なんか変だなと思ったら(情報と諜報)
2016 JUL 6 13:13:24 pm by 東 賢太郎
電車の優先席にこう書いてあるのをお気づきでしょうか?
expecting mother
妙だと感じたことありませんか?絵を見ると明らかに妊婦という意味ですが、
どうして expecting woman でないのだろう?
とですね。
expecting は「妊娠している」(expecting a baby)という意味で、学校的には現在分詞の形容詞的用法。exciting game なんかとおんなじです。だから
妊娠している母
と書いてあるわけです。
なんだ、それ? 子連れの妊婦か?
こういうことがいちいち変だ、気になる、と思うと英語はできるようになります(いや、国語も数学も)。
そこでこうなります。
いやちがう、子連れでないと妊婦を座らせませんというのは趣旨でない
とすると必然的に、
「妊婦」=「母」ということになるのです。
そう理解するしかない。妊婦というのは「妊」娠した「婦」人です。これが我々の理解。まだ生まれてないでしょ、だから母は変でしょ、と思う。
そこで調べてみてください。
カトリック教会は胎児は受精後直ちに人間になるであるとの見解(wikipedia)
という事実が見つかります。なるほど、おなかにいるのはもう人間であり、したがって baby であり、ということは宿している女性のほうは mother とする以外にあり得ないではないですか。
ちなみに、この「もう人間だ」という考え方は法律に反映していて、我が国では胎児は刑法上は人ではありませんから人工中絶ができますが、カトリックでは胎児が人間だから人工中絶は殺人罪(堕胎罪)なのです。
電車の expecting mother ひとつでそんなことまで学べてしまいます。こうやって考えて腑に落ちた知識は諜報になります。
しかし、こういうことを我々のほとんどの人は学校で、
「expecting mother の意味は妊婦」(丸暗記)
「カトリックでは人工中絶はできない」(丸暗記)
で終わってます。赤線ひいて丸暗記、丸暗記、何も考えてない。丸暗記した知識は「情報」です。情報量であなたは機械(コンピューター)に勝つことは不可能ですから、丸暗記人間はやがて無価値になります。給料もらえなくなります。知識だけで大学に入れますが、やがてそんな大学ごと無価値になります。
これから皆さんは諜報(インテリジェンス)を持たなくてはいけません。それにはどんなことでも、なんか変だなと思ったら、
WHY ?
ですね、自分の頭で考えるくせをつけることです。
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Categories:若者に教えたいこと
Tom Ichihara
7/6/2016 | 6:30 PM Permalink
なるほどカトリックでは受精後に人間と認めるわけですね。
否定するだけの根拠もないし、肯定する論理も小生はありません。
英国ジョークにこんなのがありました。
地下鉄で紳士が座っていると、前に立った若い女性が
「あのう、私 妊娠しているのですけど、、、」
「コ、これは失礼しました」紳士は席を譲り前に立つと「ふーむ」
「失礼ですが何週目でしょうか?」
「ええ、8時間前です」
ちょっと不謹慎かな。
東 賢太郎
7/7/2016 | 10:44 AM Permalink
そうです。聖書に記載はないそうですが「産めよ増やせよ」とはあって、だからカソリックは生殖を目的としないセックスを認めないので中絶を認めず、そこからその結論が導かれたとされているようです。
そのジョークは英国らしいですね。ヘンリー8世が英国国教会を作ってカソリックから離脱してますが理由は離婚したかったからでしたね。英国の離脱グセは16世紀からの筋金入りですね。