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株式道場ー個人投資家への警鐘ー

2014 JUN 11 14:14:01 pm by 東 賢太郎

「日本の投資信託には運用成績が良いのに残高が減るものがあるのはなぜですか?」とイギリス人にきかれたことがある。たしかに調べるとその傾向がある。程度の低い証券会社の営業マンが「もう上がってしまったので次のを買いましょう」と乗り換えをすすめて手数料を稼ぐというのはある。しかしその無意味なおすすめに手数料まで払って乗る投資家のレベルの低さにも原因はある。

前回、為替と株は違って、為替の予測は理論的根拠に基づいてはできないと書いた。つまり株に比べればFXはバクチ性が強い、というより僕の定義では完全にバクチである。だからFXだけで運用する投信はないし、出してもそんなものを信用して売る証券会社も買う投資家もいない。某新聞で円ドルレート当てコンテストをやっていたがなんの意味があるのかさっぱり不明だ。**さん見事的中というとへえすごい能力だねなんて感じると思うが、宝くじと同じで必ず誰か当たるに決まっているだけだ。So what?  (だからどうしたの?)である。**さんが5回連続で当てれば凄いが、そんな超能力者は投票する暇があるなら宝くじを買った方がいい。

ところが株の場合は5回連続はなくとも5回で3回程度は当てる**さんが、稀ではあるがいないことはない。株は理屈で動く、というよりも正確には、理屈で動くと信じている参加者が圧倒的に売買高シェアが高いから理屈に添って動くことが期待できるのだ。投信を買うということは**さんを見つけて、その人のご指南で売買するということである。そしてもし運用成績が良いのならその**さんは能力がある。能力とは継続して当てる力のことをいい「再現性のある能力」という。一発ホームランではなくこつこつヒットを重ねて何年も3割を打つ打者のイメージだ。そういう人は本物だからその投信を売ってはいけない。「自分年金」の一部に組み入れるべきだ。

株式の運用と言うのは理屈だけでもない。周囲の投資家たちの行動を予測して動く、つまり彼らが信じている理屈を見抜いて先回りすることが重要だ。理屈が静的な分析ならこれは動的な分析であり、それを経済学者ケインズは「美人投票だ」と看破し、それを自分で実践して大儲けした。AKBの総選挙の1位当てトトカルチョだと思えばいい。あなたが1位にしたい子ではない、みんなが投票するに違いない子に投票しないと賞金はもらえないのだ。

ただ現実の世界はもう少し複雑であり、僕は麻雀というきわめてよくできた知的なゲームに近いものを感じる。自分の手から上がれる役の大きさと確率を考えることが静的な分析、そして他の3人がどう切ってきそうかテンパっていそうかの動的な分析で判断が刻々変化する。麻雀のうまい人は時々大勝ちする人でなくいくらやっても負けない人だ。それは「再現性のある能力」がモノをいう世界に他ならず、だから株の世界でそういう人を見つければ長期間安定して稼いでくれるだろう。年金とは長期間安定してお金が出ていく仕組みだからそれは貴重なことだ。その人は給料を払ってでも手放してはいけない。

「もう上がってしまったから乗り換えましょう」というのはセールスマンの商売文句だ。一企業の株式ならそれは正しくないことはない。トヨタがいくら収益力があっても無限に株価が上がるわけではない。行き過ぎれば下がる。だから投信にはファンドマネージャー(fund manager)という人がいる。行き過ぎた株はその人があなたの代わりに売って、そうでない株に乗り換えてくれる仕組みになっている。その投信ごとあなたがそれをやる意味があるとすればファンドマネージャーが無能な場合だけである。成績が良かった人を有能かどうかまだわからない人に交替するのは合理的な判断ではない。

株はバクチではない。世界中のインテリが多大なコストをかけて企業調査をしてコンピューター執行など英知の限りをつくして的中コンテストをやっている。その成果が年金や健保などの支払い原資になって国民の生活を支えているから彼らは継続して勝つことを求められている。株の世界に全勝はなく、5打数3安打なら大変に立派な「打率」である。その打率をずっとキープできる人が優秀とされるのであって一発屋はいらない。原理的に一発屋しか現れようのないFXや宝くじで年金運用するということは、だから原理的にありえないのである。

「この株は上がりますか?」という質問は無意味、無益だということがもうお分かりだと思う。打席に向かうイチローに「つぎはヒットですか?」ときくようなもので「そんなこと知りません」または「はい、3割の確率で」が答えだろうし、彼がその質問者の質問に二度と回答しなくなるだろうことまで予測できる。「この株が上がりますよ」などとささやくセールスマンは大嘘つきか、「ホームランのサインが出てますよ」と同じほど滑稽なことを言って平気な人である。万一そうでなければ100%インサイダー取引だから刑務所に入る危険があると判断した方がいい。

投信の運用者(ファンドマネージャー)はセールスマンの勧誘とは無縁の人たちだ。自分の哲学で売買する。結果だけが彼らの評価だから包丁一本の世界でもある。欧米だと**さんを金持ちたちが競って探している。銀行に預けておいても低利だし、銀行がつぶれるリスクも高まっているからだ。自分の資産だからその真剣度合いはヤンキースのオーナーがマー君を採るのと一緒だ。**さんも人間でやる気を出し続けてもらわなくてはならないから大金も払う。だから、「彼はもう10勝したから来年は他のピッチャーに乗り換えましょう」なんてことは絶対ないのである。成績の良い投信を乗り換えるというのはそれほど理不尽なことで、そんなことを勧誘してくる証券会社とはつき合わない方がいい。

ネットで株売買している個人投資家はほとんどがFXと株が違うということを知らないように見える。仮に知っていても個人の企業情報はアクセスはともかく分析力に限界があるから掲示板や他人の書き込みに頼ったり一喜一憂したりで、FXのミセス・ワタナベと大差ないことになるだろう。理屈や情報分析ぬきに売ったり買ったりだけする人を「トレーダー(trader)」と呼ぶ。投信の運用会社ではファンドマネージャーとトレーダーは部署が別で、人間のタイプも評価体系もぜんぜん違う。分業体制なのである。何故かというと、両方うまい人はいないという長年の経験則から各々のプロを置いた方がコストは増えるが勝率は上がるという判断を運用会社の経営者がしているからである。

だからデイトレーダーとはよく言ったもので個人投資家はファンドマネージャーぬきの片肺飛行の投資家だ。赤字で無配で純資産価値も低い紙同然の株を買い上げるなど、FXと勘違いでもしていない限り常人の神経では恐ろしくてとてもできるワザではない。そうやってバクチ打ちとして一発当てる才能ある人はいるだろうが長く勝つのはほぼ無理で、デイトレに**さんが現れる確率とWカップのタコのパウルが現れる確率とで大差があることはないだろう。特にコンピューターのアルゴリズム取引が売買代金の大半を占める大型株ではマンパワーで入力するトレーダーはいい「獲物」である。

僕はリーマンが破たんしてすぐにその東京のアルゴ・チームを丸ごと採用した経験がある。彼ら(全員米国人)から意外な手の内をたくさん知ったが、例えばあるアルゴリズムは人力の売買注文がインプットされた瞬間にマイクロ秒(百万分の一秒)単位の速度でサヤぬきするようプログラムされている。あなたの瞬き(まばたき)は一回約三百ミリ秒(三分の一秒)だから、一回パチリとやる間に千回ぐらい売買できるほどの速さである。「ロボット取引で証券市場が混乱している」等のよくわかっていない人の本やコメントがあるが、混乱どころではない。あなたが獲物になっているのである。証券会社で僕の部下だったプロのトレーダーで「アルゴが出てきてもう勝てなくなった」とデイトレから足を洗ってしまった人を何人も知っている。

中小型株はアルゴがいないからトレーディングで確実に負けということはないが、小さすぎて証券会社が商売にならず、あまり調査情報を流さないから片肺飛行の危険度は大型株よりもずっと高い。妙な情報に騙されて高値づかみしたら売るに売れなくなったりして大損する。だから掲示板や2チャンネルなどで低クオリティのあるいは嘘の情報を流して売り抜けようともがいたりする。日々の売買の利食いなど知れているからそういう人は小さく勝って大きく吐き出すということになり、これまたプロの餌食になることが多い。投信のファンドマネージャーが必ずプロという保証はぜんぜんなく、、僕の経験からの私見では90%は玄人に近い素人と変わらないか、習熟度や知識レベルは高いが性格的に向いていない人である。長いことやれば誰もが麻雀の達人になるわけではない。しかし一つだけ言えるのは、少なくとも情報量だけは個人よりあるということである。

僕は35年もプロの側にいる。そこから眺める日本国の株式投資業界を俯瞰するに、暗澹たる気持ちを抱かざるを得ない。そこで給料をもらってきたという責任の一端は自分にもあるわけであり、お知らせすべきこと、株式投資というものの本質について広く知らしめることは義務と思う。学校は文科省も教師もそういうことは無知だから何も教えることはできず、証券会社が顧客にそれを教える気はなく、役所ですら年金利回りを詐称したりする国なのである。「自分年金」をお作りになるしかない環境の中で、ご自身の老後へ向けた資産防衛に少しでも役立つことを書いていきたい。

 

 

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どうした広島カープ?

2014 JUN 10 23:23:34 pm by 東 賢太郎

交流戦が始まったのは5月20日でした。その時点で「3週間後に交流戦で12球団最下位になっているチームはどこでしょう?」と質問されて「広島」と答えた人はほとんどいなかったでしょう。

半世紀にわたる古参カープファンである僕にとって、「鯉のぼり」は4月末~5月初旬の、そして「鯉くだり」は5月半ばの季語です。ああ今年もその季節になったか、早いなあ。そうして初夏の空気を吸って、さあ初鰹だとなるのが僕の体にしみついた歳時記のリズムです。

ところが今年はそれが6月まで延びた。おかげで僕の季節感も時差ボケをおこしています。なんだ、えらい梅雨入りが早いなあ、エルニーニョ現象か?今年のカツオは水あげ激減だそうで、それでコイがくだらないならカツオはいらんなどとわけのわからんことをいって鮨屋を困らせます。

人間のやることだからいろいろあります。いま思うと、交流戦にのぞむインタビューで丸と木村が「交流戦は嫌な思い出ばかり。ロッテ戦に十何点取られたり。勝てるイメージなしです」と言ってました。首位チームの余裕のつもりだろうが、心のスキです。そんなだからソフトに十何点ちゃんと取られる。ゴルフでパットの時に「いやな距離ですね」なんて自分で言ったら入らないというのは勝負師の常識です。

初戦の苦手ソフトバンクに篠田の先発ときいて、えっと思いました。案の定、血祭りにあがった。やりくりしてでもマエケンかバリントンで必勝の心意気でのぞむべきだった。篠田には悪いがいかにも球が軽いのに軽率な球が行く。12年9月に神宮でヤクルトの畠山に食らった一発でチームが失速して結局CSを逃したのが目に焼きついていて、ソフトの松田みたいに何も考えてない動物的打者には危ない感じがする。監督の心のスキ。あの初カード連敗で丸、木村はまさに勝てるイメージなしのスイッチが入ったんじゃないかなあ。

2人が嫌だと思っているロッテ戦でブラゼルに逆転3ランを食らったのが分岐点だったかもしれません。全員ショックでやっぱりアカンのモードに入り、結局パの上位2チーム(ソフトとオリックス)に4つずつの全敗。しかもあとを引くボロ負け。東京ドーム巨人戦状態になってしまった。オリックス戦は元いたからかしらんが迎のスタメンも篠田と同じぐらいいかんですね。おいそこまでチームやばいのという感じになる。まじめな選手が多いらしく、シュンとなると蛇に睨まれた蛙みたいになってしまいます。

マエケンは肘が大変心配です。2年前より球威がちょっと落ちている感じがあります。今日も筋肉痛で登板回避になりましたが、一ヵ所おかしいとかばって他に出ます。そうじゃないといいが。一岡は右肩でもっと心配です。投手は肩をやると致命傷で日ハムの斉藤みたいになってしまうこともあります。ミコライオが奥方出産欠勤でクローザー候補といわれ無理したか。回復を祈るしかありません。

いまはきっと負けて帰るバスの中なんか真っ暗なんでしょう。だから関係ない外人までおかしくなっています。あのバリントンまでめった打ちですから。九里なんかかわいそうに先輩が負け犬で気持ちが位負けしたらそりゃあ打たれますよ。ついに大瀬良まで轟沈してしまった。ミッドウエー以後の日本軍はこういうことだったんだろうかと思うと悲痛な気がしてきます。

まあ勝負は水物です。シーズンはまだ長い。監督はあたふたせず選手を責めず、でんと構えていてほしいです。

 

 

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シューベルト交響曲第9番ハ長調D.944「ザ・グレート」

2014 JUN 9 23:23:54 pm by 東 賢太郎

great大学3年の秋にNHK FMでカール・ベームがウィーン・フィルを指揮したこの曲と8番の放送がありました。それをラジカセでエアチェックしましたが、それとゲルト・アルブレヒトが同じオケを振ったシューマンの2番、そしてミヒャエル・ギーレンがベルリン・フィルを振ったブラームスの1番という3つの交響曲録音が僕の宝物でした。シューマンのカセットは無念にも紛失してしまいましたが後の2つはCDRに焼きなおして(写真)、ラジカセ収録とは思えない良い音で残っています。

ベームの9番は77年6月19日聖カール・ボロメウス教会とあります。これは正規録音がありませんがあまりに素晴らしい演奏であり、教会の残響に柔らかく溶け込むVPOの音響は音楽とともに「天国的」です。下宿でこのカセットをヘッドホンで何度も何度も聴いて僕はこの曲を記憶しましたし、この録音の見事な音響が後に僕の独墺系のオーケストラを再現する際の好みを決定づけたという意味で非常に重要な演奏です。

room右がその好みから機器を選び、それをいろいろ調節した現在のリスニングルームです。壁も床も石なのはオーディオの常道に反します。アンプやスピーカーの個性が薄まるからです。しかしそれはオーディオマニアの理屈であって、音楽マニアとしては個々のパーツの個性よりもトータルに出てきた音という「最終結果」だけが関心の対象です。だから部屋ごと鳴ってもいいと思い、こういうことになりました。

僕はヴァイオリンの高音が金属的なのが大嫌いです。モーツァルトもそうだったらしくトランペットやフルートpreampも刺激的だと嫌っており、柔らかいヴァイオリンの音色は「バターのようだ」と褒めています。この9番の弦はバターのような音で鳴り、この部屋全体が音に包まれて教会のようになります。それに右のブルメスターの808というプリアンプで高音と低音のヴォリュームを別々に調節すると、トスカニーニやセルのようなハイ上がり目の録音でもそこそこうまくバランスしてくれるように感じます。

 

さて、この曲は演奏時間が約1時間かかる音楽史上初の大交響曲であります。ベートーベンの第九があるではないかと思われるかもしれませんが、第九は最終楽章がカンタータでソナタ形式ではなく、真の形式を満たしたという意味でこれが最初です。直接的にはこの曲を発見し「天国的な長さ」と評したシューマンの同じハ長調の2番、さらにその先にはブルックナーが後継者として控えます。

後世のブラームスが脱しきれなかった先達ベートーベンの影響は終楽章のテーマにうっすらと感じられる以外ほとんどなく、歌に満ちた幸福な音楽はむしろ対極にあり、真にシューベルティアンな天国のような転調は麻薬的?常習効果をもたらすとすら形容したくなります。最も好きな交響曲のひとつであり、聴かなくてすんでいる時期もあるのですが、いざ一度聴いてしまうと10種類のCDを立て続けに聴いてまだ足りないという困った状態になる曲です。

指揮者サイモン・ラトルが言っていますが、病(梅毒)を患ったシューベルトの心の闇がロ短調で暗くて重い8番(未完成)に描かれたとするなら、この9番はそこからの出口の見えない脱却かもしれません。同じ音型の際限のない繰り返しは当初演奏不能とまでされましたが、何かの飽くことのないだめ押しか、それとも逃げ切れない逃避なのかもしれません。作曲とスコア発見の事情に関しては拙稿をご覧ください。 シューベルト交響曲第8番ロ短調D.759「未完成」

この曲は巨大な弦楽四重奏であり、その終楽章はあらゆる音楽の中でも特筆すべき明るさと精神的な活力を与えてくれます。楽員が真の共感と情熱をもって演奏した場合に限られますが、「生きる力」「明日への希望」をこんなにくれる音楽は僕は他に知りません。ベートーベンの運命交響曲は我々を外的な力で有無を言わさず鼓舞しますが、このザ・グレートは心の内面の力で精神を熱くし、体の奥底に火をつける感じがします。

この曲の天衣無縫で完璧かつ法外な美しさを僕ごときが文字であらわすのはとうてい不可能です。何をどう考えても無理、無力と感じるしかないというどうしようもない規格外、超弩級の作品です。作り物めいた部分が皆無であり、同じ音型の反復が少しも退屈でなく、神の造った発酵食品のようなコード・プログレッション(和声進行)は一度覚えたら病みつきになるしかありません。この曲を知らずに死んでしまうことだけは避けて下さい、というのが凡才のお伝えできる最上のメッセージと思料いたします。

 

カール・ベーム / ドレスデン国立管弦楽団

uccg5228-m-01-dl上記録音が市販されていないので仕方ありません。ライブですがルカ教会ではなく録音は残念ながらやや落ちます。その音響のせいかむしろ筋肉質で引きしまった推進力に魅力がありこれはこれでベームの良さが出ています。ウィーン・フィルとは東京ライブ(75年3月19日、NHKホール)が出ており、これも名演です。翌日が入試の発表日で聴くモードにありませんでしたがたしかFMで聴いて大いに感動したのを覚えています。

 

これは上記VPOの演奏と日付は違うが同じ年の演奏のようです。

 

ロリン・マゼール / バイエルン放送交響楽団

512DWKVbnML__SL500_AA300_むかしのマゼールはいいが最近は・・・と思っていました。同じ意見の人は多いようでどうも彼は大家というよりテクニシャンの印象があります。しかしこれを聴いてやっぱり凄いと思いましたのであえてここに挙げます。全集ですが2番、4番もいいです。第1楽章序奏部の最後を加速せずという解釈ですが主部への入りが見事。終楽章のテンションの高さと自信に満ちあふれたメリハリは最高で、オケが指揮に安心して乗り、最高の自発性を持って渾身の力で鳴り切る様は文句なし。ティンパニの最後の決めの一発の貫録たるや千両役者の風格です。

名曲中の名曲ですからその他、名指揮者の録音が多数あります。フルトヴェングラーはBPO,VPOで42,43,51,53年とありますがそれぞれ独特のテンポのゆれがあり、42年の終楽章など意味不明の奇演の領域に至っており僕はついていけません。しかし53年8月20日のザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルを振ったものは大変すばらしい。

どれも彼のベートーベン演奏の路線上にある解釈で終楽章コーダの追い込みはすさまじく、ヨッフムがゆっくり目のテンポで動機を丹念に紡ぎだすブルックナー寄りの解釈をしているのと対照的です。ワルターは抒情的、ロマン的な表現に比重がありコーダは彼がフルトヴェングラーと全く違う資質の音楽家であることを示します。youtubeにはサヴァリッシュ(素晴らしい!)、ムーティ、ガーディナーがVPOを振ったものがあります。

ムーティが終楽章でクナッパーツブッシュと同じコーダ前のユニゾンを大きく減速するのは意外でした。クレンペラーの悠揚迫らざるテンポは良いですがオケの魅力がやや落ちます。セルはクリーヴランドO.の高性能が耳に焼きつきます。カラヤンは彼にしては強い個性を感じません。

 

シューマン交響曲第2番ハ長調 作品61

 

クラシック徒然草-僕が聴いた名演奏家たち-

 

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僕の愛国心というもの 日本のルーツ 序章 (今月のテーマ 出雲)

2014 JUN 8 21:21:30 pm by 東 賢太郎

 

僕が先日に出雲へ行って感じた愛国心というものをご説明するには、ずいぶんと長い長い前置きが必要になります。それは海外で16年暮らした僕の今に至る半生をかけた思いであり、お読みいただければ幸いです。

 

クニとは何か?

あなたが「おクニはどちらですか?」と初対面の日本人に尋ねてみたシーンを想像してください。相手に「日本です」と真顔で答えられたらどうでしょう?あなたはおそらく絶句するに違いなく、しばらくして、ふざけるなと怒りを覚えるか、なにかまずいことをきいてしまったかと心配するかもしれません。このクニは「郷里」を意味するのが正しい日本語であって、それを理解しない人が「日本です」と答える、つまり日本人であると宣言するというのは何か大きくて空恐ろしい定義矛盾であって、そういう場面に遭遇することを我々はあまり想定していません。

ペンシルヴァニア大学に留学したてのころ、僕はその日本的な「おクニはどちらですか?」感覚で、軽い気持ちで初対面のアメリカ人にWhere are you from?とよくききました。すると、Where?  What do you mean? と怪訝な顔でききかえされることが多く、New Jersey. など即座に答える人もいましたが、どうも妙なことをきいているのかという一抹の不安が常にありました。天下の誇り高きアイビーリーグの学生に「おクニは?」ときくと「ずいぶん訛ってますね」ととる人もいるというということを知ったのは後日のことです。ましてご先祖の出身国などはきかない方が安全でしょう。彼らはみんなそれを捨てて「アメリカ人」であることが誇りなのです。それを喜んで答えてくれたのはピルグリム・ファーザーズの末裔であられた女の子だけであり、だいたいが米国人は母国で貧しくて危険を冒して海を渡ってきた人ですから触れたくない場合も多いのです。

次はところ変わって、野村時代に中国は福建省の福州から山奥に6時間走った農村でのことです。大雨で日帰りの予定が想定外の宿泊となってしまいました。仕方なく日本人が誰も行ったことはなさそうなホテル?の食堂でくつろいで酒もまわり、日本語でわいわいやっていました。すると隣のテーブルの地元のオッサンが大きな声で何か話しかけてきました。いかん、まずかったかなと思うや、通訳が笑いながら「東さん、どこのクニの方言?ときいてますけど・・・」。ド田舎ですから彼は我々を日本人はおろか外国人とも思っておらず、どこかの少数民族と思ったんでしょう、日本語を中国の方言だと思ったのです。中国では国をきくのは非礼でもなく、お互い言葉も通じないのがいかに普通かうかがえるでしょう。

クニと国の違いは各国でこれまた違うという難儀

米中の「クニ」は日本のクニではなく、米国人のクニと中国人のクニもまったく違います。そしてその3つのクニは、これまた「国」とはどれもがそれぞれの違い方で違います。そしてさらに厄介なことに、それは英国で、ドイツで、スイスで、香港で違い方がみんな違います。例えば英国ですがイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの代表チームがWカップ参加資格があることはご存じと思います。こういう国でWhere are you from?ときくのは、スコットランド人が英国人(一応イングランド人の訳語)と思われることに誇りを持っていることなど絶対にありませんから米国より危険度は少ないでしょう。ただそういう「違い」ぐらいは2,3年も住めばわかるでしょうが、「違いの違い」を知るにはもっと多様な経験と観察を要します。

今ふりかえってみると、僕の中で「その違いのわかり度合い」というのにはグレードが存在していて、管理職になってしまっていたスイス、香港ではその理解度がずいぶんと表面的で甘いことに気づきます。逆に、学校で米国人と競って落第しないかひやひやし、仕事の現場で英国人のお客に怒られ、ドイツ人の行政官にガキ扱いされてこの野郎と憤慨するような「底辺人生」だった米英独のそれは肌身に染みてわかります。スイス、香港に2年半ずつ住みましたが、管理職はいわば「お客さん扱い」されていてそういううちはわからないことです。

そのグレードの差というのは僕にとって野球を見るのとサッカーを見るぐらいの大差です。現場で苦労した、戦ったという体験はそのぐらい大きい。例えば、野村證券ではお客様から注文をいただいて伝票を書くことを「ぺロをきる」といいましたが、それが初めての時、どれだけ手が震えるほど重かったか、それは野球場で球を追っかける経験と同様やった者しかわからないという性質のものです。野村では「株の怖さというのはぺロをきらないとわからない」と教わりましたがまったくその通り。だから野村のベテラン社員でもぺロをきったことのない人を僕は1分で見抜けますし、そういう人と1分以上株の話をしても時間の無駄と即座に判断します。

愛国心と愛郷心もこれまた違う

僕が愛国心というものを明確に意識し、日本という「国」の姿を初めて意識するには5か国に住んでそういう経験を10年はする必要がありました。その前から愛国心らしきものはありましたが、それは今思うと愛郷心、生まれ育ったクニへの愛情です。そこに「国」という姿は、あったつもりではいましたが、それは五輪で掲揚された日の丸を見た時の熱い感情のようなエモーショナルなものにすぎず、今の僕の目から見て愛国心と呼べる次元のものではありません。君が代で起立しない者が総理大臣にまでなる時代ですが、彼らもWカップでは日本を応援するかもしれず、クニを愛することと愛国心があることとは別なのです。

いま、僕の愛国心はクールで静かで冷徹なものです。それは、アメリカで厳しい教育を受けたからだろうと思っています。世界の支配者であるアメリカが自国のエリートを育てるための教育、いわば原爆を広島と長崎に無慈悲に落とした側の本丸で支配者の本音の教育を一緒に受けたからです。あのビジネススクールでのMBAカリキュラムの勉強という理不尽かつ殺人的な物量、そしてそれをこなすべき日程のいじめとしか思えない気違いじみた短さに比べれば日本の大学など至極常識的で、だから僕は学歴欄にはペンシルヴァニア大学経営学修士と書きます。そんなものは日本ではほぼ理解されませんが、あまりまじめに勉強しなかった東大よりそれのほうが実感にずっと近く、その後の人生への影響の甚大さからして当然のことです。

その上で、僕は11年半のあいだ欧州で日本株を欧州人に売るというこれまた英語による理不尽な学習量と時間に追いまくられるハードな仕事をしました。そこで付き合ったお客様はみな歳がやや上の、最上級の教育を受けた欧州のエリート層です。欧州の金融界というのはそういうところであり、日本の銀行は入れてもらえませんが当時世界最強レベルのパワーがあったノムラは名誉メンバー待遇でした。そしてそこである驚きの現実を知りました。彼らがいかに米国を「上から目線」でカウボーイ国家と見ているかということです。その米国に敗戦した国に生まれ、その米国で勉強して誇りを持っていた僕はそこでまた世界観の大転換を迫られました。だから僕の愛国心と日本観は、そういう中で変転しつつ醸成されたものであり、オラがクニといったエモーションとは遠いものになりました。

そういう目で見た私見と愛国心

僕は、敗戦以来日本は米の属国だと思っています。憲法はGHQ占領下で、すなわち主権在民でない状態で書かれ押し付けられました。日本人は一般にそう思っていませんが、意地でもそれを認めたくないからであり、しかしそれは客観的には厳然たる事実で世界中のエリートもそう思っています。いや、属国は国だからまだましです。他国に土地を与えて防衛をお願いしているわけですから正規軍というものがなく、軍事権(そんなのは元来が権利ですらないが)とそれをベースにした外交権がないというのは世界の常識において地方政府の定義そのものです。家畜か観葉植物みたいなものです。こういうことを言ったり認めたりしないのが愛国心だプライドだというのは現実逃避であって何も生みません。かわいい息子が運動会でビリで泣くから運動会はやめましょうという母親と同じで、結局かわいい息子は将来もっと泣くことになります。

そういう国ですから、政財官ともに「アメリカかぶれ」が権力を握ってうまく立ち回るプライドなき恥ずかしい国になって久しいのです。GHQ占領下の秘密諜報機関であったキャノン機関の長、ジャック・Y・キャノン陸軍少佐がこう言ったという記録があります。「さすがに吉田茂は砂糖をやると言っても受け取らなかったが、知事や警視総監は嬉しそうな顔をした」。私事で恐縮ですが僕は野村のころ3回外資系に誘われました。その一つはロンドン時代、30歳ちょっとの若僧に「年収30万ポンド(当時7500万円)でジャパンデスクのヘッド」という望外なお誘いでしたが、当時すでに同じ敗戦国のドイツ人を含む欧州人エリートたちの強固な自国へのプライドに接して「これだ」と思っており、全部即座にお断りしました。

誤解されると困るのですが、僕は米国が嫌いなのでも、そこで立派に生きておられる日本人の方々を否定する者でもまったくありません。米国の文化や教育の素晴らしさはもちろん実体験として良く知っていますし、そこに住んでおられる方にそもそもアメリカかぶれなど存在しようがない。僕が嫌っているのは日本でトラの威を借りる「アメリカなりすまし」連中なのです。そういう恥ずかしい者には死んでもなりたくないし、いくらカネを積まれても英語ができる程度で買われる高級奴隷になりたくないと思っただけです。砂糖を受け取らないというその判断を今でも誇りに思います。

僕は強固な愛国主義者であるということを外国で隠したことは一度もありません。それが尊皇攘夷派やら右翼思想やらに短絡する国は世界でも極めて稀で、どこの国の人でも母国を愛するのは家族を愛することと同じく当りまえであり、そうでない人は外国では信用されません。政権を支持しない人はどこの国にもいますが国家ごと否定する、国旗も国歌も認めないというのは別な国になれということで、クーデターが起きるような国は知りませんが、日本の左翼以外には世界の先進国でお目にかかったことがありません。出雲大社禰宜の千家国麿氏が床に日の丸を書いた羽田空港に怒りを表明されたそうですがむべなるかなでしょう。

自分が外資系を蹴ったのはその話がいずれも本社の幹部にはなれない高級奴隷だったからです。外国が嫌いなのではなく、奴隷があり得ないだけです。対等ならいいのです。その証拠というわけでもないですが、僕は西洋音楽を平均的西洋人よりはるかに愛していますし、僕の会社には外国人の出資者が2人いますし、学歴は日本のではなく米国の大学名を名乗っていますし、内定をくれた日本企業ではなく米国企業に就職したいと言いだした娘は応援しました。心の中で何の矛盾もありません。何国人が作ろうが良い物は良いですし、米国大学院での勉強は実学として本当に役に立ちましたし、娘の採用はいいものかもしれず、娘の人生は娘のものだと思うからです。

出雲に行って思ったこと

たかだか1度ばかりの訪問ですが、僕が出雲で感じたものは先に書きました欧州各国のエリートたちが仕事を通して僕に教えてくれた強いプライドを思い出させるものだったように思います。それは30歳代だった僕の考え方を根底から変容させるインパクトがあり、日本で同じものは京都にあると思ってそれ以来お客さんを誘って何度も企業訪問を兼ねた京都トリップをやったものです。今も京都へ行くたびにその気持ちは新たになります。京都は僕の愛国心のよすがになりました。東京生まれ東京育ちなのに京都。16年も住んだ海外でできた僕の愛国心がクニ(東京)という次元で発したものではないことをお分かりいただけるでしょうか。

ところが出雲大社や稲田姫神社に参拝し奥出雲のたたら鉄の工法を見たりするうちに、どうもここは京都とは違う、なにかもっと奥深くオリジナルなものの宝庫ではないかという直感が訪れてきたのです。京都というのは平安京遷都いらい天皇家、公家がいたから京都なのですが、京都文化を天皇家が直接作ったわけではなく城下町のようにそれを取り巻く武士、寺社、民衆が育んだものです。一方出雲の方はそこまで「城下」が大きくならなかったからでしょうか、もっと大社や神話の主に直接のルーツがある文化がそのまま地元の人たちの中に残っている、もちろん神話ではなく、現実的、日常的なものとしてすぐそこにあるような気がいたします。

例えば出雲大社の高層神殿建造やたたら鉄工法の最先端科学と合理主義です。ああいうものは細部の処理にまで妥協を絶対に許さないという精神、英語に周到、細心、厳密の注意を施す精神を表す形容詞でmeticulousというのがありますが、そういう精神のない人たちには絶対に起こしえないものです。それは半島の新羅あたりから伝来したタタール由来のものかもしれませんが、カウボーイ文化に近い漁師の気質とは対極的であり、沿海部ながら漁師ではない特別な集団が出雲にいたということは確実でしょう。

北陸人のねばり強さなどといわれますが日本海沿岸部にはmeticulousで原理追求型の性質、気質の人は多いと思われます。僕の父方先祖は能登の半農半漁民のちっぽけな村の出身ですが親戚は理工系技術系ばかりでmeticulousを絵に描いた様な一族です。僕自身もその血を強く感じます。ある本によると古墳の調査から出雲の神話時代の一族が海流に乗って多く移住したのが地形的に漂着しやすい福井と能登だそうです。そういう歴史があったのかどうかはともかく、どこか強い近親性を直感したのが出雲の方たちでした。

神話は完全なフィクションではなく、聖書と同じくある程度の事実を古事記、日本書紀が一般人にもわかるようにして後世に残し、永く信じさせるために神話化したものだと思います。そういう意図があったと仮定して神話を逆探知し、出雲国の真実の姿を探るというような試みは大変に面白いところです。先日、ある奥出雲のご高齢(93歳)の方から立派な直筆のお手紙をいただき、それがまさにその逆探知の手掛かりになるような内容であり、とても興味深く拝読させていただきました。

次回以降、そのお手紙をご紹介させていただきつつ、何冊か読んだ出雲関係本も参考にしながら、「日本国のルーツ・出雲」なる大きなテーマに迫ってみたいと思います。

 

千家国麿様と高円宮典子女王とのご婚約に思ふ -今月のテーマ 出雲ー

 

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友人弁護士の叱咤

2014 JUN 6 23:23:28 pm by 東 賢太郎

この1か月ほど、このブログで書いた新規ビジネス立ち上げへの追い込みに入っています。

ファンファーレは鳴り地震は気づかず

毎日寝ても覚めてもこればかり考えており、夜中の妙な時間に目が覚めてしまい、一歩進んだと思うと翌日後退し、この問題に「解」はないんじゃないかと案ずる気持は今もゼロではありません。考えるといっても、できる、できない、やる、やらないの結論を出すという意味ですから「決断」であり、何かを責任を持って毎日決めなければいけないという作業は、それの重い軽いを問わず、脳科学者によると脳が最も疲れる作業だそうです。

そういう中で先週はご一緒に始める企業さんのトップが見えられ、その他、同業界リーダーの社長、某証券会社社長、信託銀行、外資系債券運用会社、国内系大手アセットマネジメント会社、外資系証券会社、貴金属精錬販売会社と立て続けに重要な会議をしました。もともと頭にあった事業案を「たたく」ためにです。

ところが昨日、そうしてたたいた結論を友人の顧問弁護士に電話すると、「せっかく面白いと思ってたのになんだか普通になっちゃったね。楽天やJAL、ANAが狙ってる時流じゃないか。君らしいさすがだと思ってたのにがっくりだ。難しいのはわかるけど、それをやるのが事業家としての東なんじゃないの」とお叱りをうけてしまいました。そういう自覚はあまりなく、これで目が覚めました。

今の事情、しがらみ、業界慣行、常識論、そんなの無理でしょという周囲の目・・・そういうものに負けていたかもしれません。初めての人に私案を話すとだいたい途中でついてきてもらえてないということがわかり、何から説明したらいいか当方も不明ということになり、どうもダメみたいだという感触ばかりが蓄積して四面楚歌に聞こえてしまっていました。

普通になっちゃったものは見直して、この週末にもう一度頭を整理して初心を思い出そうと思います。

 

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ねこ、名前は「のい」

2014 JUN 6 8:08:02 am by 東 賢太郎

gatao2年ぐらい前だったでしょうか、僕は右の写真のGATAOという猫ラベルのポルトガル・ワインを駅前のリカーショップで買って帰り、とても気に入りました。値段は1300円ぐらいで安いわりにお味の方は軽めで上品なシトロン系であります。どこか気持ちを明るくしてくれる華やかさで、なによりネコのボトルがいいではないですか。ところがそれ以来ずっと品切れで、一度店員さんにあれないの?ときいて、これが似てますとすすめられた甲府ワインがちっとも似てなくて、それ以来忘れてしまいました。そうしたら、先月、ひょっこりお店に1本だけ現れて、やったと思って買って帰ったのです。   不思議なことはおこるもので、家について、さあ飲もうと居間に入ると、いきなりこの子ネコがいました。

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不思議なことは高校3年の時にもありました。受験勉強でひとりで家にいてふと窓の外を見ると、どこから迷い込んだのか誰かが捨てて行ったのか、おんなじように子ネコがひょっこり現れました。それが、それ以来しんどかった浪人生活を支えて一緒に戦ってくれた勝利の女神「チビ」(下は晩年)で、姿かたち、模様ともこいつにそっくりな子ネコだったのです。イメージ (28)

 

89年に享年16歳で逝去したチビ様ですが、家内と長女までが功成り名を遂げた最晩年のチビ様に謁見を賜わった者であり、次女と長男は間に合っていません。もらってきた次女はそれもオスのつもりだったのですが、実はメスでした。それでますますチビ様を思い出すことになったものです。

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忘れもしません。チビが庭に現れたその日のこと。これまた後にも先にもその日しかない珍事がおこって、突然一羽のスズメが窓から家の中に飛び込んできて、出るのに迷ってカーテンの上の方でものすごい音をたてて暴れました。近寄るのも危ない感じで、僕はとっさに逃がそうと近寄りましたが、死に物狂いのスズメに抱いていた子ネコが危険と思いました。ところが、その瞬間です。チビは制止する僕の腕を思いっきりひっかいて脱兎のごとく飛び出していき、カーテンを一気によじ登るとスズメをくわえて平然と降りてきたのです。それがこういう感じでした。

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スズメはかわいそうでしたがそれもネコの性(さが)であり、長じて誰もが認めるたいそうな美人?になったにもかかわらず、チビ様のハンター能力は広いネコ界でも上位にありました。子ネコの運動能力もそれを髣髴(ほうふつ)とさせるものがあり、これまた勝利の女神に違いないという判断から、名前は「のい」になりました。新しいチビ様、復活、ご再来ということであり、ドイツに思い出のある我が家でもあり、NEWではなくドイツ語のNEU(ノイ)であります。

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ということで、あのワインの空きびんのほうも、家宝として永久保存リストに加えられることが決定いたしました。

 

 

 

 

 

ノイの大戦果

ネコと鏡とミステリー

 

 

 

 

 

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株式道場ーGPIFの謎ー

2014 JUN 5 1:01:07 am by 東 賢太郎

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)なるものがある。HPによると「厚生労働大臣から寄託された積立金の管理及び運用を行うとともに、その収益を国庫に納付することにより、厚生年金保険事業及び国民年金事業の運営の安定に資することを目的」とする法人である。

この法人は、年金積立金の管理及び運用に関する具体的な方針を定めた「管理運用方針」を策定し、信託銀行と投資顧問会社へ運用委託を行う。実際の運用を行うものではなく、運用方針を決め、それを運用させてその監督をする。わかりやすくいえば、ゼネコンと工務店の関係だ。

いま株式市場ではGPIFが日本株の運用枠(資産構成比)を1-2%引き上げたのではないか、だから株は高いだろうという憶測で強気が勝っている(だから刹那的にダウが上がっている)。一昨日付の某証券会社レポートにはこうある。

仮に買い手がGPIFであると仮定した場合、3月末の日本株資産構成比は16%程度と推測されます。基本方針は12%±6%なのですが、報道によれば株式に積極的な新たな運用委員長を迎えた経緯もありアロケーションを昨年12月末の17%程度まで引き上げる決定をしたとしても不思議ではありません。17%として1%アップなので約1兆円の買い、上限の18%として約2兆円の買い余地が生まれたと推測されます。信託銀行経由の買いがすべてGPIFであると仮定すると、1~2兆円の買い余地のうち、先々週までで4700億円、おそらく昨日までで累計1兆円弱の買いになっていると予想されます。つまり、17%に向けた買いであるならばそろそろ目的を達成しているということになります。

こういうものを書く人を証券業界では「ストラテジスト」と呼ぶ。シロウト(個人投資家)向けではないからクロウト(機関投資家)しか読めない。B to Bのサービスなのだ。ちなみにこれは僕にメールで送られてくる。ではそれでクロウトが投資に成功するかというと、そういうことはない。むしろこういう情報を軽率に追いかけるとやられる(損する)ことの方が多い。僕は野村證券時代に金融経済研究所投資調査部長(ストラテジスト部隊の長)をやった。自分で書いたわけではなく20数名ほどいた「書くプロ」の監督だ。だから書く人にはうるさい。上記の筆者は(別な会社だが)なかなかバランスを感じていい。

このGPIFというのが日本株資産構成比を引き上げるのどうのといっているのが、いわゆる安倍内閣の株高政策、PKOなるものだと解釈されている。そうであるとすると、自民党が古典的に行ってきた財投という土建屋的バラまき行政、一部学者とか智者を装う評論家みたいな連中が「ケインジアン政策」という雅名でよぶこともあるが、それを株式市場でもやってしまおうという知性のかけらも感じない土俗的行為である。安倍さんは為替介入と区別がついていない気がするが、インサイダー取引という固有の問題をはらむ株式取引は危険と裏腹でもある。「日本株がこれからパフォーマンスが良さそうだから」と合理的に判断するならいいだろう。しかし厚労大臣が学者を連れてきてそれを言わせるという図式は理解ができない。

クニとセンセイはこの国では全能の神だ。センセイが決めれば国民など誰もわかりはしない、という和式の理屈だ。神のお告げなんだからGPIFは20%まで日本株を買っていい。あと4兆円だぞ!高値をどんどん買うぞ!だから株は高いぞ、みんな買わないと損するぞ!ということだ。夏にはまだ早いが、まあ、一種の祭りか盆踊り大会と思うしかない。後の祭りになった者がババをつかむだけだ。政治をまつりごととは実によく言ったものだ。政府は今年の第3四半期(7-9月)のGDPを見てさらなる10%への消費増税を決定することになっている。そこで株が下がって消費が減退し、国民に反対論が盛り上がっては困るのだ。そこで厚労省はせっせと財務省と自民党に恩を売るわけだ。

この「どんどん日本株の高値を買ってダウを押し上げる」→「みんな買うだろう」→「ダウが上がるだろう」は明確に間違いである。為替レートというものは確たる理論的論拠がない。金利差だ資金移動額だと小理屈はあるが、そのどれもが明確に1ドル80円か100円かを説明するわけではない。だから「政府資金が介入」という事実が理屈に勝ってしまう。だから市場参加者は皆ビビる。つまり、そういう厳然たる裏事情があるからこそ、為替レートはある程度は操作可能なのである。ドル・人民元のペグのようなことはそうやって可能になるのだ。しかし株はちがう。どこの誰が一気に大口でたくさん買ったからといって、理屈の方が最後は勝つ。ある程度の理屈で説明づけされる水準から居所を変えて株価がそこに居座ってしまうということはまずないのである。

だから株の世界で威嚇、警鐘、誘導のつもりで「これから買うぞ」と手の内をさらすのは麻雀でテンパりましたと宣言するぐらいバカである。世界中の投資家が先に買っておいて上がったら売り浴びせられ、ごっつぁんでしたとなるのが落ちだ。いや、それでもいいんだ、どんどん買って儲けて下さい、ババは僕がつかんで損しますから。それで9月まで株高がもてば消費税OKなんです、それでいいんですよ、ということか?そうとしか聞こえない。「僕が損しますから」って、僕って誰かって?皆さんである。皆さんの将来の年金給付金になるはずのお金がそれに使われるのである

前回のくり返しになるが、こういうとんでもない人たちにお金をあずけてまともに年金が払われると思う方がおかしい。本来は年金など不要で個人が老後資金を自分で蓄えるのが本筋だ。ただ、個人で小口で運用するよりも国がまとめて規模の利益を得てやったほうが成績がいいだろうという理屈で年金が始まった。ところがわが国ではその「規模」は株価対策に使われる。それなら「自分年金」を作った方がいいと考える人はこれから圧倒的に増えるだろうし、僕はそういう人たちを助けたい。もっと低コストでわかりやすくて、しかも老後に安心できる投資の仕組みを作りたい。

しかし僕のいうのは杞憂かもしれない。そうやってどんどん株を買い上げていくと、あら不思議、そのお金は年利4.2%という超高利回りで100年間も増えるらしいのである。我が国の経済学会にはケインズ先生も驚く物凄い経済理論があるのだ。そのうちSTAP友の会の会長さんとGPIFの学者センセイとどっちが先にノーベル賞を取るか、ロンドンのブックメーカーがオッズを出すのではないかと推察する。優れた人間洞察力から独自の「株式美人投票理論」をあみだしたケインズは株がうまく、母校キングズ・カレッジの基金3万ポンドを運用して38万ポンドに増やした。ただし、残念ながら買い上げではなく、大恐慌で下がった中小型の割安株に集中投資するバリュー株戦略で成功したのである。

 

 

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株式道場―百年安心年金の怪ー

2014 JUN 3 23:23:43 pm by 東 賢太郎

僕は年金会計の専門家ではないので、年金の所得代替率が2009年時点で50.1%しかなかったことの是非を検証することはできません。それはその数値が今後の我が国の実質経済成長率、労働分配率、出生率など種々の前提条件をどう仮定するかに依存するからです。

現状でわかっているデータは年金給付総額49.8兆円であり、年金保険料が30.2兆円、国からの財政支出が12.9兆円です。ということは、足りない 6.7兆円は積立金が取り崩されているということです。消費増税分の3%でもそれに足りません。それを補うには①さらなる増税②保険料徴収期間の延長③給付開始年齢の引き上げ、以外に策があるとは思えません。

ところが④があるようなのです。それは年金の運用利回りを100年間にわたって4.2%にすることです。政府はそう言っています。

一応30年金融証券の世界で飯を食ってきた人間として書きます。どうせつくならもう少しマシな嘘をつきなさいよということです。

皆さま、銀行預金や国債は絶対に安全と思っておられますか?政府が経済成長率や日経ダウや年金運用利回りを押し上げたり鶴の一声で決めたりできると思っておられるでしょうか?自由主義経済でそんなことは100%あり得ません

断言します。国債利回り(「リスクフリーレート」と呼びます)が10年で0.6%しかない国の通貨(「円」ですね)で、それを3.6%も上回る運用利回りを1世紀も継続できる人が現れたら、ジョージ・ソロスはおろか、ノーベル経済学賞学者はおろか、人類史に永遠に刻まれる奇跡をおこした全能の神として世界中に巨大神殿が建造されるでしょう。ブッダもキリストもアラーもその前にひれ伏すしかありません。それを正気で言う人の正気を心配しますし、我々金融業界はバカであると愚弄しているのではないかと憤りすら感じるのです。

円ベースでリスクフリーレートを3%上回る利回りを3年続けただけで「運用のプロ」として生きていけます。5年なら「運用をお願いしたい」というお金が黙って数百億円集まります。10年続けられたらイチロー並みの天才として世界プロフェッショナル運用業界の殿堂入りは確実です(そんな人はまだいません)。それを100年???笑うしかありません。

頭脳明晰な官僚がそれを知らないはずはありませんから、④は実はなくて③しかないのが真実だということを賢明な皆さまは覚悟されるべきなのです。だから「自分年金」を作って老後の安定を図るしかありません。何でもかんでも国におまかせできるという幻想は、政治家の票集めと官僚の仕事作りのためでしかないという大人の認識をお持ちになることです。

自分年金とは何か?老後の安心資金を「どう儲けるか」ではなく「どう確保するか」「どう守るか」ということがその意味です。僕はそういう立場でプロとアマのお客様両方から料金をいただいてアドヴァイスをすることを本業としています。SMCでは設立趣旨から株式市場全体のお話しだけにとどめ、個別銘柄の推奨のようなことは差し控えますが、申し上げたいことは非常に明確ですからぜひ文脈からそれを読み取っていただき自分年金作りのご判断のお役にたてていただければ幸いです。

 

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株式道場ー米中通貨主権戦争ー

2014 JUN 3 1:01:27 am by 東 賢太郎

米国金融現代史年表

1971年: ニクソンショック(米ドルの金交換停止、紙きれを信用させて食う国に)

80年代: 産業革命以来の「新発明」がけん引する成長の時代は終わった

93年:  BIS基準8%の強要で邦銀いじめ

97年: 日独スイスの銀行証券市場にくびきを与え支配下に置く(雅名は「金融ビッグ        バン」、日本は橋本龍太郎内閣)

2000年: Y2K問題を騒いで世界中で無意味かつ巨額のIT投資をあおり一息つく

01年: 中国WTOに加盟

00-07年: お札を刷りまくって不動産バブルをあおる(基軸通貨の役得を貪る)

06-07年: 中国が3兆ドルの米国債券を保有するに至る、中露が米住宅債券の売りを画策(米ドルの基軸通貨からの追い落としを図る)、橋龍氏逝去

07-08年: サブプライムが大暴落しリーマンが破たん

09年: G8後に中露印が「ドルによる国際貿易決済の停止」を主張、オバマ政権誕生、中川昭一氏呂律事件(翌年逝去)

 

以上、私見では現在の米中ヘゲモニー闘争の伏線上の出来事と解釈している。イ・イ戦争、9-11は出てこない。通貨主権戦争だからである。以下、今後につき私見を骨子のみストレートに書く。

オバマの大きな政府と低所得者ケア政策は失敗。強制的予算削減で財政赤字は減っているが軍事費まで削らざるを得なくなっており中国を喜ばせている。赤字削減はドルの価値下落を当面は防ぐがドルの価値は米の軍事覇権にもよっている。中国に完全につけいる隙を与えた。11月中間選挙でティーパーティーが上院で勝てばオバマは弾劾に追い込まれる可能性がある。

先のアジア歴訪は追い込まれたオバマが習近平と「通貨主権」につきディールするためのものである。共産党首脳の賄賂データでゆすってテーブルに着かせ、「中国が米国債に投資し続けること」と「人民元を現レートでドルペグしつつ国際決済通貨に格上げすること」を握ったと思われる。

これの意味は大変重要である。中国は安目の人民元のまま有利な輸出の継続を保障され、米は中国の成長力=安定した人民元にあやかった。為替レートをペグすることは「人民元本位制」をとるということで米ドルの信用補完を買った。香港ドルはドルペグで信用補完してきたが、今回は、ペグさせていただいたのはドルの方である。オバマはだから不利になる米輸出企業のために乗り気でなかったTPPで体を張るはめになった。

中国に3兆ドルの債券をたたき売られるのを防ぐためには戦争でも殺人でも何でもやるしかない。日本は脅せばビビって売らない。中国は軍事力がついてビビらなくなったのがこの10年。もう脅すネタは高官の賄賂の銀行口座データぐらいしかない。今回のディール成立はそのネタでもたたき売りを阻止するには弱いという米の判断を示した。つまり中国の持つ脅しネタに米が屈したということである。米国開闢以来の屈辱的ディールだが、米はカネがない。米ドルもオバマの政治生命もそこまで危なかった。

つまり米中は今や同盟国である。米ドル防衛で依存することになった中国が太平洋で少々暴れまくろうと本格的に手は出せない。だから今、南シナ海で中国はやりたい放題、ジャイアン状態なのである。尖閣の有事において日米安保条約は日本側の期待ほどには守られない可能性がある。セコムが鳴っても来るのはセコムの警備員だけで警察官は来ないかもしれない。我が国は自衛以外の道はない。

米中の軍事衝突はない。中国は勝てないし米国の通貨主権を奪えば勝ちだからそんなへまはしない。では西太平洋での軍事覇権が何のために必要かというと人民元の信用力をつけるために他ならない。それを米は止める資金も交渉力もない。通貨覇権を失った米は今の中国と同じただの大国か資源国にすぎない。そこでドルペグは中国の方が解除する。だから王手飛車取りである。将棋は詰んでいる可能性がある。米がそれを阻止するには「将棋盤をひっくり返す」しかない。それはあり得るし、それが何か?だ。

安倍内閣は靖国参拝(同盟国中国を刺激したため米は非難)、TPP難癖で議会を怒らせているが、安易にまつろうことなく今の路線で断固やるしかない。米国が異質なイデオロギーの中国をくわえこんだのは自民党が公明党をそうしたのと同じ。したたかにやるしかない。

日中の政治対立、軍事対立はさらに鮮明化する(そうしないと通貨覇権に及ばない)が、安倍路線の進展で「攻められない軍備レベル」に到達すると思料。株式市場はカントリーリスクには敏感である。有事には暴落の恐れ無きにしも非ずであるが、真の有事ではないので必ずリバウンドする。有事に強い金を保有し、有事の下落で株を買い増す資金余力さえあればよい。

 

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株式道場-こういう株を買うべし-

2014 JUN 2 13:13:25 pm by 東 賢太郎

株式市場にやや停滞感が出てきました。今後どうなるのかご関心ある方は多いと思うので、持論を何回かにわたって書いておきます。

某証券会社からの資料にこういうグラフがありました。東証1部上場企業の配当利回り(1株当たり配当金を株価で割った率)と10年国債の利回りを比べたものです。

1997年までは配当利回りが国債利回りより高い企業はありませんでした。それが98年から急に現れていますが、平均すると全上場銘柄の30-40%ぐらいでした。ところがその比率は08年からさらに一気に70-80%までに増え、12年からはなんと90%に達しています

08年から国債利回りは一段と低下して12年についに1%を切り、逆に、配当利回りは一段と上昇して2%内外になっているからです。このグラフに13年の「アベノミクス効果」の影響は何もないことにご注目ください。アベノミクスはマネタリー現象を契機としましたが、マネタリー現象に影響は与えていないというのは大事なポイントです。

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さて、これはいったい何を示唆しているのでしょうか?

以前のブログで一部の大企業は10年国債利回り(0.6%)を下回るレート(0.3-5%)で銀行からお金が借りられると書きました。だから借金して国債を買えば0.3%の運用益が出るということです。未曾有の事態なのです。

ところが、自社の配当利回りが国債利回りより高い企業においては、国債買いでなく「自社株買い」をした方がもっと運用益が大きいということになります。そして、上のグラフが示すところによれば、なんと90%の上場企業においてそれがいえるということがわかるのです。

最近、トヨタ三井物産が自社株買いを発表しています。僕はこれがもっと広がると予想しています。なぜなら、自社株買い自体が市場に出回る総発行株数を減らすので株価にプラスですから、株主もウエルカムです。借りて欲しい銀行もウエルカム。総じてこれは日本株全体の株価にプラスになります。

個別企業の株価については業績や資産内容を精査する必要がありますが、10年国債利回りどころかREIT分配金利回り(3.4%)を超える配当利回りの銘柄が117もあのですこのうち、収益力が過小評価されている15-20銘柄は株価が大幅に上がる余力を秘めている考えてよろしいでしょう。こういう銘柄はほぼ純資産価値(解散価値)で株価がついていますから、下がっても知れています。複数銘柄をもってリスク分散しておけばあまり損するリスクは気にしなくてもいいのです。

シニアの皆さまはおそらく子供が独り立ちし、ローンもほぼ終了して大なり小なり銀行にお金を「退蔵」(ほぼゼロ金利の預金)されていることと思います。退蔵マネーである預金の半分ぐらいを上記のような15-20銘柄と金(ゴールド)にかえておくことは、利息が付かない金だけを持つよりも賢い方法です。株は売ったり買ったり、だましたりだまされたりするものだと思っておられる方は「宗旨替え」をお薦めします。株は安い時に買ってずっと置いておいて、配当をもらうものなのです。

ある本によると、日本人が死亡した時の平均資産は3500万円だそうです。そんな大金を働いて貯める時間なんかがあったなら(実際あったわけです)、元気なうちにご夫婦でクイーンエリザベス号で思い出づくりの世界一周旅行でもしたほうがよかったでしょう。しかし、利息の付かない、つまり使って減る一方の預金だけだと使う勇気も出ないでしょう。利息が付くものに替えておくことは、人生のゴールへむけて充実した一日一日を過ごすための勇気もくれるものだと思います。

 

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