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クライマックス・シリーズ雑感

2016 OCT 12 14:14:51 pm by 東 賢太郎

僕はクライマックス・シリーズ(CS)には肯定的ではなくて、2位に16ゲームも差をつけてぶっちぎりで優勝したカープのようなチームが、万が一にも短期決戦の運不運で、3位どころか5割にも達していないDeNAのようなチームに負けでもすればペナントレースはなんのこっちゃということになります。公式戦が「なかったことに」というのはいかにも空しいですね。

敗者復活は考えとしてはいいのですが、1ゲーム差と10ゲーム差の優勝のアドバンテージが同じ1ゲームは変じゃないですか。2ゲームぐらいないとおかしい、ところがでは15ゲームなら3ゲームですねなどとなると1つ勝てばいいわけでもうCSの意味がない。だから、いずれにしてもCSはおかしいのです。

ゴルフで考えてください。トーナメントで4日間も頑張って2位に16打差もつけて優勝したのに強制的にプレーオフがあるんようなもんです。そこで何かのハプニングで3位の選手に負けなんてことで、しかもその人が本戦ではオーバーパーだったりして、もうアホらしくて誰も4日間観なくなるんじゃないかと思うわけです。

しかし、そう思いながら見たCSはけっこう面白かった。プロが高校生みたいにサドンデスの気合で戦うのは見ごたえがありました。ホークスは2試合とも先頭の清田に本塁打を打たれましたが、これもおんなじように今宮が終盤に適時打を打って勝った。立ち合いの張り手でよろめいた横綱でしたがちゃんとつかまえて寄り切った感じでしょうか。

セリーグは第3戦、真っ青に染まった見慣れないドームのムードは盛り上がってました。そこに初回、内海が梶谷に3球シュートで内角攻めしてぶつけてしまう。梶谷が予想外の交代。ここでムードは異様になりました。そしたら次のロペスが左翼席に仕返しの本塁打でざまあみろ顔をする。そしてその裏に先頭の坂本に投げた石田の初球ビーンボール(たぶん)ですよ。本気のケンカでした。

そうしたら阿部が右翼に本塁打で2-2の同点。次の場面は中盤の村田の死球でした。左ひざ直撃で倒れ込んで動けず、担架でひっこむ。だいぶ待って出てきましたが大丈夫か?ところが次の打席でその村田がリベンジのセンターオーバー本塁打。これは鳥肌もんでしたね。あっぱれです。結局3-3の同点で9回裏、無死一塁で村田が痛い足で必死の内野安打で代走は鈴木。これは巨人の勝ちパターンです。盗塁でサヨナラかと思ったら、球場唖然の牽制死。これで巨人の勢いは止まりました。

それでも10回を終わって同点で、そのまま引き分けでアドバンテージのある巨人がファイナルへ進むと思われました。なにせマシソンが前日投げた筒香への外角155kmが恐怖を覚えるほどの凄まじい球で休場は凍りつき、この日も9回表を難なく三者三振だったからです。あとを継いだあぶなっかしい澤村ですが、一応10回はロペス、筒香、宮崎のクリーンアップを抑えてしまう。巨人からすれば、やれやれ、11回は下位打線というはこびだったからです。

しかし、前日はマシソンを回マタギで行った高橋監督ですが、10回を澤村で行った。ベンチは田原と戸根しかいなかったので12回までは想定しなかったんでしょうか。どうしてマシソンを2イニング行かないのか不思議でしたね。疲れてたのか、無死一塁で代走鈴木でバッターは阿部、長野というあたりでマシソンの気持ちが切れたのか、はたまた澤村と心中にいったのか、あえて澤村をクリーンアップにぶつけた。そして成功した、これは結果論的には勝負手でした。

僕は巨人ファンではないが、本当にがっかりしたのは11回表です。澤村が先頭の倉本の打球を右足に当て(それも足で止めにいってだ)、治療でそのまま出てこなかったことです。誰もが(解説者も)大したことないと思っていたら、高橋監督が主審に(さほど困った風でなく)苦笑いで「だめですね」と手を振った。おいおい、折れてないだろ、いや村田を見ろよ、折れてても出てきて投げますぐらい気合を見せないと。

急きょ登板の田原(どう見てもマシソンの後に出てくるピッチャーじゃない)が公式戦で5安打しかない嶺井に打たれて1点献上。2位巨人はあえなく終戦を迎えました。澤村君、投げては打たれ、いいところで引っ込む、こりゃいかんですね。せっかくの戦闘モードで始まった試合がぶちこわしになりました。打線も結局ヒットは6本、打ったのは村田、阿部、長野、坂本だけでした。糸井を取りに行きそうですがそれでも来年はもっと苦しそうですね。

ファイナルステージはいやなDeNAが来てしまいましたが、たぶん先発はジョンソン、野村、黒田だから3戦で悪くて2勝はいけるだろう、すると次の3戦を岡田、福井、ヘーゲンスで1勝でよしだから有利は有利です。初体験の固さはおんなじのDeNAが来てくれたのはポジティブに考えた方がいいでしょう。

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