京だったらいくらとられるだろう? 贅沢です。120

食事がサーブされるとどこからともなく、またあいつが現れました。たくさん人がいるのに、迷うことなくまっすぐに僕の横に来て見上げます。どうしてわかるんでしょうか? 122

さんざんおいしい料理とワインをいただき大満足。帰りはホテルまで腹ごなしに歩き。屋台をひやかしながら帰りました。これは鰹でしょうか。明日は朝5:45に集合で釣りに出ます。なんとなく皆さん頭はそっちの方に。

130

いや、ものすごく濃い一日でした。

 

 

 

 

 

 

 

ケプロイの滝

2013 JUN 24 16:16:25 pm by 東 賢太郎

降雨量世界第2位のポンペイは滝が多いようですが、ここにご紹介するのは「ケプロイの滝」といいます。ナンマドールのあと、お昼ごろに茂田さんにご案内していただきました。まず、こういう川沿いのけもの道のような小路をどんどん上流に向かって歩きます。 082

ゆるい傾斜のある道ですが、2~30分ほど行けば水しぶきの音がだんだん大きくなってきます。

084

着きました! 気温もやや涼しくなってくると、熱帯にいることを忘れてしまい、いつのまにか日本にいるような錯覚に陥ってくるのが不思議です。088

高さ、幅とも2~30メートルぐらいでしょうか。轟音で声はほとんど聞こえません。ここで皆さんじっと黙ったまま滝のパワーを感じつつ、茂田夫人お手製のお弁当とおにぎりをおいしくいただきました。デザートはバナナです。これは甘いうえに少し酸味がかっていて最高においしく、初めての味でした。そして仕上げは椰子の実のジュース。もちろん実ごと丸ごとです。重たいのを運んでいただいてありがとうございます。

089

企業秘密ゆえ皆さんのお顔入りの写真を公開できないのが残念ですが、全員が満面の笑顔なのをご想像ください。男性5人、女性1人でしたがこの日は遺跡に滝と、島のパワースポットを訪ねるまるで大人の遠足でした。僕だけ初対面でしたが、この3日半は「数奇な」体験の連続で、こういうものを共有させていただいたのは何かのご縁と思います。

 

 

日本人は企業も若者もミクロネシアに進出すべし

2013 JUN 24 13:13:34 pm by 東 賢太郎

ポンペイ島の2日目。ミクロネシア連邦法務省登記官のサマリ・スタさんとです。

007

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここがMRAの本社で我がレイゾン・キャピタル株式会社もこのビルの一室に入りました。後ろの壁には両国の国旗しかないのにご注目ください。MRAは日本企業だけにサービスする目的で設立されたミクロネシア連邦専属のエージェントなのです。中国や韓国の誘致はいっさい視野にありません。米国信託統治領から独立した現在もまだ米国から教育、医療などの財政補助を受けていますがそれは2023年に期限が切れます。ですから当然のこととして海外企業の誘致が10年後を見据えた国家戦略なのですが、その相手に日本を選んでくださったということなのです。嬉しいではありませんか!ちなみに後ろの写真、中央がモリ大統領、左が「亀井さん」似の副大統領です。

下はポンペイ島北部に位置する連邦首都パリキールにある国会です。屋根もソーラーパネルはODAで日本が作ったものです。連邦裁判所もこの隣ですが、殺人など凶悪犯はまったくないそうで、あってもコソ泥ぐらい。いったい何を裁くんだろうと皆の話題になったほど治安はよろしいようです。ちなみにダンナの浮気で奥さんが逃げたというのが新聞ネタになるそうです。平和ですね。

011

だれがこの光景を見て一国の永田町、霞が関と思うでしょう。金額では米国の援助の次に日本国のODAが大きく、島の火力発電所は三井物産が、道路舗装は前田建設が受け持ちました。ここの敷地の風力発電機も日本製です。一位の米国がお金を出さなくなるわけですから日本が頼られるのも道理です。それには政府よりもむしろ民間が応えてあげることで両国の関係はより緊密になるはずです。

019

僕がここに会社を作ろうと思ったのは節税などのしみったれた話ではなく、小さくてもいいので国家を相手とした事業をやってみたいという昔からの強い願望があったからです。坂本龍馬はそれが英国だったし、僕の先祖も開港直後の横浜に信州伊奈から出てきて英米相手に生糸貿易と金銀両替商をやっていました(後者は銀座の田中貴金属として残っています)。血が騒ぐとはこういうことだとつくづく感じています。

この日のディナーはMRAのホストで、日系人のご夫婦が経営する海辺のレストランでミタ元駐日大使とスタ登記官にごちそうになりました(下)。右はスタさんです。外でいただく予定でしたが突然というか想定どおりというかバケツをひっくり返したような集中豪雨に見舞われまして屋内のテーブルになりました。

021

お店の棚にあるご主人のトロフィー。ゴルフ場はないので何かなと思いきや釣りのトーナメントの優勝カップでした。まぐろの刺身がうまいわけですね。

029

メニューは日本語が書いてあります。通貨は米ドルですよ。

024

026

さしみ定食1100円、やきそば、ラーメンが900円、日本そば800円、海老フライ定食2300円、親子丼900円、そうめんといなり寿司1000円、ステーキライス2000円・・・・

いかがですか?ぜんぜん問題ないでしょう。味ですか? 断言しますが香港の妙ちくりんな「日式」などとは比べ物にもなりません。あんなものを日本料理だといって、知らない中国の人が勘違いするのも困る。香港に住んだ2年半、あれは一度でこりて2度と食べませんでしたが、ポンペイの日本食は毎日でもOKですね。ということで皆さん、安心してポンペイ、ミクロネシアへお出かけください!

 

異次元の飲み物「サカウ」

2013 JUN 23 21:21:36 pm by 東 賢太郎

ポンペイの夜、マーク・ヒースが案内してくれたバーで地元の人に妙な飲み物をすすめられた。バーといってもホテルから5分ぐらい車で離れた海辺にある木造の丸い平屋で、まん中にディスコがあって入口の隣にビリヤードが一台置いてあるだけ。ロックががんがん響いていて5~6人の若い男女が何をするともなくたむろしている。若い頃なら好奇心もわいたが、このトシこいてちょっと場違いな感じの場所だ。

コップにそそがれたその飲み物はすこしねっとりとしているように見える。マークがあんまりたくさんは飲むなと言うので軽くひとくち含むと、とてつもなくまずくて吐き出してしまった。泥水をバリウムで溶いたような苦味といえば近いだろうか。みんな僕のしかめっつらを見て笑う。それでもその飲料はなにか大切なものらしいという雰囲気であったので、ありがとうと日本語で一礼してすぐコップを持ち主に返した。

これは何だとたずねると、「サカウ」ときこえる。音楽がうるさくて良く聞こえなかったが、ポンペイで昔からお祝いやら冠婚葬祭やら、大事な日に飲む特別の飲み物らしい。飲むとしばらくして気持ちがおだやかになってケンカがおさまるとも。あとで分かったことだが、植物の根をつぶしてとったエキスで神経を鎮静させる薬理作用がある。多用すると害もある。しかしこの島では公式の場で飲む神聖な飲料なのだ。翌日に訪問したコショウ農家に、まさにこのサカウの根っこをたたいて砕く大きな石臼のようなものがあった。叩くのはこぶしより少し大きめの石で、博物館で見る石器時代の農具を思い出した。

これで思い出したが、創業時のコカコーラには麻薬コカインを含む「コカの葉」(多くの国で麻薬とされる)の成分が少量含まれていたらしい(Wiki)。成分を発表しないので今はわからない。しかし南米ボリビアではコカの葉をお茶として日常一般的に飲まれているのだから、麻薬と見るか薬理作用のある植物と見るか線引きが難しいのかもしれない。ポンペイの「サカウ」もそれに似たものなのだろう。

何という物か名前を忘れたが、同じ人から大き目のピーナッツのような形の木の実に石灰の粉をまぶしたものもすすめられた。絶対に噛むなよ、しゃぶるだけだよと言われて口に入れると今度はこれがピリリと辛い。予想外のお味にやはりすぐ吐き出すことに。ここでは政治家までがこれをチューインガムのように日常的にくちゃくちゃやっているようだ。僕は40か国でいろんなものを食べたから少々のものでは驚かない。食文化というのは実に奥が深いが、しかし、ここまでくるともう異次元体験だ。こういうのは、このトシこいた身ではなく20代の若者のころに味わいたかった。サカコーラの創業者ぐらいになれたかもしれないなあ。

 

ポンペイ島ナンマダール遺跡を見る

2013 JUN 23 20:20:04 pm by 東 賢太郎

ポンペイ島に20年居住してホテルやガイドをされている茂田さんの案内で、この島の最大のツーリスト・スポットであるナンマダール遺跡へ。場所は島の南南東。ホテルは最北端なので一時間以上かかります。道路は日米のODAでほとんどは舗装されていますが、遺跡に近づくとそこは未開のジャングル。道もデコボコです。車は密林の中をゆっくりと進みます。031

この地域はある部族の支配地で、遺跡見物は酋長への支払と許可がいります。顔見知りのガイドなくして入ることは無理のようです。下が酋長のお宅です。昔よりここに来ると神が雨で出迎えるそうですが、そのとおり降られました。茂田さんが交渉しましたが、今日は潮が高いのでボートは出せない、歩いてくれと言われました。030

歩く道には別な地主(下の家)がいて、そっちに料金を払いました。関所みたいなものです。満潮でないと儲からない地主ですね。皆さん雨合羽姿で黙々と歩きます。

 

033

ナンマドール遺跡は5世紀ごろから王の墓として海上に石を積んで造られ、その後は祭祀の場となったようですが、ポンペイはスペインが征服するまで文字がなかったそうです。米西戦争の賠償金捻出のためドイツに売られましたが、発掘した遺物を持ち帰ろうとしたドイツ船が難破したためここの歴史をたどる道筋はとぎれてしまいました。

036

熱帯には何度か行きましたが、こんなジャングルを歩くのは初めてです。木々や植物の霊気を感じます。虫除けスプレーのせいかもしれませんが、蚊やアブはぜんぜん現れませんでした。千年?はたっていようかという巨木の前で。

038

海辺になると森はマングローブになってきます。お顔が見えるのが茂田さんです。木の橋を渡っています。

040

お待たせしました、これが遺跡です。こういう小島のようなものが16あり、これが代表的なもののようです。石が雨で滑って歩くのがとても大変でした。

042

目の前の浅瀬を全員が歩いて渡りました。深さはひざの少し上まで。海水はまったく冷たくなくて、そのまますぐ泳いでもいい程度の温度でした。

043

副葬者の墳墓は破壊されたように見えますが、何百年の間に木の根が石を動かしたそうです。

047

下は島民の主食であるパンの実です。どこの家の庭にもあるそうです。これと椰子の実が生活を支えています。椰子の呼び名は成長に応じて10種類ほどあるようです。出世魚でもそんなにありませんから、いかに島民が椰子の実を大事に関心をもって扱っているかわかりますね。

049

遺跡の壁面の高さは5~6メートルはありました。大きな石は4トンもあるそうです。5世紀の人がこんな巨石をどうやって積み上げたのか、エジプトのピラミッドもそうですが謎です。下の写真のアングルだとどこか日本のお城を思わせます。

054

人っ子一人いない中を闊歩するのは気持ちよかったです。

061

これは何かおわかりですか?バナナの花です。野性でいくらでもあります。上の方にバナナが見えますね。

069

これはテレビでよく見るマングローブです。マングローブという植物があるのではなく、海上に群生する木を総称してそう呼びます。日本のテレビ局がときどきロケに来るそうで、元読売の記者だった茂田さんが解説されるのがお決まりだそうです。

072

同じ道を戻ってふたたび酋長の家の庭です。あひる、にわとり、犬、ねこ、ぶた、うなぎ・・・いろいろいます。世のうさを忘れるのどかさでした。島一周が車で約4時間。我々が宿をとっているポンペイの州都コロニアもミクロネシア連邦の首都パリキールも島の最北端で、商店も病院もそこにかたまってありますから2時間近くかかります。ここは文明とほぼ隔絶された場所といっていいでしょう。

 

078 大うなぎです。神聖な生き物とされ、食べることはありません。といっても、なまずのようであまりおいしそうにも見えませんが・・・。

079

これでおしまい。なかなか強烈な体験でした。こういうものを見てしまうと我々が普段に観光、見学といっているのはディズニーランドのなんとかアドベンチャーと変わらないなと思います。電気と車があるぐらいで、あとはたぶん何百年まえとそうちがわない生活をしている人たち。そして彼らを取り巻く、たぶん何万年まえと同じ景色であろうジャングルの木々。地球という星のいとなみが永久不変であり、我々人間はそのわずかな一部分でしかなく、我々の人生はほんの一瞬の出来事でしかありません。産業革命以来、人間は文明という名のもとに世界中の自然を破壊してきましたが、結局それは天に唾するものであるをここの空気を吸って身にしみて味わうことになりました。

 

アメリカ米「白菊」は結構おいしい

2013 JUN 22 22:22:17 pm by 東 賢太郎

1週間も外国にいるとやはりお米が恋しくなります。ミクロネシアではあまりのエキゾチックな雰囲気に圧倒されて日本食を忘れていましたが、グアムまで来ると贅沢がいいたくなります。ということで、ホテルにある「日本」というレストランで3回もお世話になることになりました。

いただいたお米の食感になんとなく覚えがあるので店の人に銘柄をたずねると、カリフォルニア米の「白菊」というそうです。思い出しました。フィラデルフィア時代に食べていた「国宝ローズ」というカリフォルニア米にちょっと似ているのです。魚沼コシヒカリのようなもちっとした歯触りも洗練された甘みや粘り気もなく、どことなく飾り気ないのですがコメ(イネ)という植物の味がしっかり出ています。ここが好きずきの分かれ目でしょう。色白ぽっちゃりの和風美人と、化粧っ気のない南方風美人の違いといった感じでしょうか。形はというと、インディカ米ほどではありませんが日本米ほど短く丸っこくはなく、少しだけ細長い感じです。

ちょっと粗野なお味なので一流のお寿司屋はまず使わないでしょうが回転ずしならOKのレベルです。長いこと食べたせいか僕はこの多少ぱさっとした食感は好きで、チャーハン、カレーでは固めに炊いたこれをあえて指定したいぐらいです。おそらく大規模農業で栽培できてしまうので値段はずっと安いはず。これが大量に入ってきても日本のブランド米が売れなくなることはないでしょうが、久々にカリフォルニア米を食べると、TPPのお米戦略は慎重にしたたかにやったほうがいいなあと思ってしまいました。

 

 

▲TOPへ戻る

厳選動画のご紹介

SMCはこれからの人達を応援します。
様々な才能を動画にアップするNEXTYLEと提携して紹介しています。

ライフLife Documentary_banner
加地卓
金巻芳俊