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カープ死闘で巨人を制する

2015 AUG 25 1:01:28 am by 東 賢太郎

きのうの巨人・広島戦(マツダスタジアム)ほど見ていて疲れる試合も珍しい。結果は、2-1でカープの勝ち。辛勝というのが1cmの鼻の差とするなら昨日の勝ちは0.1mmの髭の差ぐらいだった。

第1戦は雨天中断をはさみ6時間超の死闘を落し、負けると自力優勝消滅の第2戦はエルドレッドの本塁打(のみ)で崖っぷちに踏みとどまり、きのうは激貧の3安打でまたもエルドレッドの安打で首の皮1枚を死守という具合であった。武蔵坊弁慶に見える。

残り33試合で32勝1分けだと念願の自力優勝だ。25勝1分けなら自力CS出場だ。つまりあと9つ負けると優勝はおろかCSすら他力本願となる。実勢として見れば選挙で比例代表の最後の1議席を神頼みする泡沫候補みたいなものだ。

しかし巨人も阪神も自力優勝の遠さは似たものであり、CS確定だって半分も負けられないのだからまだあきらめることはない。CSに出そうな3チームに対するカープの勝ち越し数は巨人5、阪神1、ヤクルト0であり、むしろCSに出さえすれば下剋上優勝の期待すらあるということにファンは一縷の望みをかけられる。

きのうの最終回、中崎が1死満塁と攻められ坂本をライトのファールフライによく打ち取った。三塁走者は鈴木で完全に1点と思ったが、右翼手が野間にかわっていたためか鈴木が途中であきらめた。鈴木が行くと思って二塁を飛び出した立岡をショート田中が追いつめたが、鈴木が一か八か本塁を狙うそぶりを見せた。

あれは立岡に1秒も早くタッチできるタイミングだったが、負けたらいかんという焦りがあったか田中は捕手石原に投げた。偽走だった鈴木は脱兎のごとく三塁へ戻る。スライディングがさすがの速さだった。石原はワンテンポ投げ遅れて判定はセーフ。ドへたも極致の凡プレーであり、あのまま次打者の阿部に打たれて負けたらカープは完全終戦をむかえていただろう。

あの三塁タッチプレーで緒方の抗議はよかった。セーフだったろうが、初めて殺気を漂わせ、うまく間をおいて凡プレーの余韻を消した。あれが監督の仕事だ。そこで阿部を空振り三振に仕留めて試合を終えた中崎のインローのスライダー、あそこであれを投げられるなんて、彼は修羅場をくぐってきているなということだ。

大瀬良も中崎も、実に危なかったが最後のボールをよく投げた。1失点の場面で丸がセンターフライをよく捕った。カープの打撃も守りもひどかったが巨人は11安打も打ちながらそれに輪をかけての拙攻、おかげ様で3安打で拾ったというゲームだった。

TVにむかってなにやっとんじゃ馬鹿もん!このドへた!と怒鳴った場面が3度あったが、何はともあれ勝ちは勝ちだ。選手はあきらかに疲れてる。エラーも判断ミスも出るだろう。しかし敵も一緒だ。黒田が8安打もされてミスがらみの1点しか与えなかった、あの粘り腰と執念で万一でも桶狭間みたいなことが起きればチームは強くなるだろう。

殺気ただようグラウンドで一輪の花となったのは、飛び入りホームランガールをつとめたエルドレッドのお母さんだった。

 
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Categories:______広島カープ, 野球

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