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カテゴリー: 健康

帯状疱疹は漢方で治る

2019 SEP 26 1:01:05 am by 東 賢太郎

神山先生からこれを16日間つづけて飲みなさいともらった煎じ薬は帯状疱疹を治すものだ。なにせ54才でかかった水ぼうそうの残骸である。ウィルスは脊髄に生きていて免疫力が落ちると出てきて悪さするらしい。それが帯状疱疹になる。

右目の奥がどんよりと重く、眼科で検査したら「眼は問題なくてたぶんそれでしょう、治らないです、最近増えてますね、ポチポチが出たら皮膚科に行きなさい」で終わった。仕方ないが、そんなのと一生つきあうのが嫌だ。

こういう時は神山先生に相談する。「東さん、帯状疱疹は西洋の薬飲んではダメです。ウィルスを閉じこめちゃうから。漢方しか治らないよ。」「でも抑えるだけでしょ?」「違う、外に出すんです。治りますよ。」いつも心強い先生だ。

それで出たのが乾燥した数種類の薬草のミックスだ。家内に煎じてもらう。毎日飲んでるのとは味が違う。ちょっとミントっぽいが、中国4千年の秘宝の味かな。ちなみに先生のご尊父は鄧小平の医者だった。

こういう話しをすると大概の人は、プラシーボ効果ではないかという顔をする。偽薬でも効くと思えば治った気になるというあれだ。しかし是々非々の僕は思うのだ。「だから何だ?薬は治ればいい、それ以外に何がある?」。

僕が元気なのは先生の漢方のおかげ。固くそう信じている。なにせ15年飲んで常に実感してきている。今年2月に多忙でさぼったら人生初のインフルを患った。8月にまたさぼったら風邪をひいた。

元気だというのも思い込み?べつにどうでもいいじゃない、それで日々快調なんだから何の支障があろう?そう思い込ませてくれるのも薬効のうち。その快適を学者がプラシーボと呼ぼうがどうだろうが、まったくクソくらえである。

先生の上海の診療所は7つになった。日本は診療もあるが、ご夫婦とも日本の生活が好きだから住んでおられる。15年のおつきあいでいろんなことがあったが、本当に素晴らしい人物。それを僕は名医と呼びたい。

仕事にかまけて日本の良いものをあんまり教えてあげられてない。帯状疱疹のことで、こんないい人にと自分が情けなくなった。

 

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65から断捨離にはいる

2019 AUG 24 21:21:44 pm by 東 賢太郎

もう今年は野球の関心は失せた。甲子園は奥川だけは感心したがあとはどうも。プロのほうもバティスタのドーピング陽性反応で唖然、どっちらけである。故意でなかったとしても最早戦力にはなり得まい。広島のオウンゴールで巨人はもう楽勝だ。他チームは「2位じゃダメなんですか?」のレンホー作戦に移行するから巨人戦は戦力温存になる。

今日は唯一巨人に勝たなきゃいけない2位のDeNA戦を観戦に行ったが、2流の投手がぼかすか打たれて実に不甲斐ない戦況であり、そこら中でぐるぐる回って埃を巻き上げるオレンジタオルにアホらしくなって6回で東京ドームを出た。年間予約席はえらく値上げするらしいし丸の給料なんか払いたくないから来年はもうやめだ。

コンサートの方もN響は切ってしまったし、だんだん興味が失せてあれこれ掛け持ちなんてのが面倒くさくなってきた。昨日の神山先生の諭しもあって、健康のためにも人生65からはぼちぼち断捨離かなと思う。断捨離というのはその道の達人によると、理由があってできるものではないらしい。要るか要らないか、いちいち考えるとできなくなる。バッサリ捨ててしまってぜんぜん困らない、それを発見すると理由は自ずと出てくるそうだ。

 

心の断捨離は好きなことだけやること

 

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神山先生に「寿命が縮むよ」と叱られる

2019 AUG 24 1:01:48 am by 東 賢太郎

忙しさにかまけたわけではないが、しばらく神山先生の施術と漢方をパスしてしまった。診療所へ伺うと顔を見るなり「疲れてるね」とまず背中に鍼(はり)を8本もうたれる。中国鍼である。ちょっとチクッとするが痛くはなく、「そこだ!」という凝りまくってカチカチの部分があるが、どうしてわかるのか、憎たらしいほどそこのど真ん中にお見事に刺さる。そのままうつ伏せで放っておかれ、普段は30分そのまま安静にするが「今日はひどいから1時間だね、眠ってていいよ」と相成った。いびきをかいて寝てたらしい。鍼を抜くとウソのように爽快である。

「首ひねると痛い」と訴えたところ、先生は僕を寝かしたまんま後ろから首を触って、「これはいけないね、前より右も左も10度も曲がらなくなってるじゃない。頚椎がつまってきてるよ、これじゃ脳にうまく血がうまく行かない。疲れがとれないし寿命が縮むよ」と叱られてしまった。そこで右手で頭を支えたまま、左手で頭をしばしクネクネ動かし、これ以上ひねると痛いよという限界の所でえいっと顔を押してさらにひねられる。自分でびっくりするほどバキっ!と音がして首の骨が折れたかと思うが、音はどうも僕の頭蓋骨の中で鳴ってる。これを右と左。すると両方にスムーズに首が回るようになってるのだ。

麻酔科の医師であられる奥様も一緒だったので、自然とお礼に「先生、焼き鳥うまい店知ってるよ。食べに行こ」となる。上海で3つ目の診療所をオープンするらしい。奥様は中国語と英語だけだ。しかしそれでも彼は日本で日本人の診療を続ける。「週末はいつも伊豆の温泉です。楽しい。日本好きです」と奥様。「中国で仕事すると疲れるよ、中国人のやり方もう忘れちゃってね」なんて笑うぐらい彼は30年も住んでもう心は日本人なのだ。しかし、意外なことを聞いた。上海の経営は娘さんに任せてるらしい。エネルギッシュでポジティブシンカーで何でも自分でやる先生だが仕事を減らしてる。「東さん、もう僕らそういうトシじゃないよ。体に良くない。東さんの性格はね、もっともっとって先を考えるの、どんなにうまく行ってもね」。

彼の漢方薬を飲んで15年になるが、サボったら真夏なのに風邪をひいた。どっさりもらって帰ったら、なぜか普段はあんまり来ない猫が寄ってきてやたらと薬にまとわりつく。ひょっとしてと思い「マタタビ」を検索したらやっぱり漢方薬ではないか。それも「虫こぶ」だから国内じゃ手に入らないだろう。煎じ薬はかような生薬のミックスだから何が入ってるか僕は知らない。もらったものをお茶みたいに飲んでるだけだ。背中の鍼も首のバキも猫を吸い寄せる薬も、やっぱり日本では余人をもって代えがたい。お互い人生で尋常でない苦労もしてるし、アドバイスは真剣に聴くし、何でも言える友人であること一生変わりなしだ。

 

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クラシックはこころの漢方薬(2)

2019 JUL 20 1:01:58 am by 東 賢太郎

(1)音楽には作曲家の魂がこもっている

ここでいう魂とは根性論で「魂をいれろ!」の魂ではなく、オカルトや霊的な意味の魂でもない。プラグマティックな意味で「作曲家の思考回路の痕跡」とでもいう意味だ。

思考回路は誰にもある。あることに遭遇した時に「どう考えるか」「どう行動するか」ということにすぎないがすべての人の人生はそれの集大成であるということも可能だ。それは十人十色でありその特性は「性格」(character)という言葉でおおよそ集約されることが多い。

つまり性格は脳の使いかた(思考回路)の産物だ。回路はロジカルで即物的なものでしかないが、その形成にあたっては遺伝的な要素に加えて境遇、感情、身体的事情、肉親や周囲の人間との関係など非即物的なものも大いに関与するだろう。それが性格を形成し、それが人生を決めるなら我々の一生にはそこかしこに思考回路の痕跡があるはずである。

例えば僕が今書いている「文章」がそれである。sentenceの語源はラテン語のsententiaだがこれはまさに “way of thinking”(思考回路)の意味だ。文章を書く(作文)とは文法規則に思考回路を当てはめていく作業であって、それは音楽を書く(作曲)という作業が対位法、和声法などの作曲上の規則に思考回路を当てはめる作業であるのと本質は同じである。だから作文も作曲も英語ではコンポジション(composition)なのである。

(2)ウマが合う人とは?

ここまでくると本稿の趣旨が明らかになってくるだろう。つまり、あなたが好きな文学や絵画や映画や音楽というものはあなたと似た思考回路の人が作ったものなのだ。好きな落語家やお笑いタレントはあなたと似たsense of humour(笑いのツボ)を持っている。その「ツボ」が落語家であれ友達であれピタリと合うとあなたは爆笑していないだろうか。音楽にもツボはある。それが合うとあなたは気持ちよく感じ、その曲を好きになるだろう。なぜならその落語家、友達、作曲家と思考回路が同じであると感じるからであり、それは別な表現ではウマが合う、気が合うということになるのである。

思考回路の合致⇒ウマ(気)が合う⇒相手が好きになる、という「人と人を寄せ合う引力」の存在を証明するのは僕には難しい。ウマ(気)が合う人を好きになるのは納得できても「回路」となると抵抗を感じる方も多いだろう。しかしウマ(気)という目に見えないものを他人が感知できるメディアに置き換えて発信(文学、絵画、映画、お笑い、音楽どれもが発信が必要だ)するには、しようというモチベーションと技術が必要であり、それらはすべてが発信者の脳の作業であって、その作業の脳内プログラムのことを思考回路と呼んでいる。

「友を見ればその人が分かる」という言葉はウマ(気)が合う人同士が引力で結びつく傾向が一般にあることを表現している。「友」を「好みの文学、絵画、映画、お笑い、音楽」に置き換えてもある程度はこの文章は成り立つだろう。Aimez-vous Brahms?(ブラームスはお好き?)とコンサートに女性を誘うのは意味があるのだ。そんな難しいことを言わなくてもウマ(気)さえ合えばいいではないかと思う方もおられよう。そうかもしれないが、僕は最終的には回路が合わないとその関係はどこかで破綻すると考えている。「友」というのは回路の結びつきである。僕は猫好きの人と猫を前にすればウマ(気)が合う人にはなれるだろうが、さて猫が去ってもそうかという自信はない。

作曲は回路の痕跡であるから、ある作品を通して結びついた作曲家との関係は回路を介さない感覚だけの結びつきである猫好きのそれとは違う。一生切れることがない。さらには、同種の人間であるゆえに彼が作曲時に抱いていた感情が自分に共振することがある。散文、ポエムというアートはそうしたものを言語をメディアとして成立しているが、音楽でもそれはあり、特にロマン派以降は音の素材がどんな共振効果をあげうるかのあらゆる実験が百花繚乱の作品によってなされたと言える。言語と音と、どちらが共振を喚起する力があるかは答えが見つからないが、音楽は何度でも喚起力が持続するという特性があることは特筆されるべきだろう。それは皆さんがお好きな料理を月に一度、さらには週に一度は食べたくなるのに近い。僕はこれを音楽の常習性と呼ぶが、生命維持に不必要なものにもかかわらずそうなるのは誠に不思議としかいいようがない。

(3)音楽がなぜ漢方薬になるのか?

ツボを共有する人の思考回路の痕跡があなたの好きな音楽である。作曲家は何かのモチベーションでその曲を書いたのだが、その契機となったもの、喜び、悲しみ、期待、勝どき、不安、絶望といったものに遭遇した時にあなたは彼と似た反応をする思考回路の持ち主なのだ。それゆえに、彼が期待に満ちて勝どきをあげんと書いた音楽はあなたの心にじわりと効いて、その勝どきがあなた自身のものであるかのような精神の高揚をもたらす。不安や絶望に駆られて書いた音楽は逆ではあるが、それを書き記したということは彼はそこからひとまず救済されている。だから書けたのだ。その救済の思考に寄り添っていけばあなたも救済されるだろう。

音楽は劇薬ではなく、ゆっくりと効く。ある種の曲を好んで聴いていればあなたはいつしか積極的で前向き思考の性格になっているだろう。ある種のものは創造力をかきたて、緻密で論理的な思考を好む性格に変え、ある種のものは人や動物を愛する優しさを涵養してくれる。ベートーベンの田園交響曲は自然の神々しさをいつくしむ心の萌芽となるだろう。そして、あなた自身が不幸であったり突然の悲しみに沈んだ時、人生が嫌になった時、夜がつらい時、その沈鬱な感情をどこの誰よりも身近に共有してくれ、一緒に泣き、悲しみ、その結果として痛みを鎮めてくれるのも音楽なのだ。

それらはすべて僕自身が経験したことだ。それがどの曲だったか、お教えしてもいいがそれが万人に同じく効くという自信はない。なぜならその効能は、蓋し僕という人間がベートーベンのある側面と思考回路が似ているためにエロイカ交響曲から非常に強いインパクトを頂戴できているという類のものだからだ。それは各人各様であり皆さん個々人が自分に合う人を探すほうが余程いい。当然ウマが合わない作曲家もいるわけで、僕の場合すでに明白で時間の無駄だから聴かない。相性というものはいうまでもなくundebatableな(論議の余地のない)ものだが、大作曲家全員が友などということが不自然だということはdebatableだろう。

クラシックをいくら聞いても馴染めない人は他のお好きなジャンルに行けばいいし、そちらに薬効がある可能性も大いにあろう。僕がクラシックオンリーでないのはそれが理由でもあって、ジャズにしか求められない効き目もある。漢方は対症療法には向かないが、じんわりと体質改善するにはもってこいで、例えばジャズを聴きこむと現れる特有の思考回路というものがあって、それも自分のものにしたいと思うから時々ひたっている。それは認めつつも、僕はやっぱりこう書いて本稿を閉じるしかない、クラシックの中におそらく皆さんが必要とされる薬はほとんど全部あるだろうと。

 

(ご参考)

ベートーベン 交響曲第2番ニ短調 作品36(その1)

 

クラシック音楽と広東料理

 

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クラシックはこころの漢方薬

2019 JUL 19 11:11:55 am by 東 賢太郎

仕事にかまけて10日ほど筋トレをさぼった。おそるおそる測ってみると21だった体脂肪率は29に戻って体重も80をうかがう。ベルトの穴でわかるが腹囲も立派に復活している。そんなに飲み食いもしてないのに・・・。

子供のころは小さくてやせっぽちだった。野球を始めてもそう。高校入学時で身長は170になったが体重は58だった。先輩に食えと言われて毎日無理して食べたが、せいぜい60にしかならなかった。

それがなんでこうなるんだろう?

基礎代謝が減ってるので同じだけ食べても昔より脂肪の「貯金」ができる。お金なら結構なことだが腹がだぶついてみっともないしメタボ症候群で寿命が縮みますよと医者に脅かされる。だから仕方なく筋トレとなったわけだ。

しかし筋トレが楽しい人はいいが僕にはどっちかというと退屈な苦役である。さぼると脂肪が増えることがわかったから一生やり続けないといけない。計略通りにそれで寿命が延びたとしよう。でも必然的に苦しむ時間も増えるのだ。

そこまでして長生きするか?これは江戸時代までの人にはない選択肢だ。みんな40ぐらいで死んだから。今より粗食でもあったし砂糖も庶民には無縁だったし、そもそも年齢からしてメタボなどという懸念はなかったろう。

人間の体は一個の「システム」であるといわれる。臓器や筋肉が各々に指令を出しあって全体がうまくいく。水分が足りなければのどが渇くしエネルギーが足りなければ腹が減るし疲れれば眠くなる。指令がどこから来たか脳は知らないから僕らは自覚がないが、ともあれちゃんと的確にSOSは来るのだ。

では、それがやがて自分を殺すというのにどうしてメタボのSOSは来ないのだろう?素人考えだが、我々の進化の過程でその事態は想定されてなかったのだ。圧倒的に長い飢餓の年月のなかで、脂肪は蓄えろという機能が発達した。野生動物の一生のほとんどの時間が食物の獲得に費やされるのを見ればそれがわかる。

人類は長寿を手に入れた半面、脂肪の貯金を作れという自らの細胞レベルのディファクト機能と戦う羽目になった。それが本能に逆らう楽しくない時間を生む。その累積が長寿であるなら、長寿は何のためにあるのだろう?

信長が好んで舞ったという「敦盛」。「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」。人生が50年という意味ではない、下天は天上界のうちすべてに劣っている天だが、それでも人間界の50年はそこの一昼夜でしかない。儚いものだと謡っている。

では信長当時の日本人の平均寿命はどのぐらいだったか?ごらんの通り40年もなかったし大正時代までそれはほぼ変わっていない(新生児の余命という統計だから幼児の死亡率の差はあろうが)。

それが2倍の83という想定外の数字に急騰したいま、我々の体のディファクト機能はバージョンアップされていない。その結果ひきおこされる細胞レベルの誤作動の通称が「メタボ」なのだと考えればわかりやすい。

人生100年時代。年金の原資不足も極めて深刻な問題だが、我々の体の奥底では「楽しみの不足」というもうひとつの、ひょっとしてもっと深刻な問題も静かに進行しつつある。なんのために生きてるのかという悩みが増えるということだ。医学の進歩のおかげで頑張って生きようと思えば長く生きるかもしれないが、精神的であれ肉体的であれ、その気持ちと努力は苦しむ時間も増やしてしまうし、楽しみも一緒に増えないのであれば何のご利益があろうかというものだ。

自殺が増加しているが、この悲しい現象はいつも社会問題という側面から検討されている。しかし長寿化という本来めでたいことが心の内面に及ぼす負の効果という側面はあまり研究されていないように思う。苦しむ長寿を害であるとディファクト機能が認識すれば、SOSは自殺に向けて作動するかもしれない(それは本来の機能として正しいのだ)。表面的には経済的、社会的問題という衣装を着ているが、本質は心の闇の中だからどうかはわからない。

だからこそ僕は「クラシック音楽を楽しみましょう」と声を大にして言いたい。もちろんクラシックでなくても結構、しかし、クラシックというジャンルには無尽蔵な奥深い楽しみの宝庫があって、好みの曲を見つけて聴きこめばその努力の何倍もの「幸せのごほうび」を約束してくれる。それは2つ3つと自然に増え、やがて人生の伴侶にさえなる。聴くのに何の知識も経験もいらないし、必要なのはやろうという気持ちだけだ。

僕自身、そのご利益のおかげで生きている。例えば、このところ疲れて気落ち気味であり、だから筋トレをさぼったわけだが、こういう時に「効く」のがシューマンの交響曲第4番だ。昨日、音楽室にこもってたて続けに4番をかけた。もちろん真剣に聴きとめる。この曲にものすごいパワーのあるのは原型となる「交響的幻想曲」を書いた時分のシューマンの精神がおそらくそうだったからで、面白いもので作品には作曲家の魂がこもっていると僕は真面目に思っている。だからこんな時に悲愴交響曲を聴くのはご法度で、薬効は心得る必要があるが。

クラシックは音学でも教養でもセレブのお飾りでもない。僕はこころの漢方薬と思ってる。4番にひたって、あまりの気持ちよさに憂さは解消。よく眠れ、朝も信じられないぐらい快適に目覚めて、それで久しぶりに筋トレをやろうという気にもなったのだ。半世紀つきあって音の漢方薬を200種類持っている僕は何が起きようとこの手がある、でも、確信しているが、皆さんも必ずそうなれる。曲は何でもいいし、食べ物と一緒でそれぞれのお好みだ。その気になった瞬間から、出会いを探すすばらしい旅が始まるだろう。それも楽しみのうち。youtubeで無料できる。20~30薬を見つけたら?もう人生に悲観しているひまなんかないだろう。

エロイカこそ僕の宝である

 

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筋肉より自信が戻った筋トレ

2019 MAY 17 18:18:52 pm by 東 賢太郎

年初のインフルエンザと膝痛で年齢と体力の衰えを痛感しました。前から兆候はありましたが今回ほどそれを「やばい」と直観したことはなく、やむなしに4月から始めたのが筋トレです。あまり好きではなくそれがなければ絶対にしなかった。ジムが会社の下にあって手ぶらで行ける、お手軽じゃないかと自分をだましだまし始まったわけですが・・・。

なまけものにつける薬は恥とショック

ところが担当トレーナーの指導で成果が数字で見え始めるとやる気が出てきます。どれでもけっこう。自分が弱いと思う部位を鍛えるもので、2ラウンド(10回×2、途中30秒休み)の18回目あたりで「もうだめだ」となるおもりの重量を探します。それが20kgとして、何日かで20回までぎりぎり到達できると今度は22.5kgに重量を上げる。たぶんまた18回でアウトです。20回できたらその次は25kgに。そうやって実力の限界を確認しながら徐々に11%のパワーアップをする筋肉がついて行くのを自覚できる。これは良い方法ですね、お試しください。

しかし、悲しいのはリフティング20回が12.5kgしかできない。標準以下であり、男の沽券にかかわります。五十肩以来ゴルフもしておらず、肩の力がなくて腕立て伏せもあんまりできない。ああみっともないということで、それがモチベーションになりますから男性の方は女性トレーナーがお奨めですね(僕だけか?)。ところが両足を開く外転筋はマシン最高重量の150kgが楽勝でどうだ見たかとなりましたが、実は自分が驚きました。要は尻が大きいせいでしょうか、ともあれ高校時代の遺産がまだ減ってない。そうか、この体力のお釣りで自分は生きて来たんだと思い知りました。

始めて1か月半ですがいまはお尻で歩いてます。昔はこうだったし膝痛はそこそこ消えました。35あった体脂肪率は25に落ちました。おかげで64才は吹っ飛んで、20代に負けないぞ、投げれば130km出るぞぐらいの気持です(気持ちだけ先走るのは危険ですが)。病は気からと言いますがビジネスも気からなんです、シニアの皆様、体を鍛えればどんどん前向きなアイデアが出てきます。生き方もポジティブになりますよ。トレーナーのSさんに感謝であり、本当にチャレンジしてよかったです。

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「社会的人格」はストレスの源泉

2019 MAR 12 1:01:09 am by 東 賢太郎

以前に「社会的人格」などという造語を書いたことがあって、生きていくために社会に合わせて作ったウソの自分ということですが、生まれたままのナマの自分というのはなかなかここにも書きにくい、きっと嫌な奴なんじゃないかという気がしていたのです。社会人というのは好かれてナンボでもあるので、特に営業をしてましたしそういう迎合が必要と思っていたと思います。

いまはもうぜんぜん必要なく、無理なことをするとストレスをためて健康に有害であります。もともとお世辞は言いませんが、好かないものは好かないと相手に言わないのはストレスだということがわかってきました。ならば言ってしまおう。健康の方が大事だから嫌われたってかまわないし、素のままの自分を受け入れてくれる人以外は長くは続きません。

となると、やっぱり、どう育てられたかというところに帰着するのです。クラシック好きは赤子から鳴っていた親父のSPレコードのせい。おふくろの作法で朝は紅茶しかだめだし勉強の前はコーヒーしかだめです。社会や人生については親から言い聞かされたお披露目はできない多くの「思い込み」があります。たぶん根拠のない偏見ですが座標軸として完成してるので変えようがありません。ふりかえってみると、親父は徹底した教育者でありおふくろは座標軸を作った人です、それもかなり特異な。

医師に「ストレスを減らしなさい。寝ても減りませんよ、努力して減らしてください」といわれ困ってしまい、実はいろいろ試しているのです。「なんでもいいからスカッとすることをしなさい」と言われてます。でも何してもだめなんです。そこで「どう育てられたか」に素直に行こうとなった。うん、たしかにこれがいいなとなってます。

 

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池江選手、「絶対に何とかなる」と信じて

2019 FEB 12 23:23:11 pm by 東 賢太郎

別稿をupしようと思ったら池江選手のニュースを知りました。ショックを受けています。ご本人の未だに信じられないというコメントがつらい。

しかし、想像にはなりますが、あれだけの記録を出して勝ち抜いてこられた人です、きっと、なにか生まれつきの強いものをお持ちなはずです。申し上げたいのは、ぜひともご自分の運を信じられること、「絶対に何とかなる」という気持ちで日々過ごされることです。

これまで池江選手の水泳を応援してきましたし、これからもするのですが、まずは、日本中が病気からの全快を応援してくれるでしょう。それを自分の運の追い風にされれば、きっと健康になり、あれでかえって強くなったという日が来ると確信しています。

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人生初の点滴をする

2018 DEC 22 8:08:25 am by 東 賢太郎

新幹線で名古屋を過ぎるとだんだん血が騒ぎだす。不破関を抜けると関ヶ原古戦場跡の文字が見え、雪を頂く伊吹山をのぞみながらやがて長浜の郊外を走る。ややあって、彦根の佐和山城跡が目に留まり、あれは石田三成の城だったかななどと考えているとあっという間に京都に着いてしまう。秀吉は長浜で初めて城主となり京都で人生の栄華を極めたが、新幹線に乗ってその行程がほんの2、30分で窓の外を通り過ぎるのを見たらなんと言っただろう。

戦国時代が面白いのは登場人物たちが実に生々しく人間くさいからだ。領土拡大の野望丸出しで合戦に明け暮れ、食うや食われるやの虚々実々の権謀術数が尽くされる。しかしこれを戦国時代と呼ぶなら武士が政権を取った鎌倉時代から実質は戦国時代である。世襲による長期安定政権を樹立した徳川家は実質は疑似天皇化していたが、武家政権ではあるゆえにその樹立以前のジャングル状態をあえて戦国と区別したと思われる。その理屈でいうなら中国に戦国時代でなかった時代などないだろう。

自分の企業を経営するのはジャングルで生きぬくことだ。ジャングルに盆も正月も土日も休日もない。ハワイでアロハシャツで休暇をとっても頭の中は安らがない。信長や秀吉がホリデーに1週間も温泉三昧で息抜きする姿なんて誰も思い浮かばないだろう。彼らの気持ちは給与所得者(社長であろうと)には絶対わからないということを僕も経験してみて初めてわかった。だからだろう、そうやってストレスフルな人生を送ったであろう武将たちが命を懸けた関ヶ原のあたりに来ると血が騒ぐのだ。兵どもが夢のあとの文学的な感慨ではなく同胞感からだ。

これを8年やってきた勤続疲労が出たのか、このところ心身とも調子がいまひとつだ。別にどこも痛くも痒くもないが、英語ならout of orderであり、もっとぴったりに書くなら、指は動いていても調律が狂ってるピアノを弾いているいやな感じだ。これを大阪の守口に行って、ラヴィータ・クリニックの森嶌先生に訴えた。「病気じゃないけど心身とも疲れていて万事がすっきりしない」。こんなのを治す薬はない。でも先生のドイツ製の精密な診断機器である「バイオ・レゾナンス」は数値で答えを出してくれる。だからここの予約は数週間待ちで常に満員御礼だ。

ものの30分の検査(といっても服を着たまま座ってるだけだ)で結果が出る。「全身の代謝、血行が弱ってます。”腎”が良くないから鼻づまり、耳鳴り、頻尿です。これは漢方で治ります。臓器のシグナルが全部弱く、脳細胞の膜がストレスにやられる可能性があります。東さん、かなりひどい数値ですね過去最悪の状態です、放っておいたらまずかったですよ」という診断データのリーディングになり、すぐに別室で2時間の点滴を受けろということになった。看護師さんがとんでくる。「すいません、63才なんですが点滴は人生初めてなんで」「ええっ?そんな方おられるんですね、初めてです」。そっちも初めてだったんだ。

「入院したことも、そもそも病院のベッドに寝たこともないです」。これは看護師さんにはひとかどの驚きだったらしく、血管が細いだのああだこうだうるさい患者に細心の注意で痛くなく注射をしてくれた。「これ押して歩いてもトイレに行かれても結構です」。名前は知らないが入院患者が点滴しながら歩く時の車輪がついて薬剤がぶら下がったあれだ、あれが装着されてしまう。とうとうその身になったかと感慨もひとしおなのは、いつもは大丈夫?と心配する側だったが、される側になってみると意外に悪いもんじゃないと思ったせいでもある。

なにせジャングルで戦う身だ。ライフルを構えているそばから「ところで五十肩のほうは最近どうだ?」なんて心配してくれる輩がいるはずがない。つまり入院経験がない以前にケアされた経験がないのだということに気がついた。そうか、はやいことジャングルはぬけだしてやさしくケアされて生きるのも一法だな、すぐボケるだろうけどなんて考える。打ったのは「αリボ酸+VB」と「高濃度ビタミンC」である。点滴しながら森嶌先生がベッドの横にやって来て、ある重要な相談をされた。実は今日来たのは患者としてではない、相談に乗ってくれと招かれたからで、でもそれがなければ点滴もしなかったわけで幸運だった。

内容はまだ書けないが、実現すれば画期的なアイデアである。こうやって血が騒ぐのはまだまだジャングルにいたいからでケア人生なんか到底無理ということも知る。どうやろうかと考えているうちにウトウトしてしまい、終わりましたと起こされたらなんとなくすっきりした感じはあった。帰りに処方されたのはツムラの漢方4種類(かなりの分量だ)、オメガー3、植物発酵由来LPS(リポポ酸)である。「先生、ありがと、来てよかったよ」お礼をいって日帰りしたが、新横浜で降りたのが失敗だった。22時なのに菊名までの混み方が半端じゃない。もう2度と使わない、品川にするぞ。

タイガー・ウッズと親父のスマホ

2018 JUL 24 1:01:14 am by 東 賢太郎

先日マッサージで筋肉は50才と言われ、お世辞かなと思いつつも親に感謝した。人間ドックでも何も異常ないし、先月に疲れがたまってか睡眠が浅くなり膝も痛く、CTスキャンをしてもらったが、やはり何もない。10代で鍛えた貯金かもしれないが、体はけっこう強いのだと思う。

しかし、健全な体に宿っているはずの精神の方だが、いろんな心労がたまっていて健全かどうか。事業をするというのは泳ぎ続けないと生きられないマグロみたいなもんで休息などない。もちろん夏休みは考えるが、どこに居ようと頭の中は寝ても覚めても仕事づけだからあんまり意味はない。

去年5月のタイガー・ウッズ

そんな中で、とても元気をもらったのは、今年の全英オープンを6位タイで終えたタイガー・ウッズだ。これは事件だ。一時はトップに並んであわやと期待させたが昔の彼ではない、例の不倫スキャンダルで見る影もなくボロボロになって姿を消し、去年5月29日には飲酒だか薬物だかをやって運転した疑いで逮捕されてこんな顔だったのだ。これを見たときは心底悲しかった。というのは全盛期の彼のプレーを2001年の全英オープン(ロイヤルリザム&セントアンズゴルフクラブ)で間近に見て、ドライバーの打球の凄さと神業のごときショートアイアンの切れに絶句したのが昨日のことのようだからだ。あんな人がそこまで落ちてしまうのかというのに驚いたが、今回の復活はそれに輪をかける驚異である。持って生まれた精神力だろう、ぜひマーラーの2番を鳴らしてあげたい。

今年の全英オープンでのウッズ

もう一つ事件があって、母が逝ってひとりで施設に住んでいる親父がなんと突然にスマホをやりたいと言い出して、なんでだときくと「電車に乗るとね、みんなあれをのぞいてるんだ。私だけだよ、見てないの。よぼよぼのおばあさんまでやってるんだよ」とそれが悔しいらしい。この年齢感覚のなさは確実に遺伝している。親父はガラケーも関心を示さず携帯電話は全くの初心者で、文字入力はおろか電話のかけ方もぜんぜんだめであったが、息子が少し教えたところ、きのう「ありがとう」とショートメールが来ていてぎょっとした。ちなみに94才だ。

つまり、体さえ元気なら何才だろうが復活もできるし新しいことだってチャレンジできるのだろう。では、何をやろう?もちろん。お客様に喜んでもらうことだ、それこそが常に僕の最大の喜びになるのである。しかし、最近もう一つ感じるのは、苦しい時に助けて下さった方々には絶対に恩返しをしないと死ねないということ。

いま、反対に苦しい方もおられるし、第2の人生に進まれる方もおられるし、いま現在に救いの手を差し伸べてくださっている方々もたくさんおられる。どういう形になるかはこれからのことだが、win-winの成果を大きくあげられるよう、ここは僕が徹底的に戦ってみようと覚悟を与えてくれる2つの事件であった。

 

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加地卓
金巻芳俊